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しおりを挟む「そんな事もあったわね~。懐かしいわ。」
「…お父さんに会いたくなっちゃった。」
「…お父さん、今の私たちを見たら…なんて思うのかしら…。」
どうしたことだ!
三姉妹の関係に雪解けが訪れた…。
その後は、あれよあれよという間に話は進んで、俺が大筋を決めていた案で、あっという間に合意できた。
「ありがとうございました。」
俺はホッと胸を撫でおろして三姉妹に言った。
「お礼を言うなら、さっきの事務員さんだわ。先生がまだ戻っていないというのに、私たち無理やりここを占拠して、座るなりいつものように大ゲンカを始めたの。お茶出ししてくれた彼女はオロオロしちゃって、なんとかしなきゃって思ったんじゃない? 次に入って来た時はあの恰好で、いきなり私たちの前で芸を披露し始めたのよ。初めは何なのこの子って思ったけど、それがまあ、ヘタクソな芸でね、見ている私たちの方がハラハラしだしちゃって…。でも、最後は湯飲みにお茶をバシっと注いだわよ! 思わず感動しちゃって拍手したの! それを見ていたら、昔、私たちも三人でよく芸の真似事をしていたのを思い出しちゃって…。そう…私たち昔は、仲が良かったのよ…」
三姉妹は笑顔で帰っていった。
俺はものすごい罪悪感に苛まれた。
彼女に酷いことを言ってしまった。
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