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「おぉ……!すげぇ!」
「ふふ。わりと上手くできてるでしょ?」
「こんなん作れるんだな。すげえよお前」
「や、みんな作ってたけどね」
「これ、颯太とお揃いなのか?」
「うん。ほぼ色が違うだけ。あと柄が少し」
「…ありがとな。大事に使うよ。将来一緒に暮らすようになったら毎日二人で使おうな」
「……えっ?」
夏休み最後の日。颯太から受け取った綺麗な水色のマグカップを見つめながらそう言うと、颯太はビックリしたような顔をして俺を見る。
「……?何だよ」
「い、いきなり変なこと言うから……」
何故だか顔が赤い。
「??…変なことなんて言ってねーよ。社会人になったら一緒に暮らすだろ?そしたら毎朝これで一緒にコーヒーを飲むんだ。……ふふん。楽しみだな。……な?」
「…………うん……」
ますます真っ赤な顔をして俯く颯太。そんなに恥ずかしいこと言ったかな?俺。
「…なんでそんなに照れてんだよ」
「……あ、……当たり前のように言うから……。…い、一緒に暮らす、とか……」
「え。……嫌なの?」
「うっ?!……ううん、……まさか」
「じゃ、いいじゃん」
「……うん」
「それまで絶対このマグカップ割るなよーお前」
「……なんか樹には言われたくない……」
少し口を尖らせながら火照った頬でそんなことを言う颯太が可愛くて、俺はマグカップを大事にテーブルの上に置くと、そっと颯太に近づく。
「!……い、いつき……」
「キスだけだって」
「…………っ、」
優しく唇に触れる。……うっとりと目を閉じて受け入れる颯太がものすごく可愛い。……もっと欲しい。出かけねーかな、おかん。まぁでもリビングでテレビ見てるし、特に用もないのに高校生の息子の部屋のドアをいきなり開けることなんかない。ちょっとぐらい大丈夫だろう。そう思って窺うように舌を少し差し入れる。颯太はピクッと肩を揺らしたが、不安そうにおずおずと唇を開いて俺を受け入れる。その動作だけでもう俺の体は一気に熱くなる。
「…………はぁっ…」
「…………ん……」
開いた隙間からグッと舌を押し入れ、颯太の舌に絡め、引き出す。二人の息はあっという間に上がり、互いにもどかしい熱をもてあましながら必死に求め合う。普段ならこれ以上はさせない颯太がはぁはぁと呼吸を荒げながら俺を受け入れているのをいいことに、腰をグッと引き寄せ、両手を回して強く抱きしめた。颯太の両手も俺の背中に回る。舌を激しく絡め合いながら互いの体をまさぐる。颯太ももっと欲しくてたまらないと思っているのが伝わってきて、もうどうにかなってしまいそうだった。
「はぁ、はぁ……、な、なぁ、……そうた……」
「…………っ、……ん……?」
熱に浮かされたエロい顔で颯太が俺に返事をする。きっと俺も今同じような表情をしているんだろう。
「い、……いつなら、いいんだよ」
興奮しきった激しい呼吸の合間に掠れた声で聞く。
「…………はぁっ……」
「も、……もうそろそろ、…………。……なぁ」
頬や首筋に唇を押し当てながら、俺は必死に懇願する。そろそろエッチさせてくれ。お願いします、マジで。死んでしまうよこのままじゃ。一人で毎晩擦りすぎてもう擦り切れそうなんだよ。俺の息子が。死んでしまうよ、息子も俺も。
「……はぁ、……はぁ、…………ん…」
「……な?」
「…………う、ん……」
「……な?」
「……。わ、……分かってるってば……」
「い、いつ?いつならいい?ら、来週?」
「…………もうちょっと、……待って……」
「~~~~~っ!なんでだよぉぉ。いつならいいんだよぉぉ。う……、うぅぅ……っ」
「な、情けない声出さないでよ、もう……」
「だ、だってさ……、お前だって、……ヤりたいだろ?」
そう、したくないわけがないのだ。颯太の体だってしっかり反応してる。真っ盛りの高校生だ。その欲求がないわけがない。
「だって……、だって、するにしてもさ……。なんか、ヤなんだもん」
「何がだよ」
「……ラ、……ラブホテルとか……」
「えぇ?何でだよ。普通に行ってるって皆。気にするなよ。そういうとこに行くのもそのうち慣れるだろ。な?」
「………………。」
「な?」
ためらう颯太に必死で食い下がる俺。どうしよ。土下座しようかな。颯太とヤりたい颯太とヤりたいで頭の中がパンパンに膨らんでいる俺にはもうプライドなんか微塵もなかった。
「………………でもなんか、やっぱり恥ずかしい……。抵抗あるんだ……」
「……わ、分かった。ならさ、それっぽくないごくごく普通のビジネスホテルとかなら、どうだ?」
「…………。そ、……それなら、……まぁ……」
「いいのか?!」
「っ?!」
「そそそれならいいのか?!颯太!!」
「ちょっと……、怖いよ樹……」
「うるせぇ!それならさささせてくれんのかどうか、頼むから答えてくれよ颯太!」
俺は血眼になって颯太に詰め寄る。
「う、うん、まぁ……。……でもやっぱりもう少しだけ、待って……。こ、心の準備が……」
バターン!
俺は颯太の膝の上に崩れ落ちた。
「…………樹」
「…………う゛……、うぅぅ……」
「もう…。…分かってるってば、樹。泣かないでよ、情けなくてこっちが泣けてくるよ…」
颯太の膝枕で落ち込んでいる俺の頭をナデナデしながら颯太が言う。
「…樹の気持ちはちゃんと分かってるよ。……ちゃんと覚悟を決めるから。ね?」
「……。……俺のこと好き?」
颯太を見上げて聞いてみる。
「ふふ。うん。……死ぬほどね」
「…………。」
その答えと優しい笑顔にズキュンとくる。
「……俺もだよ、颯太。……大好きだ」
「……ふふ。うん」
……天使みたいだ。可愛い。……幸せだ。
颯太の膝枕で甘えながら髪を撫でられ、一緒にいられる喜びをしみじみと噛みしめていた。
あんなに幸せだったのに。
あんなに大好きだったのに。
一生離れることはないと、信じて疑わなかったのに。
「ふふ。わりと上手くできてるでしょ?」
「こんなん作れるんだな。すげえよお前」
「や、みんな作ってたけどね」
「これ、颯太とお揃いなのか?」
「うん。ほぼ色が違うだけ。あと柄が少し」
「…ありがとな。大事に使うよ。将来一緒に暮らすようになったら毎日二人で使おうな」
「……えっ?」
夏休み最後の日。颯太から受け取った綺麗な水色のマグカップを見つめながらそう言うと、颯太はビックリしたような顔をして俺を見る。
「……?何だよ」
「い、いきなり変なこと言うから……」
何故だか顔が赤い。
「??…変なことなんて言ってねーよ。社会人になったら一緒に暮らすだろ?そしたら毎朝これで一緒にコーヒーを飲むんだ。……ふふん。楽しみだな。……な?」
「…………うん……」
ますます真っ赤な顔をして俯く颯太。そんなに恥ずかしいこと言ったかな?俺。
「…なんでそんなに照れてんだよ」
「……あ、……当たり前のように言うから……。…い、一緒に暮らす、とか……」
「え。……嫌なの?」
「うっ?!……ううん、……まさか」
「じゃ、いいじゃん」
「……うん」
「それまで絶対このマグカップ割るなよーお前」
「……なんか樹には言われたくない……」
少し口を尖らせながら火照った頬でそんなことを言う颯太が可愛くて、俺はマグカップを大事にテーブルの上に置くと、そっと颯太に近づく。
「!……い、いつき……」
「キスだけだって」
「…………っ、」
優しく唇に触れる。……うっとりと目を閉じて受け入れる颯太がものすごく可愛い。……もっと欲しい。出かけねーかな、おかん。まぁでもリビングでテレビ見てるし、特に用もないのに高校生の息子の部屋のドアをいきなり開けることなんかない。ちょっとぐらい大丈夫だろう。そう思って窺うように舌を少し差し入れる。颯太はピクッと肩を揺らしたが、不安そうにおずおずと唇を開いて俺を受け入れる。その動作だけでもう俺の体は一気に熱くなる。
「…………はぁっ…」
「…………ん……」
開いた隙間からグッと舌を押し入れ、颯太の舌に絡め、引き出す。二人の息はあっという間に上がり、互いにもどかしい熱をもてあましながら必死に求め合う。普段ならこれ以上はさせない颯太がはぁはぁと呼吸を荒げながら俺を受け入れているのをいいことに、腰をグッと引き寄せ、両手を回して強く抱きしめた。颯太の両手も俺の背中に回る。舌を激しく絡め合いながら互いの体をまさぐる。颯太ももっと欲しくてたまらないと思っているのが伝わってきて、もうどうにかなってしまいそうだった。
「はぁ、はぁ……、な、なぁ、……そうた……」
「…………っ、……ん……?」
熱に浮かされたエロい顔で颯太が俺に返事をする。きっと俺も今同じような表情をしているんだろう。
「い、……いつなら、いいんだよ」
興奮しきった激しい呼吸の合間に掠れた声で聞く。
「…………はぁっ……」
「も、……もうそろそろ、…………。……なぁ」
頬や首筋に唇を押し当てながら、俺は必死に懇願する。そろそろエッチさせてくれ。お願いします、マジで。死んでしまうよこのままじゃ。一人で毎晩擦りすぎてもう擦り切れそうなんだよ。俺の息子が。死んでしまうよ、息子も俺も。
「……はぁ、……はぁ、…………ん…」
「……な?」
「…………う、ん……」
「……な?」
「……。わ、……分かってるってば……」
「い、いつ?いつならいい?ら、来週?」
「…………もうちょっと、……待って……」
「~~~~~っ!なんでだよぉぉ。いつならいいんだよぉぉ。う……、うぅぅ……っ」
「な、情けない声出さないでよ、もう……」
「だ、だってさ……、お前だって、……ヤりたいだろ?」
そう、したくないわけがないのだ。颯太の体だってしっかり反応してる。真っ盛りの高校生だ。その欲求がないわけがない。
「だって……、だって、するにしてもさ……。なんか、ヤなんだもん」
「何がだよ」
「……ラ、……ラブホテルとか……」
「えぇ?何でだよ。普通に行ってるって皆。気にするなよ。そういうとこに行くのもそのうち慣れるだろ。な?」
「………………。」
「な?」
ためらう颯太に必死で食い下がる俺。どうしよ。土下座しようかな。颯太とヤりたい颯太とヤりたいで頭の中がパンパンに膨らんでいる俺にはもうプライドなんか微塵もなかった。
「………………でもなんか、やっぱり恥ずかしい……。抵抗あるんだ……」
「……わ、分かった。ならさ、それっぽくないごくごく普通のビジネスホテルとかなら、どうだ?」
「…………。そ、……それなら、……まぁ……」
「いいのか?!」
「っ?!」
「そそそれならいいのか?!颯太!!」
「ちょっと……、怖いよ樹……」
「うるせぇ!それならさささせてくれんのかどうか、頼むから答えてくれよ颯太!」
俺は血眼になって颯太に詰め寄る。
「う、うん、まぁ……。……でもやっぱりもう少しだけ、待って……。こ、心の準備が……」
バターン!
俺は颯太の膝の上に崩れ落ちた。
「…………樹」
「…………う゛……、うぅぅ……」
「もう…。…分かってるってば、樹。泣かないでよ、情けなくてこっちが泣けてくるよ…」
颯太の膝枕で落ち込んでいる俺の頭をナデナデしながら颯太が言う。
「…樹の気持ちはちゃんと分かってるよ。……ちゃんと覚悟を決めるから。ね?」
「……。……俺のこと好き?」
颯太を見上げて聞いてみる。
「ふふ。うん。……死ぬほどね」
「…………。」
その答えと優しい笑顔にズキュンとくる。
「……俺もだよ、颯太。……大好きだ」
「……ふふ。うん」
……天使みたいだ。可愛い。……幸せだ。
颯太の膝枕で甘えながら髪を撫でられ、一緒にいられる喜びをしみじみと噛みしめていた。
あんなに幸せだったのに。
あんなに大好きだったのに。
一生離れることはないと、信じて疑わなかったのに。
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