短編詰め合わせ

シェラザンシェルの獣

タイトルだけぱっと思いついたのをかいて
そこから物語を構築してみるだけの遊び

人外×少女


　シェラザンシェルという地がある。
　その地は不毛の地。人の手が入らぬ――正しくは、入れられぬ森があった。
　地は固く石のよう。そんな地に根を張る木々は強すぎた。伐採にかかる人の手と、それから得られる利を比べれば、伐採のほうが手がかかる。
　それになにより、その森には獣の主がいた。
　その木々に簡単に爪痕を残すような、獣だ。
　木々の幹に三爪の痕。それはシェラザンシェルの獣の縄張りという意。
　それがある場所に足踏み入れたら、いつ殺されても仕方ない。
　そんな凶暴な、獣。
　人々は獣に、数年に一度、供物をささげる。
　これによって、人に手出しをしないでくれと少女を一人。
　ああ、今年もまたか、いらぬのにとシェラザンシェルの獣は思う。
　食いもしない、何もしない。
　放っておけばきっとそのうち、他の獣に食われるだろう。
　ひとは弱いと、獣は思う。
　獣は確かに、強かった。硬い木の幹にも簡単に爪痕が残せる。
　単純な力というだけでも他より秀でていた。それゆえに、ひとりぼっち。
　獣は常に、ひとりぼっちだった。
　森にすむ生き物にとって獣は畏怖の対象。触れ合うことなどなかった。
　だから獣はその孤独が当たり前であったり、寂しいという感情を知らなかった。
　その、少女に出会うまでは。




から始まるような。
人外×少女。
人外が長い危険の三本爪っていうイメージしかない…
少女と出会ってついてきて。ちょっと別れて寂しいという。心に足りないものを知ってしまって。
獣はもう獣じゃなくなってしまったのよ、みたいなかんじ、かなぁ……