ずっと二人で。ー俺と大好きな幼なじみとの20年間の恋の物語ー

紗々

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 う、嬉しい……?嬉しいのか……?え、それって……。

「そ、そうた…」
「…俺も、大好きだよ、樹。…子どもの頃から、ずっと」
「………………え」

 ……いや、マジで?そんな、……そんな都合の良い話あるか?……え、ホントに?
 最良の答えなのに素直に信じきれない。だって、俺たちはずっとずっと長いこと、ただの友達だったんだ。ただの幼なじみだ。……もしかしたら、……なんかまだ勘違いしてるのかもしれない。……こいつ純粋だから。俺と違って。

「……あ、あのな、……俺が言う、その、好きっていうのはな、……と、友達…としての、その、……それじゃないっていうか……」
「ふふ。分かってるよバカ。たった今熱烈なキスされたばかりじゃん」
「っ!…………え、……じ、…じゃあ……」
「…………うん」

 ……え?俺の片想いじゃないってことなのか……?マ、マジで…………?

 ………………や、

 ……やったぁぁぁぁ!!
 理解した途端、例えようもない喜びが胸に溢れてきて、思わずまた颯太を思いっきり抱きしめた。神様!!ありがとうございます!!いいんですか?!こんなご褒美をいただいて。大事にします!一生大事にします!!神様!!

「ち、ちょっと、樹……。ここ、外だってば……」
「颯太!」
「な、何っ」
「颯太!」
「だから何…?と、とりあえず離し…」
「愛してる!一生大事にするからな、俺!」
「……っ!……バカ……。声おっきいよ……」

 颯太の顔がまた真っ赤に染まる。可愛い……、可愛すぎる。……ダメだ、もう待てない!
 テンションMAXになった俺はたまらず言った。

「そっ、颯太!」
「…ん?」
「ホ、ホテル行こう!」
「……。」

 パチン。

 いてっ。



「よくやったな!樹!」
「バンザーイ!バンザーイ!!」

 両親は息子の快挙に諸手を挙げて喜んだ。合格発表の日から三日三晩、ご馳走は続くわケーキは何度も出てくるわ、親戚中に電話してまわるわ、それはもうすごいはしゃぎようだった。
 俺も心底ホッとしていた。たしかにこのアホがA高に受かるのはすごい快挙だが、俺自身は高校なんて実際どこでもよかったのだ。そこに颯太さえいれば。颯太が行く学校だから。それが唯一にして最大の志望動機だったのだから。

 さて。終わった受験はもうどうでもいい。問題は、ここからだ。
 受験が終わり、颯太が俺の愛の告白を受け入れてくれた瞬間、俺の脳内はまたカチッとドスケベスイッチに切り替わった。もう勉強はどうでもいい。一生分やったからもうしない。颯太と恋人同士になれたんだ。は、早く……、早く持ち込みたい。アレに。
 頭の中は颯太とのセックスでいっぱいいっぱいになり、久々に電源を入れたスマホの検索履歴は男同士のセックスの仕方に関することばかりになった。

 あの日。合格発表の帰り道に立ち寄った公園で互いの想いを伝え合った時、感激のあまり俺はすぐさま本能のおもむくままに颯太をホテルに誘ったが、ほっぺたを軽くぺちんとやられただけで終わってしまった。



「な、なんでだよ!え?!ダメなの?俺たち、今、こっ、こっ、恋人同士になったってことじゃねぇのかよ!……え?ち、違うの?」
「……違わないけど。……いくら何でも早過ぎだよ。バカ。スケベ」
「そ、……そんなぁ……」

 ガクリと崩れ落ちる俺を尻目に颯太はそそくさと立ち上がり、

「さ、お互い家に帰って親に報告しよう。合格を。…樹覚えてる?俺たちA高に受かったんだよ?」
「……そうなの……?……どうでもいい……それは……」
「もう…。何言ってるの…。ちょっと落ち着いてよ、そんなショック受けないで。……俺にだって、……心の準備ってものが必要なんだから」

 そう言うと颯太は恥ずかしそうにプイッと俺から目を逸らし、さっさと先に帰ろうとしたのだ。慌てて追いかけて、途中まで一緒に帰ったけど。



「……はぁ…」

 …い、いつできあがるんだろ、心の準備って。俺はもう何もかも準備万端なんだけど。呼び出してくれたら今すぐにでも飛び出して行くんだけど。
 ……あぁ……。颯太に触りたい……!!
 受験が終わった今、もう卒業までは遊び放題なわけだ。デートし放題だ。つ、次はいつ会ってくれるんだろ。

「……。」

『今度の日曜、どっか行く?会える?』

 ……うーん……。我ながらがっつきすぎだな。分かってはいるけど……、だって会いたいだろ。やっと両想いを確認できて、恋人同士になったんだ。あの、颯太と。あの可愛い俺の天使と。べ、別にいいんだ。エロいことできなくても。ただ会いたいだけ。下心なんてない。

 そんなには。



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