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地味ダサ女を私の王子様がお姫様抱っこして、私の恋が木っ端微塵に砕けました

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「もう、本当に昨日は最低だったわ」
「どうしたの?」
「会長の第一王子殿下がいないのに夜遅くまで副会長の仕事させられたのよ」
私は翌日地味ダサ女らに散々愚痴を言ったのだ。
それに対して何故か地味ダサ女が私から視線をそらしたような気がしたのだ。

ムカついていた私はあまり気にしなかったのだ。

本当に最悪だった。

せっかく生徒会長の王子様と仲良くしようとしたのに、会長は用事ができたと来ないし、親しくなりたくない男ナンバーワンのアクセリの付きになってしまったんだけど……

どういうことよ! もう最悪じゃない。下手したら監禁バッドエンドへまっしぐらだわ!


「大変だ!」
先生の用で少し遅れると言っていたハッリが慌てて飛んできたんだけど。

「どうしたの?」
「ニーナに学園長からの呼び出しなんだ」
「ごほんごほん」
「おい、大丈夫か」
咳き込む地味ダサ女の背をアハティが思いっきり叩いいたが。

「なんでニーナが呼ばれたの?」
私がハッリに聞いてやったが、
「わからないよ。担任も聞いていないみたい。食事を食べ終えたら学園長室に来るようにって」
「そんな、私何もしていないわよ」
この地味ダサ女の言う事は誰も信じなかった。

「よく言うよ。昨日、また、ヴィルタネン先生のカツラ飛ばしたじゃないか」
「そもそも入学式の時に学園長の前でイビキかいて寝ていたし」
「第二王子殿下に喧嘩売ったのがバレたんじゃないか」
「数えたらきりないよね」
「原因がありすぎて対策も建てようが無いじゃない」
「入るなり、土下座すれば。少しは許してくれるかも」
機嫌が悪くなっていた私は言ってやったのだ。

青くなって地味ダサ女は出て行った。

ざまあみろだ。私の王子様に手を出そうとするからだ。

ついでに退学にならないだろうか?

そうすればライバルはいなくなる。
私はかすかな期待をしたんだけど、そうはならなかった。



礼儀作法の授業の始まるギリギリの時間に学園長室から走って帰ってきた地味ダサ女に結果を聞く時間はなかった。

何か青い顔をしているからこってり学園長に絞られたのと私は思ってほくそ笑んでいたのだ。
でも、それは地味ダサ女に騙されていたのだ。



次の魔法実技の授業でまたヴィルタネンのかつらを飛ばした地味ダサ女は職員室に呼び出されたみたいだった。

本当に地味ダサ女は馬鹿だ。

何回ヴィルタネンのカツラを飛ばしたら気が済むんだ。

まあ、それを言うならばヴィルタネンもヴィルタネンだ。いい加減飛ばされないように自分で考えたら良いのではないかと思ってしまった。

少し可哀想になった私は地味ダサ女が学園長に何を言われたか聞くために職員室の前で待ってやったのだ。

私はとてもお人好しだった。

そこへ何故か怒り狂った私の王子様が現れたのだ。

私は思わず隠れていた。

流石に怒り狂っている王子様に声をかけるのは不味いだろう。

そんな王子様は私を無視して職員室の扉を蹴破りそうな勢いで中に入っていったのだ。

扉に耳をつけたが、流石に中の声まで聞こえなかった。

でも、王子様が怒っているんだけど、誰に怒っているんだろう。

私は嫌な予感がした。

そして、入った時と同じで王子様は突然出てきたのだ。

私はとっさに扉の影に隠れた。


そして、扉を開けて出てきた王子様は何と地味ダサ女の手を引いていたのだ。


ウッソーーーーー!
私は完全に固まってしまった。

地味ダサ女は王子様を私に譲ってくれるんじゃなかったのか?

私は儚い友情が裏切られたのを知ってしまったのだ。


「一体、何回ヴィルタネン先生のかつらを吹き飛ばしたら気が済むんだ」
王子様が地味ダサ女に怒っている。
「いやだから、わざとじゃないんですって」
地味ダサ女は言い返している。

ん?、ひょっとして喧嘩している?
私は少し喜んだ。

「何言っているんだ。これで四回目だぞ、仏の顔も三度までって言う諺が東の国にはあるそうだが、普通は三回もやれば十分だろう! それを四回もやったらさすがに許されないぞ」
「会長、私がやったのは三回だけです。もう一回はヨーナスとアハティがやってくれたんです」
「三回も四回も一緒だろうが」
「今、違うって言われたじゃないですか? 三回までなら許せるって」
よし、そこでもっと喧嘩しろ!

「痛たっ!」
地味ダサ女は急に止まった王子様の背中に鼻を打っていた。
本当にドジだ。
私は喜んだ。

「ニーナ!」
そこには怒りまくった王子様がいたのだが、なんでニーナ嬢からニーナって呼び捨てになっているんだ。
居つからそんなに親しくなったんだ。
私はその声を聞いて完全に固まってしまった。

二人の痴話喧嘩も頭の中に入って来ない。

そのうちに地味ダサ女は鼻血を出しだしたんだけど。

「お前どうしたんだ。血が」
「あっ、いえ、大丈夫ですから」
「そんな訳あるか。ちょっと見せてみろ」
「いや、会長……」
「こんなのほっておいたら収まりますから」
「そんな訳無いだろう」
私の王子様はそう叫ぶと地味ダサ女をお姫様抱っこをしたのだ。

そして、その腕は恋人を抱きかかえるように抱えて、必死に駆けていく殿下がいた。
その姿は傷ついた恋人を心配して走る男の姿だった。

「きゃっ」
「うそ!」
「あの子、殿下にお姫様抱っこされている」

私は周りの女どもの声も聞こえなかった。


ガンガラガッチャン!
私の心の中で何かが大きな音を立てて崩れてしまった。

私の王子様が……

私の恋が終わった瞬間だった……
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ここまで読んで頂いて有難うございます。
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このお話の元の話は『転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました』
この下にリンク張ってます。
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