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彼は私を見ていない
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残念騎士×貴族令嬢的な
本当に残念……
私には、三つほど年上の幼馴染がいる。
彼はとても優秀で、とても残念なのだ。
そして、悔しいことに私は彼が、大好きなのだ。
彼は騎士学校を首席で卒業し、騎士団に入り。
そして誉ある王家の近衛騎士団である第一騎士団にいる。
涼やかな雰囲気、笑うとひとなつっこい笑顔で大型犬のよう。
金色の、ゆるいくせっけに蒼い瞳。その瞳は少し垂れていて、それが妙に色っぽいというかなんとういか。
そう、完全に令嬢にモテる様相をした、カッコイイ騎士なのだ。
第一騎士団美丈夫ファイブの一人でもある。
そんな彼と、私は婚約している。好きな人と結婚できる、というのはとても幸せなことだと私は思っていた。
多少、やっかみやな何やら設けたのだけど、家の格やバランスからみると、私たちは丁度良いくらいなのだ。
うん。私たちは婚約、しているのだけど。
「ねぇ、あの……」
「なんです?」
「いつも思うんだけど、私の……胸じゃなくて……顔、みない?」
「顔? 見てますよ」
いや、視線が。
視線が合わないの。どうしても視線が合わないの。
そしてその視線を辿ると、私の胸をみているのだ、どうみても。
最初はあれっと思ったけど、最近はちょっともう、やめてよというくらいで。
でもにこにこと笑うその笑みは好き。好きだからもういいかなって思い始めた。
よくないかもしれないけど!
それから、しばらくして。
私は彼の同僚である美丈夫ファイブのお一人が彼の好みの話をしてくれた。
彼は、年下の巨乳がタイプなのだと。
年下の(私、それ、あってる)、巨乳(私、それ、持ってる)。
ちなみにそれを教えてくれた方は、女性ならどんな方でも素晴らしいという守備範囲の広い方だった。
人妻美味しいですとのこと。
そんなわけで、偶然、知ってしまった私は! 何とも言えない気持ちになったわけで!
次に会う時にどういう顔をしたらいいのかしら、と思った。
ねぇ、私がちょっとでも好きだから婚約してくれたの?
それともタイプだったから? 元から知ってたから?
きっと尋ねてもはぐらかされる、そう思っていた。
そう、思っていたのだけど。
「すみません、何か同僚が私のタイプについてあなたに話したと、聞いたのですが」
「えっ」
彼はわざわざ私に会いに来た。会いに来たのだ。
「……私は、別にあなたがタイプだから婚約したわけでは……いえ、それも確かにそうではありますが」
「……」
「そういう冷たい視線を向けないでください。私は貴方の人となりも好きですよ。穏やかな気持ちになれますし」
彼は、他にも婚約、結婚の話が合ったのだという。打診があった数人の名前を教えてくれた。
どの子の彼にとっては年下の巨乳の令嬢ばかり。わ、私よりも立派な胸の方の名前まであった!
「でも、貴方が良いと私は思ったのです。貴方が承諾してくれて嬉しかった」
「わ、私は……ずっと好きだったの!」
「それは」
とてもうれしいと彼はいって私の頬に触れる。
そのまま額に優しく口付けてくれた。こういう所は本当に、真摯で騎士だと思う。
「……私がタイプじゃなかったら申し込まなかった?」
「…………」
「なんで黙るの!」
「いや、まぁ……申し込まないことも無かった、と思う」
でもほら、胸は大切だよと彼は続けた。
やはり私は手から少しあふれるほどの大きさで、形の良い胸が好きだと滔々と零す。
いつものあのさわやかな笑顔でしているのは胸の話だ。
胸の。
おっぱいの。
そしてほら。
ほら!
私を見てない!
胸だけ見てる!!
ただのおっぱい星人(正座)
本当に残念……
私には、三つほど年上の幼馴染がいる。
彼はとても優秀で、とても残念なのだ。
そして、悔しいことに私は彼が、大好きなのだ。
彼は騎士学校を首席で卒業し、騎士団に入り。
そして誉ある王家の近衛騎士団である第一騎士団にいる。
涼やかな雰囲気、笑うとひとなつっこい笑顔で大型犬のよう。
金色の、ゆるいくせっけに蒼い瞳。その瞳は少し垂れていて、それが妙に色っぽいというかなんとういか。
そう、完全に令嬢にモテる様相をした、カッコイイ騎士なのだ。
第一騎士団美丈夫ファイブの一人でもある。
そんな彼と、私は婚約している。好きな人と結婚できる、というのはとても幸せなことだと私は思っていた。
多少、やっかみやな何やら設けたのだけど、家の格やバランスからみると、私たちは丁度良いくらいなのだ。
うん。私たちは婚約、しているのだけど。
「ねぇ、あの……」
「なんです?」
「いつも思うんだけど、私の……胸じゃなくて……顔、みない?」
「顔? 見てますよ」
いや、視線が。
視線が合わないの。どうしても視線が合わないの。
そしてその視線を辿ると、私の胸をみているのだ、どうみても。
最初はあれっと思ったけど、最近はちょっともう、やめてよというくらいで。
でもにこにこと笑うその笑みは好き。好きだからもういいかなって思い始めた。
よくないかもしれないけど!
それから、しばらくして。
私は彼の同僚である美丈夫ファイブのお一人が彼の好みの話をしてくれた。
彼は、年下の巨乳がタイプなのだと。
年下の(私、それ、あってる)、巨乳(私、それ、持ってる)。
ちなみにそれを教えてくれた方は、女性ならどんな方でも素晴らしいという守備範囲の広い方だった。
人妻美味しいですとのこと。
そんなわけで、偶然、知ってしまった私は! 何とも言えない気持ちになったわけで!
次に会う時にどういう顔をしたらいいのかしら、と思った。
ねぇ、私がちょっとでも好きだから婚約してくれたの?
それともタイプだったから? 元から知ってたから?
きっと尋ねてもはぐらかされる、そう思っていた。
そう、思っていたのだけど。
「すみません、何か同僚が私のタイプについてあなたに話したと、聞いたのですが」
「えっ」
彼はわざわざ私に会いに来た。会いに来たのだ。
「……私は、別にあなたがタイプだから婚約したわけでは……いえ、それも確かにそうではありますが」
「……」
「そういう冷たい視線を向けないでください。私は貴方の人となりも好きですよ。穏やかな気持ちになれますし」
彼は、他にも婚約、結婚の話が合ったのだという。打診があった数人の名前を教えてくれた。
どの子の彼にとっては年下の巨乳の令嬢ばかり。わ、私よりも立派な胸の方の名前まであった!
「でも、貴方が良いと私は思ったのです。貴方が承諾してくれて嬉しかった」
「わ、私は……ずっと好きだったの!」
「それは」
とてもうれしいと彼はいって私の頬に触れる。
そのまま額に優しく口付けてくれた。こういう所は本当に、真摯で騎士だと思う。
「……私がタイプじゃなかったら申し込まなかった?」
「…………」
「なんで黙るの!」
「いや、まぁ……申し込まないことも無かった、と思う」
でもほら、胸は大切だよと彼は続けた。
やはり私は手から少しあふれるほどの大きさで、形の良い胸が好きだと滔々と零す。
いつものあのさわやかな笑顔でしているのは胸の話だ。
胸の。
おっぱいの。
そしてほら。
ほら!
私を見てない!
胸だけ見てる!!
ただのおっぱい星人(正座)
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