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第7章 ーノエル編ー
15 学園三年目
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その日、リアはノエルの部屋に泊っていった。そこでようやく、自分の婚約者がネイト・ドーリンであること、婚約を結んだ頃からないがしろにされ続けているのだということをノエルに話してくれた。
ノエルはネイトが拗らせているのではないかと察していたが、本人から何か聞いたわけではないし、リアには何も言わなかった。
「ねえ、そんな人、別れちゃうべきよ。」
むしろ積極的に追い詰めた。だって、リアが受けた精神的苦痛はネイトの改心で消えるわけじゃないのだ。さっさと捨てて次に行った方がいい。
「ノエルに言われてはっとしたわ。よく考えたら、これはお父様たちにとっては7大貴族と縁を持つための婚姻だし、私がより良い選択肢を提示出来たら破談にできるかもしれないわ。」
「より良い選択肢って例えば?」
「もっといい家の嫡男と交際する、とか。同期だと、ハロルドとか。」
「…好きなの?」
変人だけど。
「まさか。全然タイプじゃないもの。」
ばっさりである。
「結婚以外の選択肢はないの?」
「あるわ。私が普通科特進コースに進学して政治家になるの。」
リアは決意したというように宣言した。
「ドーリン家では家庭に入って、貴族として社交をして、そんな妻が求められているの。私が働きに出ることを決めたら、きっと条件に合わなくて難色を示すと思うの。
でもマクレガー家にとっては、今後第一王女殿下が立太子するってなった時に、女性政治家を輩出できるのは喜ばしいことだわ。お父様たちも反対しないと思うの。」
「リアの成績なら進学、余裕でしょう?」
「ええ!」
ノエルの部屋に運び込まれた簡易ベッドの上でリアは力強く拳を突き上げた。頼もしいな。…翌朝、リアがベッドから落ちる音で目が覚めた時は一気に不安になったが。
ー---
紛失した”古の魔道具”の方にも進展があった。
「シャーリー、アレックスの話、怪しくない?」
「ああ、紛失した魔道具の特徴にも合致するね。」
その場にいたショーンとハロルドも頷き、ザラに事情を説明する。
「アレックスの母親が、祖母が死んだ後に貴族至上主義に染まったらしいんだ。もしかしたら、紛失した魔道具を勇んで受け継いだのかもしれない。」
「アレックスの母親がネックレスをつけて社交界に出ているかもしれないわ。ハロルドは知らない?」
「知らないな…。女性の社交場には行ったこともないし…。リアに聞くのがいいんじゃないかな?」
「設計図、もう一度見せて。リアに聞いてみる。」
緑の石のついたコテコテのネックレスだ。こうして裏付けもとり、アレックスを裏生徒会の部屋に呼ぶことになった。
ー---
話を聞いたアレックスは動揺していた。無理もない。大切な母親が精神汚染を受けているかもしれないなんて、自分に置き換えたらノエルはパニックになると思う。
青ざめるアレックスに冷静に、半ば冷酷に尋ねるのはハロルドだ。
「確認する必要がある。もしそうなら…どうする?」
「取り上げなきゃ…。こんな状態良くないよ…。」
それにはザラが懸念点を述べる。ザラは運動神経がもてはやされるけど、頭だっていいのだ。
「でも、話を聞くにもう6年以上洗脳状態にあったわけだから、相当上書きされた思想に侵されている。精神汚染は闇魔法の一種で、影響が長ければ長いほど術が解かれたときに精神に異常が出る場合がある。
例えば、廃人のようになってしまったり、幻覚を見るようになったり。」
アレックスは言葉をなくしている。…ザラも冷酷だった。
「洗脳の力を弱めることはできないかな?例えば、ネックレスの石を取り換えてしまうとか。それか、夜会にもつけさせないようにするとか。」
「所有者の思想を上書きするものだから、身に着ける頻度を落としたところで変わらない気がする。それに洗脳の力を弱めても今のままじゃ次の嫁に自動で受け継がれてしまって嫁が弱くとも洗脳を受けちゃうよ。
リアが貴族至上主義になるとは思いたくないけど、相当強力な魔道具だから…。」
リアは婚約解消計画を立てているが…それは今言うことじゃないだろう。
「じゃあ、魔道具を徐々に弱めて、やがて壊れるように仕向ける。」
「どうやって?」
ザラが眉根を寄せるが、ハロルドはおもむろに眼鏡を取り出した。
「…できるかも。」
ハロルドは眼鏡をかけて魔道具の設計図を眺める。
「この魔道具、おそらく仕組みは闇の魔法だ。物理的に壊すのは簡単だろうけど、形を壊さずに無効化するなら光魔法、ノエルの出番だ。」
ノエルはハロルドに言われて頷く。
「効果的な無効化方法は僕が見て調べる。本当に古の魔道具かどうかも。
そして、徐々に無効化するのは、ショーンの契約してる時の精霊に頼めば可能だ。」
「契約している?時の精霊?」
アレックスがきょとんとする。…そっか、知らないもんね。ショーンが自分の左肩を見やるとノエルと同じ顔をした手に平サイズの金色の女の子、ビビが現れた。
『ちょっとあんた生意気よ!私はね、ショーンの言うことしか聞かないの!ショーンに頼まれない限りやらないんだからね!』
「やってくれる?ビビ?」
『もちろんよ!ショーン!朝飯前よ!』
「何で顔がノエルにそっくりなの?精霊って好きな姿になれるんだよね?」
『この顔が一番ショーンの好きな顔なの。』
「あ、こら、ビビ!」
と、いつかにもやったような会話を繰り広げる。…それにしても、ショーンにはすっかり小姑がついてしまって、これは彼女作るの大変そうね。
「よし、じゃあ、ドーリン家に乗り込もう。ドーリン夫妻がいない時…これはアレックスに見極めてもらおう。僕とノエルは必ず。できればショーンも。ザラは…無理か。今回は控えで。」
ザラは少し不服そうだったが頷いた。行きたくてもなかなか難しいのがザラの立場だろう。特に学園の外となるとほとんど自由はないのだろう。
「決行は夏休み、だ。」
それからアレックスの家へ向かう計画を立てることとなった。
「アレックスの家、郊外なんだ。」
「そのあたりは貴族の家も多いゾーンだよ。僕の家もそこのそばにある。僕は簡単に行けそうだけど、ノエルとショーンは?」
「首都から汽車に乗ることになるかな。多分二時間ぐらい乗らないといけないと思う。」
「時間を調べないとわからないけど、朝の便があれば午後からアレックスの家に行けると思うわ。駅から近い?」
「あ、歩いてくるのは大変かも。」
「じゃあ、うちの魔法車で迎えに行くよ。」
「日帰りは難しいかな…何時に終わるかわからないけど…。」
「僕の家に泊る?多分、父上も喜ぶと思う。」
ノエルも記憶の中にある、ハロルドが連れてきた初めてのお友達に舞い上がったハロルドパパを思い出す。…うん、絶対に喜ぶな。
ふと計画を紙にまとめるショーンがノエルがプレゼントしたペンセットを使っているのを目に止めた。
「あ、ショーン、それ使ってくれてるんだ!父さんが仕事中に愛用しているペンなの、どう?」
「うん、書きやすくて気に入ってるよ。」
「ショーンは勉強大好きだものね。」
ああ、うん、いや、えっととショーンが言葉を濁す。不思議に思ったが、ハロルドが大きな声をあげたのでそのことはすぐに忘れてしまった。
「な、なんでショーンがノエルからプレゼントをもらってるの!僕ももらったことないのに!ま、まさか、ザラ・ウォーも…?」
ハロルドがわなわなと震えながらザラを振り返る。ハロルドが変人モードに突入してしまった。何がそんなに気になるのか…。
ザラはハロルドのわなわなポイントがわかるようで、どこか得意げに腕を組んだ。そうすると、ノエルがこのたび自作してプレゼントしたミサンガが見えるようになる。
「今年は誕生日にこれをもらった。」
「な、なんで!ノエル、僕もらったことないよ!僕にも何かほしいよ!」
…ええ?でも私、ハロルドからプレゼントもらったことないし。何でご奉仕しなきゃいけないの。
「僕の誕生日、秋だよ!」
しかもまだまだ先じゃないか。今、春だし。
「おいおい、わがままを言うなよ、ハロルド・フィリウス。プレゼントをねだるなんてみっともないぞ。」
余裕のザラに対して、悔しそうなハロルド。その場にいたアレックスは首を傾げている。
「ショーンはノエルに誕生日プレゼントあげてたよ?そのお返しなんじゃない?ハロルド、ノエルに何かあげたことあるの?それで欲しい欲しいってわがままなんじゃない?」
二つも年下の男子学生から放たれる正論は、ハロルドにとって寝耳に水だったようでしばらくぽけっとしていたのが妙に印象的だった。
ノエルはネイトが拗らせているのではないかと察していたが、本人から何か聞いたわけではないし、リアには何も言わなかった。
「ねえ、そんな人、別れちゃうべきよ。」
むしろ積極的に追い詰めた。だって、リアが受けた精神的苦痛はネイトの改心で消えるわけじゃないのだ。さっさと捨てて次に行った方がいい。
「ノエルに言われてはっとしたわ。よく考えたら、これはお父様たちにとっては7大貴族と縁を持つための婚姻だし、私がより良い選択肢を提示出来たら破談にできるかもしれないわ。」
「より良い選択肢って例えば?」
「もっといい家の嫡男と交際する、とか。同期だと、ハロルドとか。」
「…好きなの?」
変人だけど。
「まさか。全然タイプじゃないもの。」
ばっさりである。
「結婚以外の選択肢はないの?」
「あるわ。私が普通科特進コースに進学して政治家になるの。」
リアは決意したというように宣言した。
「ドーリン家では家庭に入って、貴族として社交をして、そんな妻が求められているの。私が働きに出ることを決めたら、きっと条件に合わなくて難色を示すと思うの。
でもマクレガー家にとっては、今後第一王女殿下が立太子するってなった時に、女性政治家を輩出できるのは喜ばしいことだわ。お父様たちも反対しないと思うの。」
「リアの成績なら進学、余裕でしょう?」
「ええ!」
ノエルの部屋に運び込まれた簡易ベッドの上でリアは力強く拳を突き上げた。頼もしいな。…翌朝、リアがベッドから落ちる音で目が覚めた時は一気に不安になったが。
ー---
紛失した”古の魔道具”の方にも進展があった。
「シャーリー、アレックスの話、怪しくない?」
「ああ、紛失した魔道具の特徴にも合致するね。」
その場にいたショーンとハロルドも頷き、ザラに事情を説明する。
「アレックスの母親が、祖母が死んだ後に貴族至上主義に染まったらしいんだ。もしかしたら、紛失した魔道具を勇んで受け継いだのかもしれない。」
「アレックスの母親がネックレスをつけて社交界に出ているかもしれないわ。ハロルドは知らない?」
「知らないな…。女性の社交場には行ったこともないし…。リアに聞くのがいいんじゃないかな?」
「設計図、もう一度見せて。リアに聞いてみる。」
緑の石のついたコテコテのネックレスだ。こうして裏付けもとり、アレックスを裏生徒会の部屋に呼ぶことになった。
ー---
話を聞いたアレックスは動揺していた。無理もない。大切な母親が精神汚染を受けているかもしれないなんて、自分に置き換えたらノエルはパニックになると思う。
青ざめるアレックスに冷静に、半ば冷酷に尋ねるのはハロルドだ。
「確認する必要がある。もしそうなら…どうする?」
「取り上げなきゃ…。こんな状態良くないよ…。」
それにはザラが懸念点を述べる。ザラは運動神経がもてはやされるけど、頭だっていいのだ。
「でも、話を聞くにもう6年以上洗脳状態にあったわけだから、相当上書きされた思想に侵されている。精神汚染は闇魔法の一種で、影響が長ければ長いほど術が解かれたときに精神に異常が出る場合がある。
例えば、廃人のようになってしまったり、幻覚を見るようになったり。」
アレックスは言葉をなくしている。…ザラも冷酷だった。
「洗脳の力を弱めることはできないかな?例えば、ネックレスの石を取り換えてしまうとか。それか、夜会にもつけさせないようにするとか。」
「所有者の思想を上書きするものだから、身に着ける頻度を落としたところで変わらない気がする。それに洗脳の力を弱めても今のままじゃ次の嫁に自動で受け継がれてしまって嫁が弱くとも洗脳を受けちゃうよ。
リアが貴族至上主義になるとは思いたくないけど、相当強力な魔道具だから…。」
リアは婚約解消計画を立てているが…それは今言うことじゃないだろう。
「じゃあ、魔道具を徐々に弱めて、やがて壊れるように仕向ける。」
「どうやって?」
ザラが眉根を寄せるが、ハロルドはおもむろに眼鏡を取り出した。
「…できるかも。」
ハロルドは眼鏡をかけて魔道具の設計図を眺める。
「この魔道具、おそらく仕組みは闇の魔法だ。物理的に壊すのは簡単だろうけど、形を壊さずに無効化するなら光魔法、ノエルの出番だ。」
ノエルはハロルドに言われて頷く。
「効果的な無効化方法は僕が見て調べる。本当に古の魔道具かどうかも。
そして、徐々に無効化するのは、ショーンの契約してる時の精霊に頼めば可能だ。」
「契約している?時の精霊?」
アレックスがきょとんとする。…そっか、知らないもんね。ショーンが自分の左肩を見やるとノエルと同じ顔をした手に平サイズの金色の女の子、ビビが現れた。
『ちょっとあんた生意気よ!私はね、ショーンの言うことしか聞かないの!ショーンに頼まれない限りやらないんだからね!』
「やってくれる?ビビ?」
『もちろんよ!ショーン!朝飯前よ!』
「何で顔がノエルにそっくりなの?精霊って好きな姿になれるんだよね?」
『この顔が一番ショーンの好きな顔なの。』
「あ、こら、ビビ!」
と、いつかにもやったような会話を繰り広げる。…それにしても、ショーンにはすっかり小姑がついてしまって、これは彼女作るの大変そうね。
「よし、じゃあ、ドーリン家に乗り込もう。ドーリン夫妻がいない時…これはアレックスに見極めてもらおう。僕とノエルは必ず。できればショーンも。ザラは…無理か。今回は控えで。」
ザラは少し不服そうだったが頷いた。行きたくてもなかなか難しいのがザラの立場だろう。特に学園の外となるとほとんど自由はないのだろう。
「決行は夏休み、だ。」
それからアレックスの家へ向かう計画を立てることとなった。
「アレックスの家、郊外なんだ。」
「そのあたりは貴族の家も多いゾーンだよ。僕の家もそこのそばにある。僕は簡単に行けそうだけど、ノエルとショーンは?」
「首都から汽車に乗ることになるかな。多分二時間ぐらい乗らないといけないと思う。」
「時間を調べないとわからないけど、朝の便があれば午後からアレックスの家に行けると思うわ。駅から近い?」
「あ、歩いてくるのは大変かも。」
「じゃあ、うちの魔法車で迎えに行くよ。」
「日帰りは難しいかな…何時に終わるかわからないけど…。」
「僕の家に泊る?多分、父上も喜ぶと思う。」
ノエルも記憶の中にある、ハロルドが連れてきた初めてのお友達に舞い上がったハロルドパパを思い出す。…うん、絶対に喜ぶな。
ふと計画を紙にまとめるショーンがノエルがプレゼントしたペンセットを使っているのを目に止めた。
「あ、ショーン、それ使ってくれてるんだ!父さんが仕事中に愛用しているペンなの、どう?」
「うん、書きやすくて気に入ってるよ。」
「ショーンは勉強大好きだものね。」
ああ、うん、いや、えっととショーンが言葉を濁す。不思議に思ったが、ハロルドが大きな声をあげたのでそのことはすぐに忘れてしまった。
「な、なんでショーンがノエルからプレゼントをもらってるの!僕ももらったことないのに!ま、まさか、ザラ・ウォーも…?」
ハロルドがわなわなと震えながらザラを振り返る。ハロルドが変人モードに突入してしまった。何がそんなに気になるのか…。
ザラはハロルドのわなわなポイントがわかるようで、どこか得意げに腕を組んだ。そうすると、ノエルがこのたび自作してプレゼントしたミサンガが見えるようになる。
「今年は誕生日にこれをもらった。」
「な、なんで!ノエル、僕もらったことないよ!僕にも何かほしいよ!」
…ええ?でも私、ハロルドからプレゼントもらったことないし。何でご奉仕しなきゃいけないの。
「僕の誕生日、秋だよ!」
しかもまだまだ先じゃないか。今、春だし。
「おいおい、わがままを言うなよ、ハロルド・フィリウス。プレゼントをねだるなんてみっともないぞ。」
余裕のザラに対して、悔しそうなハロルド。その場にいたアレックスは首を傾げている。
「ショーンはノエルに誕生日プレゼントあげてたよ?そのお返しなんじゃない?ハロルド、ノエルに何かあげたことあるの?それで欲しい欲しいってわがままなんじゃない?」
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