好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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侯爵令息と公爵令嬢は私と閉じ込められて良い仲になりました。

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あれから一週間がたった。

プリシラさんとは少しは親しくなれたが、学園では彼女はSクラス。食堂もお貴族様専用食堂でなかなか会う機会もない。廊下とかで見る限り、あのいけ好かない第2王子の相手をさせられていることが多いみたいだ。

日曜日の感じだと、プリシラさんはメルヴィン様に好意を寄せているみたいだが、王子は気の強いレベッカよりもプリシラさんに好意を寄せているみたいだ。ま、レベッカは私が見ても怖いから、さすがの俺様王子も苦手にしているようだ。

できたら助けてあげたいが、王子にあんまり近づきたくない。ここは部外者として傍観しているのが良いだろう。それに、これ以上、王子に睨まれるのも嫌だし。

あんまり考えると良心の呵責を感じるのでここは無視しようとしたのだ。私としては・・・・
でも、巻き込まれることになったのだ・・・・




授業では、始業から1週間で怒涛のごとく問題を起こしまくったが・・・・最近は珍しく静かだ・・・???

いやいやこれが本来の私の姿なのだ。皆に言ったら嵐の前の静けさだとか、皆が慣れてしまったから問題が起こってもそれを問題だと思わなくなったからだとかメチャクチャな言われようなのだが・・・・

解せぬ!


あれから授業で立たされることはない。何でも先生方の間で、私に対するマニュアルなるものが存在するらしい。

私が寝ていても絶対に素手では叩いてはいけないとか、廊下に立たせて、他クラスに迷惑をかけるといけないので、立たせるのは教室の中限定にせよとか、魔術を使わせる時は必ず先生の直ぐ側でさせ、目を離さないこととか、何かとんでもないことばかりだ。


まあ、実際に色々やらかしている身としては文句は言えないが・・・・


「そのおかげで大問題が起こっていないんじゃない?」
ベッキーの言葉に反論できなかった。



貴族たちの間でも、命が惜しければ、どんなに腹を立てても私には関わるなと影で通達がされているみたいだ。

まあ、静かになって良いのは良いんだけど、何かムカつく。



それやこれやで学園ではお貴族様に絡まれることもなく、時たま隣の王子に絡まれるくらいで、静かになったので、普通に学園生活を楽しんでいる。


その日も放課後に図書館でも行って勉強しようかと廊下を歩いていると薬学準備室の鍵が開いていたのだ。


えっ? 何か良いものがあるかも知れない。

勝手に入ってはいけないと思いつつも、私は好奇心が押さえきれなかった。

入り口にはいろんな鉱石の標本があつた。大体見たことあるやつだ。

そして、その奥には薬草の標本が。

すごい、一覧になって壁一面に、飾ってある。

私にとってそこは天国だった。
私は夢中になって見ていて、勝手に入ったことなど忘れていた。


ガラガラガラ


そこに扉が開けられる音がした。

「えっ、やばい!」
私は先生が入ってきたのかと慌てて物陰に隠れた。



「あれっ、まだなのかな」
その声はメルヴィン様だった。

すわ、誰かと密会なのかと私は俄然興味を持った。

プリシラさんなら良いのに。

期待しつつ、じっと待っていると、扉が開いて、誰かが入ってきた。

「あれ、メルヴィン様」
この声はプリシラだ。すわ、逢引か、と思ったが、プリシラは不思議そうだ。

「どうしたの? こんな所に呼び出して」
「えっ、私は呼び出したりはしてませんけど」
訝しげにプリシラさんが言う。


「でも、薬学準備室でご相談したいことがありますってメモもらったんだけど。プリシラって書いてあるけど」
「えっ、そんなの知りませんよ」

プリシラさんが否定したときだ。入口の扉が閉められたのだ。

電気も消される。窓にカーテンが惹かれたこの部屋は日中でも電気がないと暗い。


「きやっ」
プリシラさんの悲鳴がする。

「プリシラ大丈夫か」
「メルヴィン様」

薄暗い中私が物陰から顔を出すと、二人が抱き合っているのがかすか見えた。

「大丈夫。誰かのいたずらだよ」
「でも、暗くて怖いです」
プリシラさんが震えているのが判った。

「大丈夫だから。プリシラ。本当に君は昔から暗いの苦手だね」
「女の子は誰でも苦手よ」
「まあ、そうだね。こんなの苦手でないのはオーレリアさんくらいだよ」
「本当ですね。彼女なら平気で暗闇の中でも平然としていそう」
二人が軽く笑うのが感じられた。

「悪かったですね。女らしくなくて」
「きゃっ」
私の声に驚いてプリシラさんが悲鳴をあげた。

そこにはヘッドライトを付けた私が立っていた。


「何してるんだ。こんなところで」
「薬草の見本があったから見てたんです。そうしたらあなた方が入ってきて抱き合ったんじゃないですか」

「だ、抱き合っているなんて!」
「俺達はそう言う関係じゃない」
真っ赤になったプリシラさんを慌ててメルヴィン様が躰を離そうとするが、

「いや、メル、怖いの」
プリシラさんが悲鳴をあげた。

「メルヴィン様。ここは男なんですから、どしっと構えて。ふるえる女の子を振り払うなんて最低です」
私が軽蔑していった。

「いや、まあ、そうなんだけど、冷静な君に見られると思うと。それにこんなことの噂が広まったらプリシラが困るだろう」
「そうですか。少なくともプリシラさんは喜ぶと思いますけど」
私が言葉をふると

「オーレリアさん。私は良いですけど、メルが困ると思います」
「いや、別に俺は君と噂になっても構わないよ」
「本当にメル」
暗闇の中で二人が見つめ合うのが見えた。

「最近、よそよそしいから他に好きな人ができたのかと」
「君こそ、最近、第2王子殿下と一緒によくいるじゃないか」
「あれは殿下の方が話しかけて来られるので、無視できなくて」
「じゃあ、殿下には僕の方からやんわり釘を刺しておくけどそれでいいの?」
「お願いします」
「プリシア}
「メル」
二人は思いっきり抱きしめあった。

「あのう」
それ以上見ていられなくて私が声をかけた。

「えっ」
「あっ」
私の声に二人は慌てて少し離れた。でも、手は握ったままだし、さっき、ふるえる女の子を振り払うのは良くないと言った手前仕方がないとしよう。


結局私の障壁で扉を吹っ飛ばす事になって、扉の前に何故かいたブリトニーとドロシアを巻き込んで扉を弾き飛ばした。



たまたま前にいただけだと必死に言い繕う二人も逃げられるわけはなく、結局扉を壊した私と
メルヴィン様とプリシラさんを二人きりにして醜聞を立てようとして、閉じ込めようとした犯人としてアビゲイル先生の補習を受けることになったのだった。

今回の黒幕も第二王子と親しいプリシラさんに嫉妬したレベッカに違いないのに、レベッカがお咎めなしだとは私は納得いかなかったが。

まあ、それ以来、メルヴィン様とプリシラさんの仲が良くなって良しとしよう。
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