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しおりを挟む朝目覚めると、横に弘人が寝ていた。
花蓮は弘人の胸の中に顔を埋めた。
弘人は目をつぶったまま花蓮の頭を撫でた。
「起きてたの?」
花蓮は弘人の胸に埋めたまま言った。
「つか…寝てない…。」
「…。」
「大丈夫。何にもないから。」
花蓮はガバっと起き上がった。
「何にもなかったんですか!」
「どしたの? 急に。」
「あ、そう! そうだよね! 中島君は、私に関わりたくないんだもんね! 今まで何度もそうなるかなって思ったときあったけど、全部私の勘違いだもん。」
花蓮はうつむいて話しているうちに涙が溢れ出てきた。
「…。」
「もういい。帰ってください。もう金輪際、中島君には関わらないから。」
弘人はそばにあった上着を着た。
「昨日は…困ってたとこ助けてくれてありがとう。本当に感謝してる。」
弘人はうつむいている花蓮のそばに言った。
「俺…、斎藤の事、嫌いとかそんなんじゃなくて…、興味ないとかでもなくて…。ただ、斎藤には、頑張ってほしいんだよ。おまえはもっと強いはず。人からの攻撃もかわせるし反撃できる力を持ってる。そんなことに振り回される暇が無いくらい自分のやりたいことを目いっぱい楽しんで人生を謳歌できるはずなんだ。」
「…私が? 何を根拠にそんなこと言えるの? 中島君、私とまともに話したことないし、私ことほとんど知らないじゃない。」
花蓮は弘人を睨むように言った。
「…俺はそう思う…。」
弘人は優しく花蓮を見つめた。
「…でも私たち…付き合わないんだよね…?」
「…うん…。」
花蓮は小さく溜息をついた。
「気を付けて帰ってね。」
「…斎藤、本当にがんばれよな。俺、応援してるから。」
「私、中島君の事、今日で忘れる。ほんとはずっと気になってたんだ。高校時代、よく目が合った時から。」
弘人は目をぎゅっと瞑って、歯を噛みしめていた。
そして目を見開いて囁いた。
「…ってるから…。」
「え? 何?」
花蓮は弘人が言ったことが聞き取れず聞き返そうとしたが、すでに弘人は足早に花蓮のマンションの廊下を走り去っていった。
花蓮はしばらくその場に立ち尽くした。
中島君の事は、モヤモヤしてるけど
立ち止まってはいられない
私は私の道を進むべきだ
葵の事、美奈先輩や浅野さんの事、それから昔からずっと考えるのも嫌だった両親の事…
考えてみたら…私はずっと逃げてきた
でもそれは
自分を守るためじゃなかった
私は自分を守れてなかった
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