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将来的に
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王子に転生したんだけどね!
みたいな
良くわからないが、最後の記憶は事故。迫りくる車。
そして痛ぇなぁと思って瞳をあけたら、そこは知らない世界でした。
というより、生まれ直してました!
そう認識してしまえば世界を受け入れるのは早かった。
優しい親父とおかん、と人前で言うと怒られる。父上と母上。
育ててくれた乳母、勉強教えてくれた兄貴分。
で、俺はどうやら国の王子。
まぁ、それは生まれながらでもうどうしようもない事実だ。
だからそれに見合う様に努力も頑張った。頭が足りないとこは、きっと誰かが助けてくれる。
優秀であることに意味はあるのだろうけど、俺はめちゃくちゃ優秀ということはなかった。
それは自分が一番よくわかってる。
で、10の時に婚約者ができた。婚約者ってなんだよ、10歳なんだけどと思って。
けどそれを嫌だとはねることもできなかった。まー、大きくなって穏便に、やめよってなればいいかなと思ってた。
こういうのってお互いの気持ちが大事だろーってやつ。でも俺の考えは甘かった。
というより、相手が大人だった。貴族の結婚は親が決めるもの。こんなものでしょ、と。
そう言われたとき、確かになぁと思って。
けど、別に嫌いではないから。それから、好きになってもらえるように努力はするわと、ちょっと頬染めながら言われたわけだ。
正直、どきっとした。かわいいし、俺も好きになってもらえるように頑張るって言った。
それから彼女はお妃教育なるものを受け始め。俺も俺で、勉強頑張ったり。
で、15の時に同じ学園に通うことになった。
まー、そこでそこそこ優秀な成績を治めつつ。
彼女とはちょっとずつ、間を埋め上手にやってたんだ。
彼女はおとなしく見えて、芯は強い。あ、上手くやっていけるかなーと思った。
毎年誕生日には贈物しあいっこ。彼女からは手作りのもの。俺は、手作りなんかはできないから買ったものになったけど、手紙を書いて一緒にと。
ほんと、仲良くやってたんだ。学園ではあんまりくっついてなかったけど。
だってどう考えても、四六時中一緒なんて恥ずかしいだろ! それは相手もそうだった!
二人共の意見をすり合わせて程よい距離だったんだよ。時々、一緒に飯を食うくらいの!
ダンスの時間は一緒にペアを組む、みたいな!
友人たちはアツアツだなと、それくらいでも冷やかしてくるし!
けど、学園になんか、よくわかんねーけど。途中から入って来た女子がな。
俺の周りをうろうろした。転入ってことで、教師からもちょっと助けてやってほしいと言われてたから声かけたりはしたんだけど、それが駄目だったらしい。
何か勘違いをしてしまった。
ちらちらと上目使いで見てくる。美人だったし、あーかわいいなぁとは思ったんだ。
それは否定しない。
でも、うん。その下に透けて見える何かが、怖かった。
友人たちはその女子をかわいいだとかなんだとかで味方になって、俺から離れて行った。
いやいいけどさ。本当に仲のいい奴らは彼女にくっついても、俺と友好的だったし。
別にいい。さみしくなんてなーいし。
けど、彼女の本命は俺だったらしく近づいてくるもので。おう、俺には彼女が、婚約者がいるんだぜ? というところ。
そしてその頃から、婚約者がその女子に意地悪をしているとか言う噂がでて。
いやいやいや、ねーだろ! と思った。そういう事するなら正々堂々挑むの知ってるから。
で、その内容がどんどんエスカレートしていって。
俺はしてないよな、と彼女に確認した。するわけないでしょう、という答えが返ってきて。
だよなぁ、と思ったんだ。
けど、俺達の卒業式の日。
その女子はこれが証拠よ! とばかりに明らかにねつ造した物的証拠を出してきた。
しかも俺の隣に立って。そして、こんなことする人は王子様にはふさわしくないと言ったのだ。
おう、お前それで何がしてーのとは思った。
ま、明らかにねつ造だったので、彼女はそれをぶった切った。ばっさりと、ぶった切った。
俺も、こいつの言ってることおかしいから、信じてないと言って彼女を擁護した。
すると騙されているのです! とかって騒いで!
いやいやいや。騙されてなんてないし。
けど、まぁ喚いてる方が言ってることがおかしいというのが、周囲の判断でつまみ出されて。
俺は変なことに巻き込まれたなぁと彼女の傍に寄った。
すると、信じてくれてありがとうと花綻ぶように笑うもんで。
俺がお前を信じなくてどーすんの、と笑った。
「でも、彼女を放ってはおけませんね」
「え?」
「あら、気付いてませんでしたの? 彼女は貴方を廃嫡させるべく動いていたのですよ」
「なにそれ」
「……まず、私を貶め、あんな女が婚約者の王子はと継承レースから外すつもりでしたのよ」
「その流れは無理があるんじゃないか」
「ありますけど、やろうとしてたんです。やり方は色々ありますけど」
うふふ、と笑う彼女。待って、何今の笑みちょっと怖い。
「大丈夫、あなたは私が守りますから」
「あははは……よろしくお願いします」
頭の回転は、余裕で彼女の方がよろしい。いろんなところに目端が利くし。
俺はそう言うの、てんで駄目。仲良くなった相手が暗殺者かもしれない、とかは絶対思えないタイプ。
けど、俺は友人達は多い。俺を嫌う人間はいるが、好いてくれる人間の方が多い。
それが俺の、才能。
「それから、騎士団の彼は大丈夫ですけどあの公爵家とそっちの伯爵家のは注意ですよ」
「え、マジで」
「ええ。だから、家を裏切ってもいいと思えるほどに、彼らを誑し込んでくださいな」
頑張って、と微笑む。
ああ、うん。まぁ俺頑張ってみるけど、どうにもならないときはお前がどうにかしてね。
そう言うと、もちろんと彼女は微笑んだ。
わぁ、その笑みもまた怖い。
ちゃんとらぶらぶしてる系の。
将来尻に敷かれる。
みたいな
良くわからないが、最後の記憶は事故。迫りくる車。
そして痛ぇなぁと思って瞳をあけたら、そこは知らない世界でした。
というより、生まれ直してました!
そう認識してしまえば世界を受け入れるのは早かった。
優しい親父とおかん、と人前で言うと怒られる。父上と母上。
育ててくれた乳母、勉強教えてくれた兄貴分。
で、俺はどうやら国の王子。
まぁ、それは生まれながらでもうどうしようもない事実だ。
だからそれに見合う様に努力も頑張った。頭が足りないとこは、きっと誰かが助けてくれる。
優秀であることに意味はあるのだろうけど、俺はめちゃくちゃ優秀ということはなかった。
それは自分が一番よくわかってる。
で、10の時に婚約者ができた。婚約者ってなんだよ、10歳なんだけどと思って。
けどそれを嫌だとはねることもできなかった。まー、大きくなって穏便に、やめよってなればいいかなと思ってた。
こういうのってお互いの気持ちが大事だろーってやつ。でも俺の考えは甘かった。
というより、相手が大人だった。貴族の結婚は親が決めるもの。こんなものでしょ、と。
そう言われたとき、確かになぁと思って。
けど、別に嫌いではないから。それから、好きになってもらえるように努力はするわと、ちょっと頬染めながら言われたわけだ。
正直、どきっとした。かわいいし、俺も好きになってもらえるように頑張るって言った。
それから彼女はお妃教育なるものを受け始め。俺も俺で、勉強頑張ったり。
で、15の時に同じ学園に通うことになった。
まー、そこでそこそこ優秀な成績を治めつつ。
彼女とはちょっとずつ、間を埋め上手にやってたんだ。
彼女はおとなしく見えて、芯は強い。あ、上手くやっていけるかなーと思った。
毎年誕生日には贈物しあいっこ。彼女からは手作りのもの。俺は、手作りなんかはできないから買ったものになったけど、手紙を書いて一緒にと。
ほんと、仲良くやってたんだ。学園ではあんまりくっついてなかったけど。
だってどう考えても、四六時中一緒なんて恥ずかしいだろ! それは相手もそうだった!
二人共の意見をすり合わせて程よい距離だったんだよ。時々、一緒に飯を食うくらいの!
ダンスの時間は一緒にペアを組む、みたいな!
友人たちはアツアツだなと、それくらいでも冷やかしてくるし!
けど、学園になんか、よくわかんねーけど。途中から入って来た女子がな。
俺の周りをうろうろした。転入ってことで、教師からもちょっと助けてやってほしいと言われてたから声かけたりはしたんだけど、それが駄目だったらしい。
何か勘違いをしてしまった。
ちらちらと上目使いで見てくる。美人だったし、あーかわいいなぁとは思ったんだ。
それは否定しない。
でも、うん。その下に透けて見える何かが、怖かった。
友人たちはその女子をかわいいだとかなんだとかで味方になって、俺から離れて行った。
いやいいけどさ。本当に仲のいい奴らは彼女にくっついても、俺と友好的だったし。
別にいい。さみしくなんてなーいし。
けど、彼女の本命は俺だったらしく近づいてくるもので。おう、俺には彼女が、婚約者がいるんだぜ? というところ。
そしてその頃から、婚約者がその女子に意地悪をしているとか言う噂がでて。
いやいやいや、ねーだろ! と思った。そういう事するなら正々堂々挑むの知ってるから。
で、その内容がどんどんエスカレートしていって。
俺はしてないよな、と彼女に確認した。するわけないでしょう、という答えが返ってきて。
だよなぁ、と思ったんだ。
けど、俺達の卒業式の日。
その女子はこれが証拠よ! とばかりに明らかにねつ造した物的証拠を出してきた。
しかも俺の隣に立って。そして、こんなことする人は王子様にはふさわしくないと言ったのだ。
おう、お前それで何がしてーのとは思った。
ま、明らかにねつ造だったので、彼女はそれをぶった切った。ばっさりと、ぶった切った。
俺も、こいつの言ってることおかしいから、信じてないと言って彼女を擁護した。
すると騙されているのです! とかって騒いで!
いやいやいや。騙されてなんてないし。
けど、まぁ喚いてる方が言ってることがおかしいというのが、周囲の判断でつまみ出されて。
俺は変なことに巻き込まれたなぁと彼女の傍に寄った。
すると、信じてくれてありがとうと花綻ぶように笑うもんで。
俺がお前を信じなくてどーすんの、と笑った。
「でも、彼女を放ってはおけませんね」
「え?」
「あら、気付いてませんでしたの? 彼女は貴方を廃嫡させるべく動いていたのですよ」
「なにそれ」
「……まず、私を貶め、あんな女が婚約者の王子はと継承レースから外すつもりでしたのよ」
「その流れは無理があるんじゃないか」
「ありますけど、やろうとしてたんです。やり方は色々ありますけど」
うふふ、と笑う彼女。待って、何今の笑みちょっと怖い。
「大丈夫、あなたは私が守りますから」
「あははは……よろしくお願いします」
頭の回転は、余裕で彼女の方がよろしい。いろんなところに目端が利くし。
俺はそう言うの、てんで駄目。仲良くなった相手が暗殺者かもしれない、とかは絶対思えないタイプ。
けど、俺は友人達は多い。俺を嫌う人間はいるが、好いてくれる人間の方が多い。
それが俺の、才能。
「それから、騎士団の彼は大丈夫ですけどあの公爵家とそっちの伯爵家のは注意ですよ」
「え、マジで」
「ええ。だから、家を裏切ってもいいと思えるほどに、彼らを誑し込んでくださいな」
頑張って、と微笑む。
ああ、うん。まぁ俺頑張ってみるけど、どうにもならないときはお前がどうにかしてね。
そう言うと、もちろんと彼女は微笑んだ。
わぁ、その笑みもまた怖い。
ちゃんとらぶらぶしてる系の。
将来尻に敷かれる。
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