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カフェでカートに食べさせして公爵令嬢と侯爵令息の目を丸くさせました

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「あっ、ここだ」
カートが私が好きなカフェの扉を押した。

「ここのチョコパフェが絶品なの」
私は急に機嫌が良くなった。

店はまだ空いていたし、ここの店員はさっきの店と違ってきさくだ。

「あっ、プリシラさん。ここの店の店員は気さくだからね。あまり参考にならないかも」
「お客様。何が参考にならないのですかな」
店長が出てきて、私に白い目を向けてきた。

「やーだ、店長。ここのチョコパフェは絶品だって今も友達におすすめしていたんだから」
私は必死に誤魔化す。

「その後の参考にならないというお言葉の意味が知りたいんですけど」
「えっ、いや、貴族街に新しくできた水の上にあるカフェの店員の態度が悪かったから、ここなら大丈夫だって話よね」
「そうそう、みんな、あんな感じではないって話で」
私は言いながらカートの脇腹をつついて、カートに誤魔化すのを手伝わせた。

「まあ、良いでしょう。あの店の貴族以外への接客は酷いものがありますからね。その点我が店は全ての方がお貴族様も平民の方もなく、皆平等なんです」
店長は自信満々に言った。そうここの店長も気に食わない客には売らないのだ。たとえ男爵であろうとも。ジルおじさんもここのお得意様で、いけ好かない貴族はおじさんが叩き出している。ジルおじさんってどれだけ強いんだろう?



「で注文はいかがされますか」
店長が改まって聞いてきた。

「じゃあ私はチョコパフェスペシャルで」
「じゃあ私も同じもので」
「俺は今話題のコーヒーで」
「じゃあ俺も」
店長に注文する。

「えっ、メルヴィン様はチョコパフェ食べないんですか」
私が驚いて聞いた。カートは私のをたかる気満々なのだが、メルヴイン様もプリシラさんのをたかる気なんだろうか。

「俺、甘いものはもう一つなんだよね」
「そうなんですね」
私は納得した。男はジルおじさんみたいに甘党は少ないのかも知れない。


「それよりもオーレリアさん。俺の様はとってよ」
「えええ。だってお得意様ですから」
「ちょっと待て、お得意様なら俺もそうなんじゃないのか」
カートが言って来る。

「だってカートは薬草採取に来てくれる時の報酬代わりにポーション渡していてほとんど買ってくれていないじゃない」
「ま、そうだけど」
「カート様って呼ばれたい?」
「いや良い。リアにそんなふうに呼ばれたら後が怖そう」
「どういう意味よ」
私がムッとして言ったとき。

「おまたせしました」
店長が巨大なパフェを持ってきた。大きな器にこれでもかとチョコレートとアイスクリームが載っている。

「当店自慢のチョコパフェスペシャルです」
「凄い」
プリシラさんの目が点だ。

「ふふんっ。これ、これが食べたかったの」
私は早速スプーンをアイスクリームの山に突っ込んだ。

そして、スプーンに山盛りのアイスクリームを口に入れる。

「うーん、美味しい」
私はアイスクリームが口の中で蕩けるのを楽しんだ。

「そんなに美味いのか」
コーヒーを片手にカートが聞いてくる。

「うん。本当に美味しい。そんな顔してもあげないんだから」
私が言うと、

「誰の金で食べていると思っているんだよ」
カートが言ってくる。

「仕方がないわね」
私はチョコレートとアイスをスプーンですくってカートの口の中に入れた。

「うん、美味い。もう少し」
「えええ、減るからやだ」
私は次にすくったチョコパフェを自分の口に入れた。

「ん、どうかしました?」
私は横を見て、メルヴイン様とプリシラさんが固まっているのが見えた。
プリシラさんは真っ赤になっている。

「オーレリアさん、カート様に食べさせして・・・・」
「えっ、食べさせって、味見よね。だってスプーン一つしか無いし」
私が言い訳する。

「だってカート様と間接キスしてたし」

「えっ、間接キスって、そんなものじゃないでしょ」
私が言い切る。

「そうそう、だってリアがポーション作っていて両手塞がっているときなんか俺がご飯食べさせているし」
カートも言ってくれる。

「プリシラさんもなんなら、メルヴィン様に味見してもらったら」
私がふると

「えっ、そんなとんでもない」
真っ赤になったプリシラさんが慌てて首を振った。

「えーー。メルヴィン様も味見したいですよね」
「いやいや、僕らは君たちみたいにまだ、そこまで親密でないし」
「ふーん、そうなんですか」
私が残念そうに言った。

味見させるくらい普通だと私は思ったが、私達って特別なんだろうか?


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ここまで読んで頂いてありがとうございます。

次回は明日更新で。
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