短編詰め合わせ

恋着

すきすぎて系
重い深く慕っている




　一目。
　たった一目、なのだ。
　一目見た瞬間から感じるものがあった。
　紫色の瞳とかち合って身動きがとれないような、そんな衝撃。
　あちらも動けはしなかった。
　心に沸き起こり、荒れ狂うこの感情はなんなのだろうか。
　お互いに、目が離せないような。
　狂おしく、野蛮で、どうしようもなく、そして何よりも尊いような。
　この世の言葉で表現しきれぬようなこの気持ちを人は何と、呼ぶのだろうか。
　先に、笑みを零したのはあちらだった。
　私の口が弧を描いて引き上げられる。
　どうしようもないほどに――――殺したい。
　それが、二人で出した結論だった。
　これはただの殺意でもある。
　ただ、誰にもあれを渡したくはないという強烈な渇望はある。
　どちらが先に食らうのか、というような。
　甘い疼きしかない。




多分人外と人外。
それまで、生存本能しかなかったのに出会ってお互い感情が芽生えた。
けど、上手に言い表せるようなものではないので、それが殺意に変換されただけの。
感情の発露が未熟すぎて殺すにしか辿り着かない。