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弟曰く、脇役ですらないのです
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昔から、弟は不思議な子だったのです。
いいえ、不思議な子になったのは五歳の時、大病を患ってから。
奇跡的に助かった弟は、それから不思議な子になったのです。
よくは、わからないのだけれど。
空を飛ぶ鉄の塊だとか。そんなもの存在しないのに。
それから馬よりも早く走る箱。箱が走るとはどういうことなのかと今でも私は思うのです。
けれど、不思議な弟の話のうち、私の興味を引くものがありました。料理についてはその一番です。
我が家は伯爵家といえども貧乏。伯爵とは名ばかりのような、辺境の貴族。
領地収入も少なく、自家生産必須。自分の食い扶持は自分でというような。屋敷には庭ではなく畑がある。
なので、雇うメイドも最低限。
私も炊事洗濯を覚えたのです。本当ならば、母から教わることも乳母、育ての母となってくれたメイドからから習いました。
というのも、私の母は弟を産んで亡くなったのです。母は良く笑う人でしたが、身体はそんなに丈夫ではなかったので。
しかし私を育ててくれた乳母も、そろそろ年には勝てず、というと怒られてしまいますが。重いものをもつ事、つまり洗濯は腰に厳しく。炊事洗濯のほとんどを私が担う様になりました。
そして病気を患い、不思議な子になった弟はよくよく家の手伝いをするようになりました。
父について狩りにもついていくようになり。それから掃除なども手伝ってくれます。
洗濯も、私の姿を見てもっとこうすれば良いと洗濯機、なるものを作ってくれました。
今まではタライに水を張って洗って、すすいでと大変だったのです。
でも弟が作ってくれたものは樽を使って作ったもの。水を入れ、洗濯物を入れ、その中でかきまわして洗う。
それから水を抜いて、入れてすすいで。中で水を飛ばすように回転させる、と。
それを手回しハンドルでできるようにしてくれたのですが、重くてしんどい。
そう言っていると、やがて改良してくれてスイッチポンで洗濯をはじめ、そして脱水までしてくれるものを作ってくれました。
それには魔石を使わないといけませんが、わが領地に魔物は多い。
小さな魔石でも集めれば十分使えるので、領地に何個かそれを設置することもできました。
領民の方達は洗濯の手間が減り大喜び。そのうち一家に一台にしたいと弟は言いますが、まだそれは少し、遠いようです。
けれど、弟の考えた洗濯機は通りすがりの大きな商会の目に止まり。
その仕組みを買い取りたいと言いました。お父様はいいよいいよ、と言ったのですが弟はダメだと言う。
弟の作ったものですから、最終的に決める権利は弟にあったのです。弟は商人と話をして、売った分の何割かを払うように話を通したのです。定期的にお金が入る様な仕組みを作ったというのでしょうか。そして我が家にお金が入る様になったのです。
そのお金で領地をまた潤すようなことにつなげて、少しずつ豊かに。
その、最初の洗濯機を作ってくれたのは弟が七歳。私が十一歳の時でした。
お父様は、お前は器用なことをするなと弟を褒めます。それは器用では言葉足りないのでは、と思うのですけれど。
お父様は難しいことを考えるのは苦手なのです。
そして、私は他にも弟から色々な恩恵を受けました。
それは料理。
弟の話す料理は、最初はよくわからなかったのですが、試行錯誤して作って。
そしてこれだと弟が喜ぶ顔をみるのがとても好きでした。
最初は、マヨネーズという卵をつかった調味料。次は生クリーム。ふわふわのパンケーキ。
それから、塩。海が遠くて困っていた我が領。けれど弟がこの湖しょっぱいといって、そこより塩を作り出したのです。
それによってまた、領が潤う。
弟が見つけ、手を加え。私も父も、領民もそれを手伝うのが当たり前となっていました。
「ねーちゃん、ねーちゃん。猪狩ってきたんだけど、角煮食いてぇ」
「はいはい。解体してきてくれたら作ってあげるわ」
「やった!」
そして、色々がんばったおかげで私の料理スキルもあがっていました。
弟は今は十五。少年から青年になるような年。そして私は十九と、嫁入りの頃。
けれど、弟がもっと成長して大人になってからよとお父様にはそれを先延ばしにしていただいているのです。
売れ残っても、私は一人で生活できる程度にはいろいろできるので大丈夫よ、お父様。
そんな話をしていると、弟がやってきて。
姉ちゃんの婿は俺が探す! なんて言う。
それが我が家のいつも、だったのだけれど。
そんな日々が遠くなる出来事が起こったのです。
からの!いろいろ。
みたいな。
転生っこの弟と一緒にこのあと王都にいくことになり、一緒についていき。
弟は学校で王子とかと仲良くなり。
ねえちゃんの婿は俺がさがす!!といきまくやつ。
で、その中で弟は前世の姉がいっていた、悪役令嬢とかのやつかこれと気付いて。
とりあえずねえちゃんは巻き込まないようにしようというものの。
友達王子のちょっと上の兄とかなんかがねえちゃんきにいってよくやってくるようになり。
しかしそいつはきにいらないとかなんとかみたいな。
そして弟がわぁわぁ頑張ってるとこで、ねえちゃんは時々やってくるスーパーモブ商人と恋仲になってて。
最終的に項垂れる←ここがかきたいだけかもしれない…
転生弟は。母がいなくて。そして変なこといってる自分をちゃんと大切にして育ててくれておねーちゃんに感謝してて。
簡単にいうとシスコン。超絶シスコン。
なので悪役令嬢さんとか、そういうとこらへんから好意を寄せられていてもまーったく気付かない。
スルースキルカンスト系。
もうちょっと詰めれたら形になるかもしれないしならないかもしれない。
いいえ、不思議な子になったのは五歳の時、大病を患ってから。
奇跡的に助かった弟は、それから不思議な子になったのです。
よくは、わからないのだけれど。
空を飛ぶ鉄の塊だとか。そんなもの存在しないのに。
それから馬よりも早く走る箱。箱が走るとはどういうことなのかと今でも私は思うのです。
けれど、不思議な弟の話のうち、私の興味を引くものがありました。料理についてはその一番です。
我が家は伯爵家といえども貧乏。伯爵とは名ばかりのような、辺境の貴族。
領地収入も少なく、自家生産必須。自分の食い扶持は自分でというような。屋敷には庭ではなく畑がある。
なので、雇うメイドも最低限。
私も炊事洗濯を覚えたのです。本当ならば、母から教わることも乳母、育ての母となってくれたメイドからから習いました。
というのも、私の母は弟を産んで亡くなったのです。母は良く笑う人でしたが、身体はそんなに丈夫ではなかったので。
しかし私を育ててくれた乳母も、そろそろ年には勝てず、というと怒られてしまいますが。重いものをもつ事、つまり洗濯は腰に厳しく。炊事洗濯のほとんどを私が担う様になりました。
そして病気を患い、不思議な子になった弟はよくよく家の手伝いをするようになりました。
父について狩りにもついていくようになり。それから掃除なども手伝ってくれます。
洗濯も、私の姿を見てもっとこうすれば良いと洗濯機、なるものを作ってくれました。
今まではタライに水を張って洗って、すすいでと大変だったのです。
でも弟が作ってくれたものは樽を使って作ったもの。水を入れ、洗濯物を入れ、その中でかきまわして洗う。
それから水を抜いて、入れてすすいで。中で水を飛ばすように回転させる、と。
それを手回しハンドルでできるようにしてくれたのですが、重くてしんどい。
そう言っていると、やがて改良してくれてスイッチポンで洗濯をはじめ、そして脱水までしてくれるものを作ってくれました。
それには魔石を使わないといけませんが、わが領地に魔物は多い。
小さな魔石でも集めれば十分使えるので、領地に何個かそれを設置することもできました。
領民の方達は洗濯の手間が減り大喜び。そのうち一家に一台にしたいと弟は言いますが、まだそれは少し、遠いようです。
けれど、弟の考えた洗濯機は通りすがりの大きな商会の目に止まり。
その仕組みを買い取りたいと言いました。お父様はいいよいいよ、と言ったのですが弟はダメだと言う。
弟の作ったものですから、最終的に決める権利は弟にあったのです。弟は商人と話をして、売った分の何割かを払うように話を通したのです。定期的にお金が入る様な仕組みを作ったというのでしょうか。そして我が家にお金が入る様になったのです。
そのお金で領地をまた潤すようなことにつなげて、少しずつ豊かに。
その、最初の洗濯機を作ってくれたのは弟が七歳。私が十一歳の時でした。
お父様は、お前は器用なことをするなと弟を褒めます。それは器用では言葉足りないのでは、と思うのですけれど。
お父様は難しいことを考えるのは苦手なのです。
そして、私は他にも弟から色々な恩恵を受けました。
それは料理。
弟の話す料理は、最初はよくわからなかったのですが、試行錯誤して作って。
そしてこれだと弟が喜ぶ顔をみるのがとても好きでした。
最初は、マヨネーズという卵をつかった調味料。次は生クリーム。ふわふわのパンケーキ。
それから、塩。海が遠くて困っていた我が領。けれど弟がこの湖しょっぱいといって、そこより塩を作り出したのです。
それによってまた、領が潤う。
弟が見つけ、手を加え。私も父も、領民もそれを手伝うのが当たり前となっていました。
「ねーちゃん、ねーちゃん。猪狩ってきたんだけど、角煮食いてぇ」
「はいはい。解体してきてくれたら作ってあげるわ」
「やった!」
そして、色々がんばったおかげで私の料理スキルもあがっていました。
弟は今は十五。少年から青年になるような年。そして私は十九と、嫁入りの頃。
けれど、弟がもっと成長して大人になってからよとお父様にはそれを先延ばしにしていただいているのです。
売れ残っても、私は一人で生活できる程度にはいろいろできるので大丈夫よ、お父様。
そんな話をしていると、弟がやってきて。
姉ちゃんの婿は俺が探す! なんて言う。
それが我が家のいつも、だったのだけれど。
そんな日々が遠くなる出来事が起こったのです。
からの!いろいろ。
みたいな。
転生っこの弟と一緒にこのあと王都にいくことになり、一緒についていき。
弟は学校で王子とかと仲良くなり。
ねえちゃんの婿は俺がさがす!!といきまくやつ。
で、その中で弟は前世の姉がいっていた、悪役令嬢とかのやつかこれと気付いて。
とりあえずねえちゃんは巻き込まないようにしようというものの。
友達王子のちょっと上の兄とかなんかがねえちゃんきにいってよくやってくるようになり。
しかしそいつはきにいらないとかなんとかみたいな。
そして弟がわぁわぁ頑張ってるとこで、ねえちゃんは時々やってくるスーパーモブ商人と恋仲になってて。
最終的に項垂れる←ここがかきたいだけかもしれない…
転生弟は。母がいなくて。そして変なこといってる自分をちゃんと大切にして育ててくれておねーちゃんに感謝してて。
簡単にいうとシスコン。超絶シスコン。
なので悪役令嬢さんとか、そういうとこらへんから好意を寄せられていてもまーったく気付かない。
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もうちょっと詰めれたら形になるかもしれないしならないかもしれない。
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