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転生して壁ドンされる毎日です
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ある時、これ、私が昔書いた話じゃん…☆
という世界に転生したことに気付いたメイドちゃん。
御世話してるのは、悪役令嬢。話の中ではめったくそにやられる立場だったけど傍にいたらかわいくて!
私この子を幸せにするんだから!
と、のっと悪役令嬢コースから外れるように頑張っている。
頑張っていたら。
悪役令嬢の兄(話の中ではずっと留学してた人)に気に入られてしまい。
留学から帰ってから毎日壁ドンされてせまられています、みたいな。
「おはよう」
「お、おはようござい、ます……あ、あの、お放しくださいますか」
「いや」
にこーっと誰もが好む笑顔を私に向けるのは、この館の主。公爵閣下の嫡子様だ。
私はここ最近、この方にずっと迫られている。
何がお気に召したのかわからないけれど、とにかく迫られている。
一日一回は壁ドンされて、背中を壁にぴたりとくっつけて向き合わされる。
「ご、御用は?」
「父上に、お前を私付にしてほしいと頼んだのだが、駄目だと断られてしまってな」
「えっ」
「お前は妹の優秀なメイドだから、と。お前から私のところに来たいと言えば……どうにかなりそうなんだが」
だめか、と。
瞳うるませて迫ってくる。
わ、わたしは! だまされない!!
この瞳うるうる捨てられた子犬のようなそぶり向けられても、だまされないわ!!
「申し訳ありませんが……」
「そう。じゃあ、仕方ないな」
すっと体が離れていく。ほっとしたのもつかの間、私の手は彼に捕まれていた。
すりりとその手は、手首から掌に動いて。恋人同士でするように、指先が絡み合う。
ひぇ。
「ああああ、あの、私、お嬢様とお約束が!」
「そんなの無視して。あいつなんて言いくるめるから」
「いえ、あの、その! む、むり!!」
私はその手を無理矢理解いて、どうにかこうにか逃げた。
というより、ありたが逃がしてくれたのだと思う。
だって、また明日ねと楽しげに声かけてくるからだ。
心臓に悪い。本当に、心臓に悪い。
助けてお嬢様!
「え、無理じゃないかしら。だってお兄様、狙った獲物は逃がさない方ですし」
「そんな……お嬢様は私がどうなってもよろしいのです?」
「どうなってと言っても……お兄様に手籠めにされるだけでしょう?」
「……私が手籠めにされると、どうなると思ってらっしゃいます?」
「えっと……部屋に閉じ込めて出さない。毎日、色々される」
「はい、まずその閉じ込めて出さない。つまり、私は台所に立てません」
「!!」
「台所に立てないと言うことは」
「あの美味しいお菓子が食べれない!!」
そうです、その通りですと頷くとお嬢様はわかったわと頷く。
絶対にお兄様から守ってみせると。
短編くらいならもうちょっと設定をつめたらかけそうな感じがします。
ただ何かこう。もうひと押し欲しい。
という世界に転生したことに気付いたメイドちゃん。
御世話してるのは、悪役令嬢。話の中ではめったくそにやられる立場だったけど傍にいたらかわいくて!
私この子を幸せにするんだから!
と、のっと悪役令嬢コースから外れるように頑張っている。
頑張っていたら。
悪役令嬢の兄(話の中ではずっと留学してた人)に気に入られてしまい。
留学から帰ってから毎日壁ドンされてせまられています、みたいな。
「おはよう」
「お、おはようござい、ます……あ、あの、お放しくださいますか」
「いや」
にこーっと誰もが好む笑顔を私に向けるのは、この館の主。公爵閣下の嫡子様だ。
私はここ最近、この方にずっと迫られている。
何がお気に召したのかわからないけれど、とにかく迫られている。
一日一回は壁ドンされて、背中を壁にぴたりとくっつけて向き合わされる。
「ご、御用は?」
「父上に、お前を私付にしてほしいと頼んだのだが、駄目だと断られてしまってな」
「えっ」
「お前は妹の優秀なメイドだから、と。お前から私のところに来たいと言えば……どうにかなりそうなんだが」
だめか、と。
瞳うるませて迫ってくる。
わ、わたしは! だまされない!!
この瞳うるうる捨てられた子犬のようなそぶり向けられても、だまされないわ!!
「申し訳ありませんが……」
「そう。じゃあ、仕方ないな」
すっと体が離れていく。ほっとしたのもつかの間、私の手は彼に捕まれていた。
すりりとその手は、手首から掌に動いて。恋人同士でするように、指先が絡み合う。
ひぇ。
「ああああ、あの、私、お嬢様とお約束が!」
「そんなの無視して。あいつなんて言いくるめるから」
「いえ、あの、その! む、むり!!」
私はその手を無理矢理解いて、どうにかこうにか逃げた。
というより、ありたが逃がしてくれたのだと思う。
だって、また明日ねと楽しげに声かけてくるからだ。
心臓に悪い。本当に、心臓に悪い。
助けてお嬢様!
「え、無理じゃないかしら。だってお兄様、狙った獲物は逃がさない方ですし」
「そんな……お嬢様は私がどうなってもよろしいのです?」
「どうなってと言っても……お兄様に手籠めにされるだけでしょう?」
「……私が手籠めにされると、どうなると思ってらっしゃいます?」
「えっと……部屋に閉じ込めて出さない。毎日、色々される」
「はい、まずその閉じ込めて出さない。つまり、私は台所に立てません」
「!!」
「台所に立てないと言うことは」
「あの美味しいお菓子が食べれない!!」
そうです、その通りですと頷くとお嬢様はわかったわと頷く。
絶対にお兄様から守ってみせると。
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