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1章 幼少期編
会いたくて会いたくて震える現実があったなんて
しおりを挟む王宮や騎士団にちょくちょく遊びに行くようになってから数年。
私、スカーレット・ブルームフィールドは現在10歳となりました。
この世界に転生したと気が付いてから早5年。色々、本当に色々とありましたけれど……。
王子様と勉強したり、王子様に無理やりお茶会に誘われたり、なぜか王族しか立ち入れない離宮に連れて行かれたり、騎士団の方と仲良くなりすぎて一緒に訓練を受けたりと、ホントに色々ありました。
さて、私の今世の目的は推しのフリードリヒ様を見守る事。
なのに……。
私、フリードリヒ様に全く遭遇で出来てませんわ!!
いやね、騎士団で一緒に訓練を受けたりすればいつかは遭遇?なんて思うじゃないですか?
思うじゃないですか?なのに騎士団に通うようになってからと言うもの、一度もですよ。
大事な事なのでもう一度言います。
一度だってフリードリヒ様にお会い出来てないのですよ!!!
どっちかと言うと、全てにおいてのレアキャラな王子様1.2とはよく会うし何かと連行されては、離して貰えないのにどうして?会おうと思えば会えるはずのフリードリヒ様だけに会えないの?
おかしい。
いくら私がモブ中のモブであってもこれだけ会うチャンスがあっても会えないなんて……。
これは何かの強制力でも働いているのかしら?
しかし、モブに強制力ってなんなの?それ美味しいの?レベルで必要なくないですか?
私がヒロインや悪役令嬢なんて物語に影響を与えるような立場ならわかるよ?
モブだよ、しつこいようだが私はモブなんだよ?この世界モブに厳しくない?
辛い、フリードリヒ様を観察する為に防振望遠鏡を作ったくらいのオタクに厳しすぎる。
と、言う訳で私はフリードリヒ様の予定を調べる事にした。
騎士団の予定は案外あっさり手に入ったし、エドガー様は聞かなくても大好きなお兄様の事をポロポロと本日の予定を話してくれる。
なーのーにー!!
それでも会えないってどういう事?
私を強制連行した挙句、お茶会という拘束をかますジュリアン様に至ってはさっきまでフリードリヒ様と一緒にいて仕事を彼に任せてお茶会をしているとか言うものだから、私は血の涙が出そうだったよ。
おのれジュリアン様。私をフリードリヒ様と会わせないなんて嫌がらせか?嫌がらせなのか?
ハッ?
まさか将来ご自分の側近となるフリードリヒ様の事を案じてこんなオタク女を近づけさせないという計画?そうなの?そうなの?
確かに毒にも薬にもならない存在が傍にいても何も良い事はない、むしろ邪魔よね。
分かっているわ。でも……それでも会いたいと思うのが推しなのよ!!
会いたくて会いたくて震えるなんてあるわけねー!!
なんて思っていた前世の私を殴ってやりたい。
今なら推しに会えるのに会いたくても会えない現実に震える所か血の雨や吐血しそうなくらいよ。
本当にどうしたらフリードリヒ様にお会い出来るのかしら。
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