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侯爵令嬢相手に反撃しました
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「オーレリアさん。聞きましたわよ。あなたクラスメイトのハンナさんが余りにきれいだからって嫉妬して教科書や彼女の大切にしていたペンダントを取ってしまったんですって」
いやらしい笑みを浮かべてレベッカは言った。
犯人断罪の気持ち満々にやってきたのだろう。
周りが次々にそれに乗っかって口火を斬ろうとした時だ。
「えーーーー!あなたが犯人だったの」
私の大声で彼女たちの威勢は吹っ飛んでいた。
「あなた、私の障壁で吹っ飛ばされたからって、逆恨みしてこんな事してい許されるとでも思っているの?」
私の大声にたちまち立場が逆転してしまったのだ。まさか、レベッカも自分が逆に犯人扱いされるなんて思ってもいなかったのだろう。
「何言っているのよ。犯人はあなたでしょ」
「何言っているのよ。犯人はちゃんと私のところにやってくるってベッキーが教えてくれたのよ。まさか自分が犯人だって告白してくる馬鹿な奴なんているわけ無いって思っていたのに、本当にそんな馬鹿がいたのね」
慌てて言い返すレベッカに私は思いっきり軽蔑した視線を向けた。
「何言っているのよ。あなたの机の上にハンナのペンダントがあったって聞いたわ。ね、ブリトニー」
レベッカは必死に焦ってブリトニーに助成を頼んだ。
「そ、そうですわ。私確かに見ました」
「そうよそうよ」
「自分が取ったのにレベッカ様のせいにするなんて」
「なんて浅ましいんでしょ」
それまで私の勢いに押されて黙っていた取り巻き達が慌てて叫びだす。
「何言ってんのか判らないけど、そもそも、私が取ったのならば、なんで自分の机の上にわざわざおいておくのよ。そんな事するの馬鹿じゃない。
そもそも、私の部屋に行こうと言い出したのはそちらのブリトニーじゃない。あなたこそ、わしたの部屋に勝手に入って、ペンダントを前もって置いておいたんじゃないの」
私はブリトニーに迫った。
「そ、そんなわけ無いでしょ。そもそも鍵が閉まっていたじゃない」
「そんなの合鍵あればいくらでも開けられるじゃない」
「私はやっていないわよ」
私の勢いにブリトニーはたちまち劣勢になった。
「じゃあ、誰にさせたのよ。ドロシアにさせたの?」
「ちょっと待って。私はやっていないわ」
いきなり振られてドロシアは慌てる。
いつの間にかやったのはレベッカ側になっていた。
「何言っているのよ。そもそもあなたが取ったんでしょ」
「私が取ったのを見たのかって言っているのよ」
私はレベッカを睨み返した。
「状況証拠はあなたが取ったって言っているじゃない」
レベッカが言い切る。
「何言っているのよ。ベッキーが教えてくれたわ。私を嵌めたやつが自分がやったって自ら言いに来るって。そして、ここに来たのはあなたじゃない。だから黒幕はあなたでしょ。あなたが取り巻き令嬢に指示して私の机においたんじゃない」
私は自信満々に言い切った。
「そんなメチャクチャな」
レベッカは口をパクパクしていた。こんな理由で断罪に逆襲されるなんて思ってもいなかったのだろう。
「メチャクチャだろうが、真実は真実よ」
私とレベッカは睨み合った。
取り巻き達は私の勢いに呆然として口出せない状態だった。
「ああ、お父様。侯爵家に逆らう娘をお許し下さい」
その時それまで黙っていたベッキーがおもむろに立上った。
「レベッカ様」
「何なのあなた?確か子爵令嬢か何かだったかしら」
レベッカの問に男爵家のベッキーは少しいらっとしたみたいだったが、
「私は男爵家ですが、まあ侯爵家の貴方様から見れば子爵家も男爵家も同じなのですね」
侯爵令嬢の周りの子爵男爵令嬢共に言い聞かせるように言う。
「で、その男爵令嬢が何なの」
「ベッキーです。あなた人の名前も覚えられないんですの、単細胞のリア以下ですわね」
「何ですって」
私とレベッカが何故か唱和していた。
「上に立つものがそれではまずいのではありませんか。あなたが馬鹿にするリアは貴族年鑑を丸暗記しているそうですよ」
「え、そんな馬鹿な」
レベッカは私の言葉を信じていなかった。
「まあ、それはどうでもいいんですけど、そもそもリアはご覧のように単純です」
何を言い出すのよ。ベッキーは。私は少しムカついた。
「もし、ハンナさんが気に食わなかったら、こんなまどろっこしいことせずに直接本人に文句言いにいきます」
「ハンナのペンダントが欲しかったんじゃないの。あのペンダント結構高価そうだから」
「レベッカ様。あなたリアの恰好見てこの子が貧乏だと勘違いしているみたいですけど、この子はセンスがないだけです」
「何言っているのよ。ベッキー、私もセンスはあるわよ」
「何言っているのよ、その真っ黒なジャージ、髪も黒目も黒服も黒って真っ黒クロスケじゃない」
「黒は汚れが目立たないのよ。それにこの服は私が必死に防御の加護かけたんだから、あんたらの着ている服よりも余程高価なんだから」
私は侯爵令嬢らに言い切った。
「えっ、そのジャージが?」
ベッキーが驚いて聞いた。
「だって、耐熱でしょ、耐火でしょ。対ショックに、防毒、耐寒・・・」
「ああもう判ったわ。あんな無駄な所に金使っているのね」
「自分でやったからただだけど・・・・」
「まあ良いわ。そう、レベッカ様がリアが金に目がくらんで取ったっておっしゃいますけど、リアに限ってはそんなのありえませんわ。リア、さっきの石」
私はベッキーの言葉に仕方無しにポーチを開けた。
「だって平気でこんな高価な魔石をポーチに入れて持ち歩いているくらいですよ」
ベッキーが魔石を手にとって周りに見せた。
きれいだ。
「えっ」
「すごい」
「金貨1000枚くらいするんじゃない」
周りから声が聞こえる。
「もっとすると思いますけど。あなたがつけているダイヤモンドよりも遥かに高価なのは確かです」
「な、何ですって」
レベッカは叫んだが、私は別にそんなものには興味はなかった。ジルおじさんがくれたから持っているだけだ。お金に困ったら換金できるし。
「遥かに高価なものも雑に扱っているリアが、高価だからってハンナのペンダントを取るわけ無いんです。それにもし取ってもこのポーチの中に入れると思いますよ。あんな目立つ机の上においておいて得するのはリアを貶めようとされたあなた達だけです」
ベッキーが言い切った。
「そう思うよね。皆」
ベッキーが回りに聞いた。
「ベッキーに賛成」
「どう考えてもリアは嵌められただけだ」
「そもそも単細胞なリアがそんなまどろっこしいことするわけ無いだろ」
「そうだ、そうだ」
周りから次々に私を援護してくれる声が聞こえた。
「み、皆」
私は思わず涙目になった。
「な、何ですって」
「レベッカ様、ここは一旦引かないと」
「そ、そうね」
貴族令嬢達は周りの平民たちの動きに慌てて逃げ出したのだ。
「ちょっと謝っていきなさいよ」
私の声を無視して。
私は皆に助けられてレベッカの攻撃を撃退できて清々していた。
しかし、これだけで終わるわけはなかった。
*********************************************
リアの試練はまだまだ続きます。
次話明朝更新予定
しかし、リアに酷いことをすればするほど自分の首を締めていくような・・・・
いやらしい笑みを浮かべてレベッカは言った。
犯人断罪の気持ち満々にやってきたのだろう。
周りが次々にそれに乗っかって口火を斬ろうとした時だ。
「えーーーー!あなたが犯人だったの」
私の大声で彼女たちの威勢は吹っ飛んでいた。
「あなた、私の障壁で吹っ飛ばされたからって、逆恨みしてこんな事してい許されるとでも思っているの?」
私の大声にたちまち立場が逆転してしまったのだ。まさか、レベッカも自分が逆に犯人扱いされるなんて思ってもいなかったのだろう。
「何言っているのよ。犯人はあなたでしょ」
「何言っているのよ。犯人はちゃんと私のところにやってくるってベッキーが教えてくれたのよ。まさか自分が犯人だって告白してくる馬鹿な奴なんているわけ無いって思っていたのに、本当にそんな馬鹿がいたのね」
慌てて言い返すレベッカに私は思いっきり軽蔑した視線を向けた。
「何言っているのよ。あなたの机の上にハンナのペンダントがあったって聞いたわ。ね、ブリトニー」
レベッカは必死に焦ってブリトニーに助成を頼んだ。
「そ、そうですわ。私確かに見ました」
「そうよそうよ」
「自分が取ったのにレベッカ様のせいにするなんて」
「なんて浅ましいんでしょ」
それまで私の勢いに押されて黙っていた取り巻き達が慌てて叫びだす。
「何言ってんのか判らないけど、そもそも、私が取ったのならば、なんで自分の机の上にわざわざおいておくのよ。そんな事するの馬鹿じゃない。
そもそも、私の部屋に行こうと言い出したのはそちらのブリトニーじゃない。あなたこそ、わしたの部屋に勝手に入って、ペンダントを前もって置いておいたんじゃないの」
私はブリトニーに迫った。
「そ、そんなわけ無いでしょ。そもそも鍵が閉まっていたじゃない」
「そんなの合鍵あればいくらでも開けられるじゃない」
「私はやっていないわよ」
私の勢いにブリトニーはたちまち劣勢になった。
「じゃあ、誰にさせたのよ。ドロシアにさせたの?」
「ちょっと待って。私はやっていないわ」
いきなり振られてドロシアは慌てる。
いつの間にかやったのはレベッカ側になっていた。
「何言っているのよ。そもそもあなたが取ったんでしょ」
「私が取ったのを見たのかって言っているのよ」
私はレベッカを睨み返した。
「状況証拠はあなたが取ったって言っているじゃない」
レベッカが言い切る。
「何言っているのよ。ベッキーが教えてくれたわ。私を嵌めたやつが自分がやったって自ら言いに来るって。そして、ここに来たのはあなたじゃない。だから黒幕はあなたでしょ。あなたが取り巻き令嬢に指示して私の机においたんじゃない」
私は自信満々に言い切った。
「そんなメチャクチャな」
レベッカは口をパクパクしていた。こんな理由で断罪に逆襲されるなんて思ってもいなかったのだろう。
「メチャクチャだろうが、真実は真実よ」
私とレベッカは睨み合った。
取り巻き達は私の勢いに呆然として口出せない状態だった。
「ああ、お父様。侯爵家に逆らう娘をお許し下さい」
その時それまで黙っていたベッキーがおもむろに立上った。
「レベッカ様」
「何なのあなた?確か子爵令嬢か何かだったかしら」
レベッカの問に男爵家のベッキーは少しいらっとしたみたいだったが、
「私は男爵家ですが、まあ侯爵家の貴方様から見れば子爵家も男爵家も同じなのですね」
侯爵令嬢の周りの子爵男爵令嬢共に言い聞かせるように言う。
「で、その男爵令嬢が何なの」
「ベッキーです。あなた人の名前も覚えられないんですの、単細胞のリア以下ですわね」
「何ですって」
私とレベッカが何故か唱和していた。
「上に立つものがそれではまずいのではありませんか。あなたが馬鹿にするリアは貴族年鑑を丸暗記しているそうですよ」
「え、そんな馬鹿な」
レベッカは私の言葉を信じていなかった。
「まあ、それはどうでもいいんですけど、そもそもリアはご覧のように単純です」
何を言い出すのよ。ベッキーは。私は少しムカついた。
「もし、ハンナさんが気に食わなかったら、こんなまどろっこしいことせずに直接本人に文句言いにいきます」
「ハンナのペンダントが欲しかったんじゃないの。あのペンダント結構高価そうだから」
「レベッカ様。あなたリアの恰好見てこの子が貧乏だと勘違いしているみたいですけど、この子はセンスがないだけです」
「何言っているのよ。ベッキー、私もセンスはあるわよ」
「何言っているのよ、その真っ黒なジャージ、髪も黒目も黒服も黒って真っ黒クロスケじゃない」
「黒は汚れが目立たないのよ。それにこの服は私が必死に防御の加護かけたんだから、あんたらの着ている服よりも余程高価なんだから」
私は侯爵令嬢らに言い切った。
「えっ、そのジャージが?」
ベッキーが驚いて聞いた。
「だって、耐熱でしょ、耐火でしょ。対ショックに、防毒、耐寒・・・」
「ああもう判ったわ。あんな無駄な所に金使っているのね」
「自分でやったからただだけど・・・・」
「まあ良いわ。そう、レベッカ様がリアが金に目がくらんで取ったっておっしゃいますけど、リアに限ってはそんなのありえませんわ。リア、さっきの石」
私はベッキーの言葉に仕方無しにポーチを開けた。
「だって平気でこんな高価な魔石をポーチに入れて持ち歩いているくらいですよ」
ベッキーが魔石を手にとって周りに見せた。
きれいだ。
「えっ」
「すごい」
「金貨1000枚くらいするんじゃない」
周りから声が聞こえる。
「もっとすると思いますけど。あなたがつけているダイヤモンドよりも遥かに高価なのは確かです」
「な、何ですって」
レベッカは叫んだが、私は別にそんなものには興味はなかった。ジルおじさんがくれたから持っているだけだ。お金に困ったら換金できるし。
「遥かに高価なものも雑に扱っているリアが、高価だからってハンナのペンダントを取るわけ無いんです。それにもし取ってもこのポーチの中に入れると思いますよ。あんな目立つ机の上においておいて得するのはリアを貶めようとされたあなた達だけです」
ベッキーが言い切った。
「そう思うよね。皆」
ベッキーが回りに聞いた。
「ベッキーに賛成」
「どう考えてもリアは嵌められただけだ」
「そもそも単細胞なリアがそんなまどろっこしいことするわけ無いだろ」
「そうだ、そうだ」
周りから次々に私を援護してくれる声が聞こえた。
「み、皆」
私は思わず涙目になった。
「な、何ですって」
「レベッカ様、ここは一旦引かないと」
「そ、そうね」
貴族令嬢達は周りの平民たちの動きに慌てて逃げ出したのだ。
「ちょっと謝っていきなさいよ」
私の声を無視して。
私は皆に助けられてレベッカの攻撃を撃退できて清々していた。
しかし、これだけで終わるわけはなかった。
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リアの試練はまだまだ続きます。
次話明朝更新予定
しかし、リアに酷いことをすればするほど自分の首を締めていくような・・・・
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