短編詰め合わせ

ばれたらおわり

逃げる少女と追いかけるメンズみたいなやつ。
魔法世界的な。
派閥があって、それぞれとどこかに入ってる。毎晩やんちゃしてる的な。
その中でも異彩を放つ二人チーム。
片方は、ある学園の生徒会っぽいものの一員。
もう一人はどこのだれかわからない。
という前提。



「なあ、お前はあいつがどこのだれか、知ってるんだろう？」
「……それについては話すなと言われている」
「君はいつもそうですよね……教えてくださいよ」
　同じ生徒会の仲間に詰め寄られる。青年は話せることはないと言うばかりだ。
　だって本当に、話せることはないのだから。
　確かに、彼らがいうあいつとはつるんでいるがどこのだれかなんて知らない。
　知らないのだ。
　だから、話せることは無い。
　たまたま出会って、気が合って。だから時折一緒に行動を共にしている。
　それだけなのだ。
　そんなわけで今日も今日とて、追及をかわし休める場所へと向かう。
　学園にひっそりとある、温室だ。
　しかし、今日は人の気配がする。いつもは誰もいないのに珍しい、と思って中へ入ると良い香りがした。
　それは菓子と紅茶の香りだ。
　それを辿れば、温室内にある椅子に腰かけ、傍らのテーブルに茶器を置いて優雅に本を読んでいる少女が一人。
　少女は物音に気付いて顔をあげた。
　金色の髪を綺麗に三つ編みにして、そしてメガネをかけている真面目そうな少女だ。
「あっ、せっちゃん」
「は？」
「ん、ああ……そっか、ここで会うのは初めてか」
　ん、んー、あ、あと。少女は喉元を押さえて声をだす。その声がだんだん、聞き覚えのあるものに変わっていく。
　低い、男のような声だ。
「これでわかる？　せっちゃん、やっほー」
「は？　ああ！？」
「あっはぁ！　びっくりしてるびっくりしてる！」
　けたけたと楽しそうに笑う。その笑い方にも覚えがあった。
　そう、良くつるんでいるあいつの笑い方。
　いつもは、髪をゆるく一括りにして。ちょっとぶかぶかな服を着て。
「……どっちだ」
「え？　何？」
「性別」
「おにゃのこでっす！」
　人をからかうような声色。ああ、くそと青年は零す。
　嘘だろうと、まだ少し思っていた。何かの冗談だろうと。
　しかし、そうではないらしい。
　なんだか妙な敗北感があった。



つるんでる相手が男だと思ってたんだけど女の子だったショック。
そのうち恋心になる系。
ずっと温室にはお互いいたんだけどすれ違ってて初めて出会った。
これから学園内の問題を色々解決して、他の人にもばれる。
ちょっかいだされる。
そんなかんじ。
あとせっちゃんは、生徒会長からきたせっちゃんで名前はしらない感じ。