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ナギ

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いのちとり

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勇者青年と魔王少女
えろみたいなのかきたかっただけなのでこれは続かない。
でも直接的じゃない(多分)あと途中で書く気が逸れれば違うものになるいつもの。



 何度目の逢瀬だろうか、と。
 ふと、落ちた影に微笑みを向けた。
「会いに、きたの」
 音もなく、青年の隣に座った少女は深紅の瞳をゆらゆらと、所在無さげに揺らめかせた。
 何かを紡ごうと何度か口を開くのだがその先がでてこないのだ。
 青年はただ静かに、少女の言葉を待っていた。
「……仲間は、いいのか?」
 そして、数分のちに少女が発したのは、青年の仲間についての事。
 青年は、最初がそれかと片眉を吊り上げ不機嫌そうな顔を作り上げる。本当は、傍らにいるだけで心躍り、幸せで死にそうなほどなのだ。しかし、こうして不機嫌だという風にしてみせると少女は焦る。
 その姿がかわいらしく、また見たかったのだ。
「あっ、あ、ごめ……お、怒らない、で」
「怒ってない」
「けど、あの」
「怒ってない」
 青年は身体を少女へと向ける。
 少女は窺うような視線をゆっくりと下から上へと持ち上げた。その様を青年はただ、見下ろす。
 不安げな深紅の瞳。もぞもぞと動くのはその心の表れなのだろう。青年は怒ってない、と再度紡ぐ。
「俺は強いし、瞑想だから近寄るなって言ってある」
「そ、そうか。僕も、皆には一人になりたいって言ってきた。あ、後はつけられていないよ。それにこの周囲に誰も近づけないようにもしてある」
「ああ、知ってる」
「だ、だからその……誰もいないし、見て、ないから……」
 そこまで言って、どうしようと視線が彷徨う。それは言ってはいけないと少女はわかっていた。
 それでも、お願いしたくてたまらないことがある。
「口付けたら死んでしまう」
「っ! そ、そう……そう、だけど」
「唾液を交換しなければいいだけなんだけどね」
「だ、だえきとか! そ、そんなっ!」
「でも、したら歯止めが利かなくなって殺し合っちゃうからな」
 顔を真っ赤にして、少女はそんなことを言うなと慌てる。
 お互いの体液は、お互いにとって致死の毒。
 勇者は魔王の、魔王は勇者の体液が毒。
 青年は勇者で、魔王は少女で。
 絶対的に相容れないはずなのに、恋をしてしまった。
「好きだよ」
「う……」
「体内に入れなければ問題ないから」
 青年は少女の頬を撫で、その指で唇を撫でる。それはいつの間にか口内に浸して内側を撫でていた。
 かわいらしい牙と歯列をなぞり、上あごをくすぐり、舌を愛でる。
 はぁとうっとりとした吐息が少女の口から吐き出され、青年は自身が高揚するのを感じた。
 潤んだ深紅に、口端から零れる唾液。あれを舐めとりたくて仕方ない。それで死ぬなら本望でもあるのだが、少女がそれを厭う。
「ふぁ、っ、んっ……」
 切なげな声。このまま引き倒して、体中を舐めたおしてやりたい。泣くのなら、その涙もなめとってしまいたい。
 秘められた場所に舌先はわし、潤わせて猛る己を突き入れたいとも思うのだが、そうすればどちらも死ぬだろう。
 それで、良いと青年は思っているのだが今すぐそうするわけにはいかないのもわかっている。
 内緒で教えてくれた名前を耳元で囁いて、青年は少女の手を取る。
 指先を絡めて遊んで、その掌に口付を。その中心をくすぐるように舌先で撫で上げ、丁寧に指の一本ずつに口付け、舐めて吸い上げる。
 このままふやけるまでにしてしまいたいが羞恥が高まった少女がいい加減にしろと逃げた。
 不満げな表情を向けると、少女はもう帰らないとと言葉濁す。
「……もうすぐそこまで行くから。そうしたら」
「うん」
「そうしたら、俺が殺してあげるから」
「うん……魔王も、勇者を殺すよ」
 その頃仕方は最初で最後の逢瀬になる。
 お互い以外の、世界のすべてにどんな言葉を向けられてもそれはもう決定事項。
 ただ最後の時まで、互いが欲しいと思う強烈な感情を、なだめてすかして。
 だましだまし、その時が来るのを待っている。




えっちしたらしぬやつ。
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