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大東京で爆走編
3 常磐卯の、もうかれこれ五年は彼氏がいません。
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「卯の、あんた、男の人紹介されてみない?」
「え?」
「あんた、東京着てから彼氏いないんでしょう?友達の友達で私も知ってる人なんだけれど、同じ大学の隣の建物で研究員をしている同世代の人らしいんだよね。」
ある日突然、疲れた体に晴特製の麻婆ナスを染み渡らせていた卯のに、晴はそう問いかけた。
「ちょっと待って?なんで私?」
「なんか文系出身の女性と話が合わなさ過ぎて別れたところで、理系出身の女性との出会いを求めているらしいの。卯のは今でこそ文系職だけど、もとは理系の出でしょう?」
「でも、私、仕事が…。」
「そんなこと言ってたら一生彼氏できないわよ?私たち、今年29歳。三十路前にもうひと恋愛とは思わない?」
「それは思うけど…。」
そして欲を言えば結婚もしたいし子供も欲しいけれど…。
「とりあえず、今度の日曜に会ってみない?」
一応、卯のにも土日という概念はある。昼間の仕事がない日だ。土曜は死んだように眠り、晴の作り置きご飯を食べて出勤し、日曜も遅めの朝を迎えて、予定があえば晴と過ごして出勤する。
「いや、でも…。」
今のこんな生活の中に彼氏を作る余裕なんて…。
「その諦めがダメなのよ!」
「え?私、声に出してた?」
「出してないけど顔にでてた。いい?卯のの今の生活じゃ職場で見つけられないならもう出会いはないの。マッチングアプリを始める器用さもないんだから、友人の紹介しか手がないじゃない?」
「そうだけど…。上手くいかなかったら晴に迷惑かけない?」
「友達の友達だって言ったでしょ?理系出身のフリーの女子の知り合いを紹介するだけ!大学時代の知り合いだってことにしておくし、気にいらなかったらフッてくれてもいいから。」
晴は必死に卯のに新しい出会いを推してくる。
「いい?今年度は出張も多いし、仕事終わりのド深夜にご飯を温めてあげられない日も多いわけ。その間、昔みたいな生活をするんじゃないかって心配なの。生活はサポートしてもらえなくても、困ったときに頼れる人がいたらいいじゃない?」
「晴…。わかった。会ってみる。」
「そうこなくっちゃ!」
そうして日曜日。
「初めまして、浅田佳明です。」
卯のはどうして晴があんなに熱量高く会うように勧めてきたのかを理解した。
「工学部のご出身なんですよね?自分も工学部なんです。化学系ですが。」
現れたのは綺麗に整えられた黒髪に爽やかな顔立ち、高見えする服に適度に鍛えられた体つきの好青年だった。
「大学内のジムで鍛えているんです。毎日ではないですが、いい息抜きになりますよ。」
好みです…!ありがとうございます、晴お姉さま…!
「卯のさんはご友人とルームシェアを?」
「はい。昨年から輪をかけて仕事が忙しくなってしまって、お恥ずかしながら荒れた生活をしていたんです。それを見かねた友人がルームシェアを提案してくれて。仕事は変わらず忙しいですが、なんとか生きてます。」
「そんなにお忙しいんですか?」
「夜遅くまで仕事があって、今日も夜は仕事なんです。」
「そうでしたか…。休みが少ないのは大変ですね。」
「ええ。でもやりがいがありますから。」
「お仕事がお好きなんですね。」
そう、卯のは決して夜の仕事が嫌いではない。昼の仕事と比べれば何倍も好きだ。そう、好きだからこんな生活ができている。
こうして何度か日曜に会い…。
「GWに遠出をしない?ドライブにでも?」
「もちろん!ぜひ!」
さて、仕事をどうする。
ーーーー
「今日は羽田空港だったか…。激務ですまないな。」
「人の出入りは増えましたし、仕方ないです。」
4月下旬のとある平日、その日は激務で出勤してすぐに羽田空港に行き、海外からの飛行機に紛れ込んできた謎のネズミ型の妖怪、いわゆる魔物を退治した。外来の魔物は即駆除する対象となっている。
一匹ならば大したことはないが、今回は入国した数が多かった。さらに、すでに羽田空港に居ついているネズミ魔獣まで確認され、てんやわんやの大仕事になってしまったのだ。
「だが、常磐はもう一年以上まともに休んでないだろう?」
…来た!今日、話そうと思っていたがこんなところで九条部長から話を振ってもらえるとは!
「部長、実はその件でご相談したいことがありまして。」
「なんだ?」
「GWにお休みを一日いただきたいんです。」
「休みか…。とってくれても構わないんだが、しかしな…。」
そう、部長の懸念はわかる。この一年、卯のだって何度か休みをとった。同居前に上京してきた晴とご飯にいくために、こちらで働く元同級生たちと飲みにいくために、時には体調不良で。でもダメだった。休みであっても人員不足や卯のにしか対処できない怪異の発生で現場に呼び出された。
「どうしてもという場合には出勤します。でも、なるべく、なるべく、呼ばないでほしいんです。」
「そうだな。善処しよう。」
「部長…!」
「何日に休むんだ?」
「5月の3日に…。」
「はあ?お前この忙しい中、休むのかよ?」
不機嫌な男の声に卯のがげんなりして振り返ると、色味の薄い黒髪の青年が声そのままに不機嫌な顔で立っていた。
「一級戦闘師としての自覚がないのか、お前は。」
「鷲見。」
この男は鷲見大智、東京所属の後方支援チームの若きエースであり、東京エリアに三人しかいない記憶改ざんの術を操る。戦闘師も兼務しており、時には妖怪の討伐にも出る。
実は東京エリアに配属となったタイミングは同じ、卯のの唯一の同期である。年齢的には二つ年下だ。なぜか卯のを目の敵にしている。
卯のはげんなりした目を九条部長に向ける。部長は心得たというように片手をあげた。
「鷲見、常磐はこの一年以上、休みを返上して働いてくれている。有休を取得しても、呼び戻される始末だ。もちろん常磐にしかできない仕事の場合もあるが、ただ人員不足の場合もある。
一年以上休んでいないのは常磐だけだ。常磐の良心につけこんで働き方改革に逆行するような過剰労働を強いているわけだ。」
「それは…。」
「たった一日の休みしか与えられず、申し訳ないぐらいだ。常磐、休みなさい。鷲見も戦闘師として出れるし、いざとなれば私も出よう。」
東京エリアにいる一級戦闘師はわずかに三人。一人は卯ので、長期出張中の者ともう一人が九条部長である。
「ありがとうございます。」
報告書の提出を終え、退勤しようとオフィスを出ると鷲見が足早に追いかけてきた。
「…突然休みなんてとってどうするんだよ?」
卯のは再びげんなりした顔で鷲見を振り返る。いつもの不機嫌な顔が卯のを見ていた。
「デートがあるの。」
「デ!?誰と!?」
「誰でもいいでしょ。おつかれ。」
「お、おい!」
無事に休みを取れた卯のの心は早くもデートに向けて踊っていた。これで時間を気にせずに一緒にいられる。深夜12時とは思えないほど足取り軽やかに去って行く卯のは後ろで呆然と残される鷲見には最後まで気づかなかった。
ーーーー
「休みがとれたの?よかったじゃない!」
「うん!」
その日の夜食はもう夜も遅いからとお茶漬けだった。普段よりも帰宅が遅れてしまったが、有休の交渉をすることをしっていた晴が起きて待っていてくれた。
「これで夜まで佳明さんと一緒にいられる。」
「卯の、そんなに彼が気に入ったのね…。まあ気に入ると思ってたけど。」
「タイプ、ど真ん中!ありがとう、晴お姉さま!」
「はいはい、あがめなさい。」
晴はお茶漬けを食べる卯のの向かいの席で胡椒を撫でながらあくびをしている。
「その感じならドライブデートでお付き合いって話になるんじゃない?そのままお泊りも済ませてきなさいよ。」
「そ、そんな急に?」
「でも、次はいつになるかわからないじゃない?ちゃんと付き合うのなら仕事の方もどうにかしなきゃね。」
「それはなんとかする。」
晴は怪訝な顔をする。言いたいことはわかる。それなら今までなぜできなかったのか、と言いたいのだろう。でも、結婚を考えている相手がいる、となると夜の職場での扱いが変わるのだ。
まず、仕事の内容を話す許可を得ることができる。もちろん他言しない契約を結んでもらう必要はあるが。それで付き合いが上手くいき、結婚となれば、昼の仕事をやめて夜の仕事に専任できるように申請することができる。
夜が多忙なことは変わらないが二人の時間が持てるように配慮してもらえるのだ。
というのも、国は巫覡たちに結婚し、ゆくゆくは巫覡となる子供を増やしてほしいからである。
この特殊な仕事柄、超自然現象対策室はもともと家族がここに勤めていたという縁者が多い。また、巫覡の子は巫覡になりやすいというのもある。
代々巫覡を輩出する一族の中でも最も有名なのが卯のの生家である常磐家である。特に卯のは本家嫡流の娘であり、巫覡界で最も血筋がいい。本人もその家族もそろって一級戦闘師であり、ぜひにもその才を次代に継いでほしいと願われているのだ。
実際、国は全国の超自然現象対策室の関係者間での婚活マッチングにも積極的である。それに手を出すのは30超えてからだと卯のは思っていたが気づけばもう一年と少しだ。
兄も両親も自力で相手を見つけ出していたのだから、できれば卯のもそれはしたくない。ぜひにも佳明とは上手くいきたいのだ。
「え?」
「あんた、東京着てから彼氏いないんでしょう?友達の友達で私も知ってる人なんだけれど、同じ大学の隣の建物で研究員をしている同世代の人らしいんだよね。」
ある日突然、疲れた体に晴特製の麻婆ナスを染み渡らせていた卯のに、晴はそう問いかけた。
「ちょっと待って?なんで私?」
「なんか文系出身の女性と話が合わなさ過ぎて別れたところで、理系出身の女性との出会いを求めているらしいの。卯のは今でこそ文系職だけど、もとは理系の出でしょう?」
「でも、私、仕事が…。」
「そんなこと言ってたら一生彼氏できないわよ?私たち、今年29歳。三十路前にもうひと恋愛とは思わない?」
「それは思うけど…。」
そして欲を言えば結婚もしたいし子供も欲しいけれど…。
「とりあえず、今度の日曜に会ってみない?」
一応、卯のにも土日という概念はある。昼間の仕事がない日だ。土曜は死んだように眠り、晴の作り置きご飯を食べて出勤し、日曜も遅めの朝を迎えて、予定があえば晴と過ごして出勤する。
「いや、でも…。」
今のこんな生活の中に彼氏を作る余裕なんて…。
「その諦めがダメなのよ!」
「え?私、声に出してた?」
「出してないけど顔にでてた。いい?卯のの今の生活じゃ職場で見つけられないならもう出会いはないの。マッチングアプリを始める器用さもないんだから、友人の紹介しか手がないじゃない?」
「そうだけど…。上手くいかなかったら晴に迷惑かけない?」
「友達の友達だって言ったでしょ?理系出身のフリーの女子の知り合いを紹介するだけ!大学時代の知り合いだってことにしておくし、気にいらなかったらフッてくれてもいいから。」
晴は必死に卯のに新しい出会いを推してくる。
「いい?今年度は出張も多いし、仕事終わりのド深夜にご飯を温めてあげられない日も多いわけ。その間、昔みたいな生活をするんじゃないかって心配なの。生活はサポートしてもらえなくても、困ったときに頼れる人がいたらいいじゃない?」
「晴…。わかった。会ってみる。」
「そうこなくっちゃ!」
そうして日曜日。
「初めまして、浅田佳明です。」
卯のはどうして晴があんなに熱量高く会うように勧めてきたのかを理解した。
「工学部のご出身なんですよね?自分も工学部なんです。化学系ですが。」
現れたのは綺麗に整えられた黒髪に爽やかな顔立ち、高見えする服に適度に鍛えられた体つきの好青年だった。
「大学内のジムで鍛えているんです。毎日ではないですが、いい息抜きになりますよ。」
好みです…!ありがとうございます、晴お姉さま…!
「卯のさんはご友人とルームシェアを?」
「はい。昨年から輪をかけて仕事が忙しくなってしまって、お恥ずかしながら荒れた生活をしていたんです。それを見かねた友人がルームシェアを提案してくれて。仕事は変わらず忙しいですが、なんとか生きてます。」
「そんなにお忙しいんですか?」
「夜遅くまで仕事があって、今日も夜は仕事なんです。」
「そうでしたか…。休みが少ないのは大変ですね。」
「ええ。でもやりがいがありますから。」
「お仕事がお好きなんですね。」
そう、卯のは決して夜の仕事が嫌いではない。昼の仕事と比べれば何倍も好きだ。そう、好きだからこんな生活ができている。
こうして何度か日曜に会い…。
「GWに遠出をしない?ドライブにでも?」
「もちろん!ぜひ!」
さて、仕事をどうする。
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「今日は羽田空港だったか…。激務ですまないな。」
「人の出入りは増えましたし、仕方ないです。」
4月下旬のとある平日、その日は激務で出勤してすぐに羽田空港に行き、海外からの飛行機に紛れ込んできた謎のネズミ型の妖怪、いわゆる魔物を退治した。外来の魔物は即駆除する対象となっている。
一匹ならば大したことはないが、今回は入国した数が多かった。さらに、すでに羽田空港に居ついているネズミ魔獣まで確認され、てんやわんやの大仕事になってしまったのだ。
「だが、常磐はもう一年以上まともに休んでないだろう?」
…来た!今日、話そうと思っていたがこんなところで九条部長から話を振ってもらえるとは!
「部長、実はその件でご相談したいことがありまして。」
「なんだ?」
「GWにお休みを一日いただきたいんです。」
「休みか…。とってくれても構わないんだが、しかしな…。」
そう、部長の懸念はわかる。この一年、卯のだって何度か休みをとった。同居前に上京してきた晴とご飯にいくために、こちらで働く元同級生たちと飲みにいくために、時には体調不良で。でもダメだった。休みであっても人員不足や卯のにしか対処できない怪異の発生で現場に呼び出された。
「どうしてもという場合には出勤します。でも、なるべく、なるべく、呼ばないでほしいんです。」
「そうだな。善処しよう。」
「部長…!」
「何日に休むんだ?」
「5月の3日に…。」
「はあ?お前この忙しい中、休むのかよ?」
不機嫌な男の声に卯のがげんなりして振り返ると、色味の薄い黒髪の青年が声そのままに不機嫌な顔で立っていた。
「一級戦闘師としての自覚がないのか、お前は。」
「鷲見。」
この男は鷲見大智、東京所属の後方支援チームの若きエースであり、東京エリアに三人しかいない記憶改ざんの術を操る。戦闘師も兼務しており、時には妖怪の討伐にも出る。
実は東京エリアに配属となったタイミングは同じ、卯のの唯一の同期である。年齢的には二つ年下だ。なぜか卯のを目の敵にしている。
卯のはげんなりした目を九条部長に向ける。部長は心得たというように片手をあげた。
「鷲見、常磐はこの一年以上、休みを返上して働いてくれている。有休を取得しても、呼び戻される始末だ。もちろん常磐にしかできない仕事の場合もあるが、ただ人員不足の場合もある。
一年以上休んでいないのは常磐だけだ。常磐の良心につけこんで働き方改革に逆行するような過剰労働を強いているわけだ。」
「それは…。」
「たった一日の休みしか与えられず、申し訳ないぐらいだ。常磐、休みなさい。鷲見も戦闘師として出れるし、いざとなれば私も出よう。」
東京エリアにいる一級戦闘師はわずかに三人。一人は卯ので、長期出張中の者ともう一人が九条部長である。
「ありがとうございます。」
報告書の提出を終え、退勤しようとオフィスを出ると鷲見が足早に追いかけてきた。
「…突然休みなんてとってどうするんだよ?」
卯のは再びげんなりした顔で鷲見を振り返る。いつもの不機嫌な顔が卯のを見ていた。
「デートがあるの。」
「デ!?誰と!?」
「誰でもいいでしょ。おつかれ。」
「お、おい!」
無事に休みを取れた卯のの心は早くもデートに向けて踊っていた。これで時間を気にせずに一緒にいられる。深夜12時とは思えないほど足取り軽やかに去って行く卯のは後ろで呆然と残される鷲見には最後まで気づかなかった。
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「休みがとれたの?よかったじゃない!」
「うん!」
その日の夜食はもう夜も遅いからとお茶漬けだった。普段よりも帰宅が遅れてしまったが、有休の交渉をすることをしっていた晴が起きて待っていてくれた。
「これで夜まで佳明さんと一緒にいられる。」
「卯の、そんなに彼が気に入ったのね…。まあ気に入ると思ってたけど。」
「タイプ、ど真ん中!ありがとう、晴お姉さま!」
「はいはい、あがめなさい。」
晴はお茶漬けを食べる卯のの向かいの席で胡椒を撫でながらあくびをしている。
「その感じならドライブデートでお付き合いって話になるんじゃない?そのままお泊りも済ませてきなさいよ。」
「そ、そんな急に?」
「でも、次はいつになるかわからないじゃない?ちゃんと付き合うのなら仕事の方もどうにかしなきゃね。」
「それはなんとかする。」
晴は怪訝な顔をする。言いたいことはわかる。それなら今までなぜできなかったのか、と言いたいのだろう。でも、結婚を考えている相手がいる、となると夜の職場での扱いが変わるのだ。
まず、仕事の内容を話す許可を得ることができる。もちろん他言しない契約を結んでもらう必要はあるが。それで付き合いが上手くいき、結婚となれば、昼の仕事をやめて夜の仕事に専任できるように申請することができる。
夜が多忙なことは変わらないが二人の時間が持てるように配慮してもらえるのだ。
というのも、国は巫覡たちに結婚し、ゆくゆくは巫覡となる子供を増やしてほしいからである。
この特殊な仕事柄、超自然現象対策室はもともと家族がここに勤めていたという縁者が多い。また、巫覡の子は巫覡になりやすいというのもある。
代々巫覡を輩出する一族の中でも最も有名なのが卯のの生家である常磐家である。特に卯のは本家嫡流の娘であり、巫覡界で最も血筋がいい。本人もその家族もそろって一級戦闘師であり、ぜひにもその才を次代に継いでほしいと願われているのだ。
実際、国は全国の超自然現象対策室の関係者間での婚活マッチングにも積極的である。それに手を出すのは30超えてからだと卯のは思っていたが気づけばもう一年と少しだ。
兄も両親も自力で相手を見つけ出していたのだから、できれば卯のもそれはしたくない。ぜひにも佳明とは上手くいきたいのだ。
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