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第二章 気の早い雪女
プロローグ
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暑かった夏が終わり、秋が始まった。気温は低くなってきたが、まだまだ冬は遠い。首都のある中央と北の北西州をつなぐ街道沿いには旅をする人たちが立ち寄る宿場町・鹿籠があった。
鹿籠は冬になると雪に埋まり、旅人たちは通れなくなる。そのため冬を迎える前に北に向かいたい人がこれから秋にかけて多くやってくる。
鹿籠にある近衛兵が移動の際によく利用する宿屋『つる』の看板娘・まりはその日、宿屋の前の道の掃除をしていた。
季節は変わったばかりで、木々の色は変わり始めたところで落ち葉もまだない。つまり、掃除は簡単なものだった。
「あと二、三週間もすれば秋の人事異動で近衛兵の人がたくさん泊まりにくるから、大仕事だわ!」
まりは今年16歳のまだまだ少女だが、生まれてからずっとこの鹿籠で生活している。鹿籠のことはよく知っていた。
二週間ほどで紅葉は見ごろとなり、一月後には雪がちらつき始める。二月もすれば旅人の数は減り、そのうち雪が深くなるにつれていなくなる。
「今朝はなんだか冷えるわね…。」
はあと吐いた息が白くてまりは首をかしげる。曇り空を見上げてみると、目の前にぱっと白い何かがちらついて消えた。
まさか、と目を凝らしていると、やがて空からこんこんと雪が降り始めた。
鹿籠は冬になると雪に埋まり、旅人たちは通れなくなる。そのため冬を迎える前に北に向かいたい人がこれから秋にかけて多くやってくる。
鹿籠にある近衛兵が移動の際によく利用する宿屋『つる』の看板娘・まりはその日、宿屋の前の道の掃除をしていた。
季節は変わったばかりで、木々の色は変わり始めたところで落ち葉もまだない。つまり、掃除は簡単なものだった。
「あと二、三週間もすれば秋の人事異動で近衛兵の人がたくさん泊まりにくるから、大仕事だわ!」
まりは今年16歳のまだまだ少女だが、生まれてからずっとこの鹿籠で生活している。鹿籠のことはよく知っていた。
二週間ほどで紅葉は見ごろとなり、一月後には雪がちらつき始める。二月もすれば旅人の数は減り、そのうち雪が深くなるにつれていなくなる。
「今朝はなんだか冷えるわね…。」
はあと吐いた息が白くてまりは首をかしげる。曇り空を見上げてみると、目の前にぱっと白い何かがちらついて消えた。
まさか、と目を凝らしていると、やがて空からこんこんと雪が降り始めた。
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