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しおりを挟む「すごい! ありがとう! こんなキレイな風呂場、久しぶりに見たよ。」
「カビがすごくてカビ取り剤かなり使いましたぁ~。蛇口とかは仕上げに乾拭きで磨き上げたんですよぉ~!」
「ゴミは? 段ボールがすごい量あっただろ?」
「市役所に無料の回収場所があって、そこに持って行ったんです。」
「ごめん…。大変だっただろ? 言ってくれたら手伝ったのに。」
ふと彼女の手を見ると、無数の傷があった。
「こんなになって…」
思わず彼女の手を掴んでいた。
「こっちにおいで。」
彼女を事務室に連れて行き、傷を消毒して絆創膏を貼った。
傷だらけの彼女の手を見て、罪悪感が込み上げてきた。
俺はなんて酷い人間なんだろうと思った。
こんなに頑張ってくれる彼女を辞めさせるのか?
しかし…人を雇える覚悟は自分には無かった。
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