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途中で公爵令嬢と侯爵令息を誘わざるおえなくなりました
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「やあ、二人とも、こんなところでどうしたの?」
私らの声でメルヴイン様が気付いたのだ。
「それはこっちのセリフだ。通用門でコソコソ何しているんだ」
カートが聞く。
「コソコソなんてしてないよ。学園に行こうとしていたら、通用門にいるプリシラを見たからどうしたのかなって」
あれえ、メルヴイン様がプリシラさんを呼び捨てにしている。二人はそう言う関係なのだろうか。私は興味津々で二人を見た。
プリシラさんは困った顔をして私達を見ていた。
「あ、御免、君等はアボット公爵家の令嬢のプリシラは知っているよね。うちの家の隣で幼馴染なんだ」
「えっ、じゃあ私達みたいな感じですね」
「えっ、君たちほど親しくないよ」
赤くなって慌ててメルヴィン様が否定する。
その否定するメルヴィン様を見るプリシラさんの目が少し悲しそうな気がするのは気のせいだろうか。
「彼は王子の知り合いでカート君」
「えっ、カート様ですか?」
プリシラは何故かまじまじとカートを見ている。
「プリシラ様。はじめまして」
カートがにこやかな笑みを浮かべて手を差し出した。
うーん、コヤツはきれいな女の子には甘いのかも。
胸も私に比べてプリシラさんの方が大きいし。
「あっ、はじめまして?」
何故かプリシラさんは不思議そうな顔をしてカートを見ている。
「オーレリアさんは知っているよね」
メルヴィン様が私も紹介してくれた。
「この前は弾き飛ばしたりして、本当にすいませんでした」
私が頭を下げる。
「えっ、ああ、本当にあの時は死ぬかと思いました」
青くなってプリシラさんが言う。
「本当にごめんなさい」
私が再度頭を下げる。
「えっ、リア、プリシラ様も弾き飛ばしたの?」
カートが慌てて聞いた。
「だって王子と一緒にいたから、ここはドラゴンの角のためには仕方がないって」
私は頭を掻いて言う。
「男ならいざしらず、こんなか弱い女の子を弾き飛ばすなんて」
カートが非難してくる。
「えーーー!それはそうだけど」
「リア、同じ女だとは言え、お前とは違うんだから」
「何もそこまで言う事無いじゃない。どうせ私はガサツで女らしくないですよ」
私はいじけてしまった。
「えっ、そんな事ないですよ。今日のその格好はとても可愛いですし」
プリシラさんがフォローしてくれた。
「ありがとう。プリシラさん。あなた優しいのね」
私は思わずプリシラさんの手を握った。
「えっ」
プリシラさんはいきなり迫られて思わず、身を引きそうになった。
「リア、いきなり距離詰めすぎ」
カートが注意してきた。
「あっ、ごめんなさい」
慌てて手を離す。
「えっ、私もいきなりで少し驚いただけで」
プリシラさんが言ってくれる。
「本当にオーレリアさんは面白いね」
メルヴイン様が笑って言ってくれた。
「で、プリシラさんはどうしたの?」
「あのう・・・・実は・・・・」
「彼女はどうやらアリスター殿下から学園祭の参考にカフェにお忍びで下見に行こうと誘われていたらしいんだけど、殿下が仕事が入ってドタキャンになったらしいんだ」
メルヴィン様が要領よく説明してくれた。
「アリスターって第二よね」
「おいおい、お前、まさか、第一王子とと第二王子のの違いが判らないんじゃないだろうな」
「顔は判るけど名前までは」
カートは私の言葉に頭を抱えこんでしまった。
「だって王子には全然興味がないんだもの」
私はさも当然のように言った。
「あはははは。凄いよ、オーレリア嬢は本当に凄い」
メルヴィン様がその様子を見て吹き出した。
プリシラさんまで笑っている。何がそこまでおかしいんだろう。
「カート様も苦労なさりますね」
プリシラさんが訳の判らないことを言っていた。第一王子と第二王子の名前を覚えていなくてなんで、カートが苦労するんだろう?
「ドタキャンするなんて、第二王子は酷いやつね。せっかくプリシラさんがおしゃれして着飾ったのに」
「えっ、そんなに派手ですか? 出来る限り地味な平民の格好したつもりなんですけど」
慌ててプリシラさんが言った。
「えっ。それで地味なの・・・・・」
私は絶句してしまった。細かいレース編みが装飾についたブラウスは高価そうだし、スカートも色々と装飾がついて庶民では買えないだろう事は全くの門外漢の私にも判った。
プリシラさんと並び立つと目一杯おしゃれした私が、全く地味な格好になってしまったのだ。
「まあ、リア、そう落ち込むな。相手は一応この国の3大貴族のご令嬢だから」
「そうだよ。オーレリア嬢。オーレリア嬢もその格好十分に可愛いよ。ねえ、カート」
カートとメルヴィン様で慰めてくれるが、うーん、なんかますます惨めになるだけだ。
よし、もう服については考えるのはやめよう。元々ジャージだし・・・・。
私はベッキーが聞いたら怒りそうな事を平然と考えていた。
「カフェに行くなら、私達これからカフェに行くからメルヴィン様と一緒に来る?」
私が聞いていた。
「えっ、でもそんな、お二人に悪いですし、メルヴィン様もお忙しいかと」
プリシラさんが遠慮しようとした。
「私達は問題ないわよね。カート。また奢ってもらうし」
「おいおい、何回奢らせるつもりだよ」
「えーー。別にいいじゃん。嫌なら他の奴に頼むけど」
「はっ、どういう事だ、リア」
私の言葉にカートは焦りだした。そうよ。私も最近は人気あるんだから。
「オーガストとか雑用要員で副委員長にしたのよね。雑用ばかりさせると怒るかも知れないからたまには餌も必要かも」
「ちょっと待て、そうするとお前が奢るのか」
「えっ、やっぱそうなるよね。普通世話になったほうが奢るんだよね。いつもカートに奢ってもらっているから変だと思っていたんだ」
「ま、どっちにしろお前が男相手に奢ったり奢られたりするのは禁止」
カートが言い切った。何の権限があってそう言う?
「えーーーなんで。それ横暴」
「じゃあ俺が他の令嬢相手に奢っても良いのかよ」
「えっ、それは嫌」
私は即座に言った。それは本当に嫌だ。
「ほら見ろ」
自慢気に言うカートに私は何も言えなかった。
そして、残りの二人は私達の言い合いをただ、見ているだけだった。
「本当にお二人って仲いいんですね」
「えーーー、そんな事無いよ。この前もケンカしたし」
「あれは謝っただろ」
「まあまあ、二人共その辺りで。実は僕は図書館で少し調べ物があるんだよね」
メルヴィンの言葉に急にプリシラさんは悲しそうな顔になる。
{メルヴィン様。そんなの明日以降にしてもいいじゃありませんか。せっかくプリシラさんが行きたそうにしていらっしゃるのに}
私がフォローする。
「えっ、でもメルヴィンの調べ物って月曜日提出の宿題じゃ・、痛い」
カートが足を押さえてしゃがみこんだ。
余計なことを言うカートの脚を私が蹴飛ばしたのだ。
「宿題なんて、可愛いプリシラさんが悲しまれることに比べたら全然問題ないですよね」
私が言うと
「えっ、プリシラって殿下と行けないから悲しんでいるんじゃないの」
「いえ、殿下は言われたから仕方なくご一緒することにしただけで、私もメルヴィン様とご一緒できたら嬉しいです」
「まあ、プリシラが俺と一緒でいいんなら、良いけど」
メルヴィン様が頷いてくれた。
「そうと決まったら行きましょう。カート、いつまで痛がっているの?」
「お前が脚の急所を思いっきり蹴飛ばすからだろう」
「カートが変なこと言うからでしょ。ほら、あの二人嬉しそうじゃない」
私は歩き出した二人を後ろから見て言った。
「そうか」
「そうよ。さ、さっさと行くわよ」
「へいへい」
私はカートを引っ張って歩き出した。
私らの声でメルヴイン様が気付いたのだ。
「それはこっちのセリフだ。通用門でコソコソ何しているんだ」
カートが聞く。
「コソコソなんてしてないよ。学園に行こうとしていたら、通用門にいるプリシラを見たからどうしたのかなって」
あれえ、メルヴイン様がプリシラさんを呼び捨てにしている。二人はそう言う関係なのだろうか。私は興味津々で二人を見た。
プリシラさんは困った顔をして私達を見ていた。
「あ、御免、君等はアボット公爵家の令嬢のプリシラは知っているよね。うちの家の隣で幼馴染なんだ」
「えっ、じゃあ私達みたいな感じですね」
「えっ、君たちほど親しくないよ」
赤くなって慌ててメルヴィン様が否定する。
その否定するメルヴィン様を見るプリシラさんの目が少し悲しそうな気がするのは気のせいだろうか。
「彼は王子の知り合いでカート君」
「えっ、カート様ですか?」
プリシラは何故かまじまじとカートを見ている。
「プリシラ様。はじめまして」
カートがにこやかな笑みを浮かべて手を差し出した。
うーん、コヤツはきれいな女の子には甘いのかも。
胸も私に比べてプリシラさんの方が大きいし。
「あっ、はじめまして?」
何故かプリシラさんは不思議そうな顔をしてカートを見ている。
「オーレリアさんは知っているよね」
メルヴィン様が私も紹介してくれた。
「この前は弾き飛ばしたりして、本当にすいませんでした」
私が頭を下げる。
「えっ、ああ、本当にあの時は死ぬかと思いました」
青くなってプリシラさんが言う。
「本当にごめんなさい」
私が再度頭を下げる。
「えっ、リア、プリシラ様も弾き飛ばしたの?」
カートが慌てて聞いた。
「だって王子と一緒にいたから、ここはドラゴンの角のためには仕方がないって」
私は頭を掻いて言う。
「男ならいざしらず、こんなか弱い女の子を弾き飛ばすなんて」
カートが非難してくる。
「えーーー!それはそうだけど」
「リア、同じ女だとは言え、お前とは違うんだから」
「何もそこまで言う事無いじゃない。どうせ私はガサツで女らしくないですよ」
私はいじけてしまった。
「えっ、そんな事ないですよ。今日のその格好はとても可愛いですし」
プリシラさんがフォローしてくれた。
「ありがとう。プリシラさん。あなた優しいのね」
私は思わずプリシラさんの手を握った。
「えっ」
プリシラさんはいきなり迫られて思わず、身を引きそうになった。
「リア、いきなり距離詰めすぎ」
カートが注意してきた。
「あっ、ごめんなさい」
慌てて手を離す。
「えっ、私もいきなりで少し驚いただけで」
プリシラさんが言ってくれる。
「本当にオーレリアさんは面白いね」
メルヴイン様が笑って言ってくれた。
「で、プリシラさんはどうしたの?」
「あのう・・・・実は・・・・」
「彼女はどうやらアリスター殿下から学園祭の参考にカフェにお忍びで下見に行こうと誘われていたらしいんだけど、殿下が仕事が入ってドタキャンになったらしいんだ」
メルヴィン様が要領よく説明してくれた。
「アリスターって第二よね」
「おいおい、お前、まさか、第一王子とと第二王子のの違いが判らないんじゃないだろうな」
「顔は判るけど名前までは」
カートは私の言葉に頭を抱えこんでしまった。
「だって王子には全然興味がないんだもの」
私はさも当然のように言った。
「あはははは。凄いよ、オーレリア嬢は本当に凄い」
メルヴィン様がその様子を見て吹き出した。
プリシラさんまで笑っている。何がそこまでおかしいんだろう。
「カート様も苦労なさりますね」
プリシラさんが訳の判らないことを言っていた。第一王子と第二王子の名前を覚えていなくてなんで、カートが苦労するんだろう?
「ドタキャンするなんて、第二王子は酷いやつね。せっかくプリシラさんがおしゃれして着飾ったのに」
「えっ、そんなに派手ですか? 出来る限り地味な平民の格好したつもりなんですけど」
慌ててプリシラさんが言った。
「えっ。それで地味なの・・・・・」
私は絶句してしまった。細かいレース編みが装飾についたブラウスは高価そうだし、スカートも色々と装飾がついて庶民では買えないだろう事は全くの門外漢の私にも判った。
プリシラさんと並び立つと目一杯おしゃれした私が、全く地味な格好になってしまったのだ。
「まあ、リア、そう落ち込むな。相手は一応この国の3大貴族のご令嬢だから」
「そうだよ。オーレリア嬢。オーレリア嬢もその格好十分に可愛いよ。ねえ、カート」
カートとメルヴィン様で慰めてくれるが、うーん、なんかますます惨めになるだけだ。
よし、もう服については考えるのはやめよう。元々ジャージだし・・・・。
私はベッキーが聞いたら怒りそうな事を平然と考えていた。
「カフェに行くなら、私達これからカフェに行くからメルヴィン様と一緒に来る?」
私が聞いていた。
「えっ、でもそんな、お二人に悪いですし、メルヴィン様もお忙しいかと」
プリシラさんが遠慮しようとした。
「私達は問題ないわよね。カート。また奢ってもらうし」
「おいおい、何回奢らせるつもりだよ」
「えーー。別にいいじゃん。嫌なら他の奴に頼むけど」
「はっ、どういう事だ、リア」
私の言葉にカートは焦りだした。そうよ。私も最近は人気あるんだから。
「オーガストとか雑用要員で副委員長にしたのよね。雑用ばかりさせると怒るかも知れないからたまには餌も必要かも」
「ちょっと待て、そうするとお前が奢るのか」
「えっ、やっぱそうなるよね。普通世話になったほうが奢るんだよね。いつもカートに奢ってもらっているから変だと思っていたんだ」
「ま、どっちにしろお前が男相手に奢ったり奢られたりするのは禁止」
カートが言い切った。何の権限があってそう言う?
「えーーーなんで。それ横暴」
「じゃあ俺が他の令嬢相手に奢っても良いのかよ」
「えっ、それは嫌」
私は即座に言った。それは本当に嫌だ。
「ほら見ろ」
自慢気に言うカートに私は何も言えなかった。
そして、残りの二人は私達の言い合いをただ、見ているだけだった。
「本当にお二人って仲いいんですね」
「えーーー、そんな事無いよ。この前もケンカしたし」
「あれは謝っただろ」
「まあまあ、二人共その辺りで。実は僕は図書館で少し調べ物があるんだよね」
メルヴィンの言葉に急にプリシラさんは悲しそうな顔になる。
{メルヴィン様。そんなの明日以降にしてもいいじゃありませんか。せっかくプリシラさんが行きたそうにしていらっしゃるのに}
私がフォローする。
「えっ、でもメルヴィンの調べ物って月曜日提出の宿題じゃ・、痛い」
カートが足を押さえてしゃがみこんだ。
余計なことを言うカートの脚を私が蹴飛ばしたのだ。
「宿題なんて、可愛いプリシラさんが悲しまれることに比べたら全然問題ないですよね」
私が言うと
「えっ、プリシラって殿下と行けないから悲しんでいるんじゃないの」
「いえ、殿下は言われたから仕方なくご一緒することにしただけで、私もメルヴィン様とご一緒できたら嬉しいです」
「まあ、プリシラが俺と一緒でいいんなら、良いけど」
メルヴィン様が頷いてくれた。
「そうと決まったら行きましょう。カート、いつまで痛がっているの?」
「お前が脚の急所を思いっきり蹴飛ばすからだろう」
「カートが変なこと言うからでしょ。ほら、あの二人嬉しそうじゃない」
私は歩き出した二人を後ろから見て言った。
「そうか」
「そうよ。さ、さっさと行くわよ」
「へいへい」
私はカートを引っ張って歩き出した。
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