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第7章 ーノエル編ー
10 学園二年目
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魔法学園二年目の一大イベントと言えば、そう、属性調査である。
「そんなにワクワクしてるのノエルだけよ。」
調査の順番待ちの控室でコレットと話しているとそんなことを言われた。
「だいたいみんな属性を知っているもの。私は多分、風ね。」
「属性は遺伝なの?」
「ええ。ほとんどね。ノエルは全く未知数だから、楽しみなんでしょうけど。どんな属性がいいの?」
「私、ミネルバ先生と同じ属性を持ちたいの。光属性よ!」
一年生の時にミネルバが見せてくれた素敵な怪力。ノエルもあれができるようになりたい。そのためには光属性を持つ必要がある。光属性には身体強化魔法が分類されるそうだ。
「光属性って、一学年に一人いるかいないかよ?7大貴族の一つ、カルベット家が代々受け継ぐ属性でもあるわ。」
「…カルベット家の一員じゃないと使えないってこと?」
「遺伝に関係なく発現することもあるけど、光と闇は他の属性と比べて希少だから、受け継ぐ家のプライドが高いの。闇魔法だと狼獣人のウォー家ね。」
ウォー家、ザラの家ね。各属性の基本は昨年度で習ったけど、闇魔法は精神に作用する術が多い属性だ。
…ちょっと怖いが、ザラは悪い使い方をしないだろう。幼いころから積み上げた信頼がそこにはあった。
不思議な順番で名前が呼ばれて行き、コレットはノエルの一つ前のグループで名前が呼ばれて調査室へと入っていった。
ノエルはハロルド、ザラ、そしてショーンとともに部屋に入った。部屋にいたのはノエルが激推ししているミネルバである。
「みなさんは今年の入学者の中でも特に魔力量が多いです。魔力量が多い人は複数属性を持つ可能性が高いです。」
「「え。」」
ノエルは思わず驚きの声をあげた。
「属性は複数持つことができるんですか?」
「ええ。特に魔力量が多いと複数の属性を持つことが多く報告されています。」
つまり、今日の調査は魔力量別だったということか。ちなみに魔力量の測定は入学後の健康診断で全員がしている。私、同期の中でもトップ4に入る魔力の高さだったんだ…。
「では、ハロルド・フィリウス。前へ。この水晶に手をかざして。」
ハロルドが水晶に手をかざすと水晶はすかさず緑色になり次いで赤、黄色、青にかわり、四色が混在して光るようになった。
「あらまあ!風・火・土・水の4属性に適性があるわ!初めて見た…フィリウス家も創始者も確かそうだったわね…。」
ハロルドも自分の結果に驚いたようで、しばらく唖然として水晶を見ていた。
次に名前を呼ばれたノエルはワクワクを隠し切れないままに水晶の前に進み出て手をかざした。
「お?」
一瞬の空白の後、水晶は白く光り、その後青が混じった。
「ようやく出ましたね!光属性です。今年はあなたが初めてですよ。次いで水ですね。授業は水魔法を受講しましょう。光魔法は特別講師をお呼びしますね。」
…やった!願えば夢はかなうのだ!
ノエルは思わずミネルバにどや顔をして見せてしまった。
ー---
光魔法の特別講師は魔法学園の教員ではないらしい。
「ミネルバ先生に教えてもらうのではだめなんですか?」
「……光魔法は属性保持者がいればカルベット家からの特別講師が派遣されてくるのです。」
今、なんか嫌な間があったけど、先生。
特別講師の先生は約束の時間に30分も遅れてやってきた。先生の嫌な間も考慮して、到着と同時に愛用のレコーダーのスイッチをオンにした。
「あら、ミネルバ、ごきげんよう。」
現れたのはミネルバと同年代の、濃い茶髪に、鼻の高い女性だった。
「今年の光属性保持者は非魔法族生まれなんですって?いったいどんな手を使って光属性を手に入れたんだか。光属性はカルベット家だけの物なのに!」
…おおう。これが嫌な間の理由か。こてこての貴族至上主義だ。
「しかも、マクレガー家が主導して導入したカーディガンまで着ちゃって。それは貴族の着るものよ。あなたには制服すらももったいないわ。」
「…ディアナ。あなた、30分も遅刻してきて、何を言っているの?」
無礼なおばさんはどかりと椅子に腰かけて脚を組んで足先をノエルの方に突き出してくる。
「この、カルベット家本家の私が、非魔法族のために学園まで来てあげたことをまずほめてほしいわ!分家のミネルバと一緒にしないでちょうだい。しかも、半分は貴族でもないのだから、あなた。
…そこのあなた、ぼーっとしてないで靴を磨きなさい。今着ているカーディガンで磨けばいいわ。非魔法族にはお似合いの仕事でしょう?」
ふんとノエルを鼻で笑う。…ノエル様は売られた喧嘩は買う女である。
「わ、私ですか?」
努めてか弱そうな声をだすと、ミネルバ先生が怪訝そうな顔をしてこちらを見た。
「あなた以外いないでしょ!あなたたちに魔法の授業なんて、いらないのよ。これからは授業の間ずっと私に奉仕しなさい。それで光魔法をマスターしたことになるわ。」
うわあすげー暴論。ノエルはカーディガンの裾で靴を磨くふりをして隠し持っていたマジックアイテムを手のひらで押しつぶした。そして思い切りどぎついピンクのインクを靴に塗りたくってやった。
「ちょっと!あなた!何をしているの!」
無礼なおばさんはぎょっとしてノエルのことを蹴飛ばした。ノエルはわざとらしく倒れこみ、激しい音を立てて机に突っ込んだ。
「こんな無礼な学生が魔法学園にいるだなんて信じられないわ!学園長に行って退学にさせてやるから!」
おばさんは部屋を出て行った。
「ノ、ノエル?あなたいったい?」
ノエルは制服のベルトに装着していたレコーダーを取り外し、録音を止める。そして悪い顔をしてミネルバの方を見た。
「先生、私、頭ぶつけちゃったみたい。校医のところに行った方がいいかな?」
「…おそらくディアナは学園長室に向かうと思います。なるべく痛々しい様子で私たちも後から行きましょう。……校医のところに行くと怪我がないのがばれるわよ。」
ー---
しばらくすると学園長室へ呼び出された。ノエルは意図的にタイツに穴をあけた。ミネルバは呆れたため息をついていたが何も言わなかった。
「失礼します。」
ミネルバと二人、中に入ると、真っ赤な顔でプルプル震えるおばさんがいた。ちなみに靴についていたはずのピンクのインクはどこにもない。あれはこの夏に非魔法族向けのマジックアイテムでわずか一分で色が抜けるいたずらグッズだ。
ノエル贔屓のバスケチームウィザーズがトーナメントで優勝した時に青と黄色のインク玉で大いに盛り上がったものだ。
「学園長!この生意気な学生をすぐに退学処分にしてください!貴族の私に無礼を働きました!」
学園長の机にいるのは白いひげをたくわえた優しそうなおじいちゃんである。ノエルを探るように見ながらも疑問を投げかける。
「しかしね、ディアナ君。君の言う『ピンクのインクで汚された靴』はどこにもないしね。彼女の話も聞こうか。」
「先生…、私、そこの女の人に突然、『靴を磨け、なければ光魔法は教えない』って言われて…。磨こうとしたら蹴り飛ばされたんです…。」
「嘘です!卑しい非魔法族は嘘までつくのね!」
おばさんは一人で盛り上がっているが、ノエルは静かにレコーダーの再生ボタンを押した。おばさんの暴言のすべては記録されており、すべてを聞き終わった後ではおばさんの様子は最初と真逆のものになっていた。
「どうやら…きいていた話とは随分違うようだね、ディアナ君。君がノエル君の生まれを理由に光魔法の特別授業を拒否したことは明白だ。録音の他に、ミネルバ君も見ていたんだろう?」
「はい。所長。」
「な!ミネルバ、あなた!」
「…カルベット家には追って連絡をするが、君は光魔法の特別講師から解任だ。この人事権は私にあるからね。」
「学園長!私は貴族ですよ!」
おばさんはみっともなくわめいている。
「君の証言以外に証拠となるものは何もないじゃないか?彼女には音声と証人がいる。たとえ裁判をしたとしても君の負けだよ。」
こうして光魔法の特別講師は解任となった。
「そんなにワクワクしてるのノエルだけよ。」
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「だいたいみんな属性を知っているもの。私は多分、風ね。」
「属性は遺伝なの?」
「ええ。ほとんどね。ノエルは全く未知数だから、楽しみなんでしょうけど。どんな属性がいいの?」
「私、ミネルバ先生と同じ属性を持ちたいの。光属性よ!」
一年生の時にミネルバが見せてくれた素敵な怪力。ノエルもあれができるようになりたい。そのためには光属性を持つ必要がある。光属性には身体強化魔法が分類されるそうだ。
「光属性って、一学年に一人いるかいないかよ?7大貴族の一つ、カルベット家が代々受け継ぐ属性でもあるわ。」
「…カルベット家の一員じゃないと使えないってこと?」
「遺伝に関係なく発現することもあるけど、光と闇は他の属性と比べて希少だから、受け継ぐ家のプライドが高いの。闇魔法だと狼獣人のウォー家ね。」
ウォー家、ザラの家ね。各属性の基本は昨年度で習ったけど、闇魔法は精神に作用する術が多い属性だ。
…ちょっと怖いが、ザラは悪い使い方をしないだろう。幼いころから積み上げた信頼がそこにはあった。
不思議な順番で名前が呼ばれて行き、コレットはノエルの一つ前のグループで名前が呼ばれて調査室へと入っていった。
ノエルはハロルド、ザラ、そしてショーンとともに部屋に入った。部屋にいたのはノエルが激推ししているミネルバである。
「みなさんは今年の入学者の中でも特に魔力量が多いです。魔力量が多い人は複数属性を持つ可能性が高いです。」
「「え。」」
ノエルは思わず驚きの声をあげた。
「属性は複数持つことができるんですか?」
「ええ。特に魔力量が多いと複数の属性を持つことが多く報告されています。」
つまり、今日の調査は魔力量別だったということか。ちなみに魔力量の測定は入学後の健康診断で全員がしている。私、同期の中でもトップ4に入る魔力の高さだったんだ…。
「では、ハロルド・フィリウス。前へ。この水晶に手をかざして。」
ハロルドが水晶に手をかざすと水晶はすかさず緑色になり次いで赤、黄色、青にかわり、四色が混在して光るようになった。
「あらまあ!風・火・土・水の4属性に適性があるわ!初めて見た…フィリウス家も創始者も確かそうだったわね…。」
ハロルドも自分の結果に驚いたようで、しばらく唖然として水晶を見ていた。
次に名前を呼ばれたノエルはワクワクを隠し切れないままに水晶の前に進み出て手をかざした。
「お?」
一瞬の空白の後、水晶は白く光り、その後青が混じった。
「ようやく出ましたね!光属性です。今年はあなたが初めてですよ。次いで水ですね。授業は水魔法を受講しましょう。光魔法は特別講師をお呼びしますね。」
…やった!願えば夢はかなうのだ!
ノエルは思わずミネルバにどや顔をして見せてしまった。
ー---
光魔法の特別講師は魔法学園の教員ではないらしい。
「ミネルバ先生に教えてもらうのではだめなんですか?」
「……光魔法は属性保持者がいればカルベット家からの特別講師が派遣されてくるのです。」
今、なんか嫌な間があったけど、先生。
特別講師の先生は約束の時間に30分も遅れてやってきた。先生の嫌な間も考慮して、到着と同時に愛用のレコーダーのスイッチをオンにした。
「あら、ミネルバ、ごきげんよう。」
現れたのはミネルバと同年代の、濃い茶髪に、鼻の高い女性だった。
「今年の光属性保持者は非魔法族生まれなんですって?いったいどんな手を使って光属性を手に入れたんだか。光属性はカルベット家だけの物なのに!」
…おおう。これが嫌な間の理由か。こてこての貴族至上主義だ。
「しかも、マクレガー家が主導して導入したカーディガンまで着ちゃって。それは貴族の着るものよ。あなたには制服すらももったいないわ。」
「…ディアナ。あなた、30分も遅刻してきて、何を言っているの?」
無礼なおばさんはどかりと椅子に腰かけて脚を組んで足先をノエルの方に突き出してくる。
「この、カルベット家本家の私が、非魔法族のために学園まで来てあげたことをまずほめてほしいわ!分家のミネルバと一緒にしないでちょうだい。しかも、半分は貴族でもないのだから、あなた。
…そこのあなた、ぼーっとしてないで靴を磨きなさい。今着ているカーディガンで磨けばいいわ。非魔法族にはお似合いの仕事でしょう?」
ふんとノエルを鼻で笑う。…ノエル様は売られた喧嘩は買う女である。
「わ、私ですか?」
努めてか弱そうな声をだすと、ミネルバ先生が怪訝そうな顔をしてこちらを見た。
「あなた以外いないでしょ!あなたたちに魔法の授業なんて、いらないのよ。これからは授業の間ずっと私に奉仕しなさい。それで光魔法をマスターしたことになるわ。」
うわあすげー暴論。ノエルはカーディガンの裾で靴を磨くふりをして隠し持っていたマジックアイテムを手のひらで押しつぶした。そして思い切りどぎついピンクのインクを靴に塗りたくってやった。
「ちょっと!あなた!何をしているの!」
無礼なおばさんはぎょっとしてノエルのことを蹴飛ばした。ノエルはわざとらしく倒れこみ、激しい音を立てて机に突っ込んだ。
「こんな無礼な学生が魔法学園にいるだなんて信じられないわ!学園長に行って退学にさせてやるから!」
おばさんは部屋を出て行った。
「ノ、ノエル?あなたいったい?」
ノエルは制服のベルトに装着していたレコーダーを取り外し、録音を止める。そして悪い顔をしてミネルバの方を見た。
「先生、私、頭ぶつけちゃったみたい。校医のところに行った方がいいかな?」
「…おそらくディアナは学園長室に向かうと思います。なるべく痛々しい様子で私たちも後から行きましょう。……校医のところに行くと怪我がないのがばれるわよ。」
ー---
しばらくすると学園長室へ呼び出された。ノエルは意図的にタイツに穴をあけた。ミネルバは呆れたため息をついていたが何も言わなかった。
「失礼します。」
ミネルバと二人、中に入ると、真っ赤な顔でプルプル震えるおばさんがいた。ちなみに靴についていたはずのピンクのインクはどこにもない。あれはこの夏に非魔法族向けのマジックアイテムでわずか一分で色が抜けるいたずらグッズだ。
ノエル贔屓のバスケチームウィザーズがトーナメントで優勝した時に青と黄色のインク玉で大いに盛り上がったものだ。
「学園長!この生意気な学生をすぐに退学処分にしてください!貴族の私に無礼を働きました!」
学園長の机にいるのは白いひげをたくわえた優しそうなおじいちゃんである。ノエルを探るように見ながらも疑問を投げかける。
「しかしね、ディアナ君。君の言う『ピンクのインクで汚された靴』はどこにもないしね。彼女の話も聞こうか。」
「先生…、私、そこの女の人に突然、『靴を磨け、なければ光魔法は教えない』って言われて…。磨こうとしたら蹴り飛ばされたんです…。」
「嘘です!卑しい非魔法族は嘘までつくのね!」
おばさんは一人で盛り上がっているが、ノエルは静かにレコーダーの再生ボタンを押した。おばさんの暴言のすべては記録されており、すべてを聞き終わった後ではおばさんの様子は最初と真逆のものになっていた。
「どうやら…きいていた話とは随分違うようだね、ディアナ君。君がノエル君の生まれを理由に光魔法の特別授業を拒否したことは明白だ。録音の他に、ミネルバ君も見ていたんだろう?」
「はい。所長。」
「な!ミネルバ、あなた!」
「…カルベット家には追って連絡をするが、君は光魔法の特別講師から解任だ。この人事権は私にあるからね。」
「学園長!私は貴族ですよ!」
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