好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
49 / 144

メイド喫茶の接客マニュアル修正中に第二王子に再び勝利宣言で挑発されました

そして、翌日の放課後、

「何よこれ!」
「うそ!」
「・・・・」
男どもが作ってきたマニュアル見て私達は絶句した。
案の定男共のマニュアルはまったくもって信じらないものだった。


「えっ、ちゃんと考えてきたのに」
オーガストが不満そうに言うが・・・・

「どこがよ。『ご主人さま、おかえりなさいませ』と言って三指ついて挨拶するって、どこに三指付くのよ。私達に地面に土下座させるつもりなの!」
「いや、そうじゃなくて、気分だよ」
「判った。じゃあ男共はそのままそうしなさい」
「えっ、いや、ちょっとそれは・・・・」
ベッキーの言葉にザカリーが思わず口を出す。

「それに、何よ、これ」
「えっ、何々、客の求めに応じてクッキーを食べさせる・・・・」
ヒルダが真っ赤になって固まった。

「いや、してもらったら嬉しいなって」
オーガストが恐る恐る言う。

「そんなのできるわけ無いでしょ。こんな事、人まえで出来るのはリアのとこのバカップルくらいよ」
「ちょっと、ベッキー、どういうことよ。私も知らない人にするの嫌よ」
「えっ、知っている人ならするの?」
私の言葉に驚いてベッキーが聞いてきた。

「えっ、病人の人とか、けが人の人とかは仕方がないじゃない」
「そらあ、そうだけど」
私の言葉にベッキーのトーンが下がる。

「あと、全然御飯食べないハンスにはたまに口の中に突っ込むし、ジルおじさんには珍しい薬草、食べさせしてくれたらやるって言われてやったことある」
「あんた、物で釣られるのね」
私の告白に呆れてベッキーが言った。

「えっ、そんな事無いよ」
「ま、良いわ」
私は反論したが、無視された。


「取り敢えず、これは却下よ。却下。もう良いわ。私達で考えるから」

ということでお針子組以外で考えることにしたのだが、なかなかいい案は出てこない。

「『お帰りなさいませ。ご主人さま』って必ず言わないといけませんの」
ブリトニーが聞いてきた。

「だって男共がそれは譲れないっていうんだから仕方がないじゃない」
「そうだ。そこは絶対だ」
男共は遠くで叫んでいる。

「だって知らない人に言うなんて恥ずかしいですわ」
ブリトニーはそう言うが、絶対に自分よりも身分の下のやつに言いたくないだけだ。

「そこは良いのよ。なによ、この濡れタオルを差し出すっていうのは。どう考えても嫌だわ」
ドロシアが言う。

「まあ、そこは省くとして、濡れタオル準備するのも大変だし」
容赦なく、ベッキーが削っていく。

「えっ」
遠くから見ている男達が嫌がるが

「何か文句あるの?」
ベッキーの発する冷たい視線の前に黙り込む。
最初は紳士だと思ったザカリーもその中にいるので、やはり所詮男は男なのだとよく判った。カートもそうなんだろうか?
無性に不安になる。


「リア、少し匿って」
そこへ扉を開けてプリシラが入ってきた。
プリシラは完全な公爵令嬢の出で立ちだ。モスグリンの衣装がよく似合っていた。

「まあ、プリシラ様」
「どうなさいましたの」
プリトニーとドロシアがいきなり貴族モードに変わってお迎えする。

プリシラを閉じ込めたくせに、よくブリトニーとドロシアはプリシラにあわせる顔があるものだ。さすが貴族令嬢は面の皮が厚いのだ。と私は感心して見ていた。

「もう、本当に大変なのよ。練習疲れちゃって」
そう言うとプリシラはその正装のまま私の横にちゃっかりと座れこんだ。
プリシラとはあれから結構仲良くなったのだ。

「どんな事しているの?」
私が聞くと

「貴族喫茶って大変なのね。何でも来る庶民を横行にお出迎えしなければいけないんだって。『皆の者、よく来てくれたわね。仕方がないからお貴族様の私が、お相手してあげるわ』って感じなのよ。そんなので誰が来てくれるのかしら?」
「えっ、そんな感じなんですか」
プリシラの言葉にベッキーが尋ねていた。


「もう、酷いのなんのって。殿下も俺と話せたら幸せだろうって言うんだけど、それは王子様と話せる機会はないから嬉しいかも知れないけれど、公爵令嬢と話せてもねえええ?って感じじゃない」
「そんな事ないですわ」
「プリシラ様と話せたらこれほど嬉しいことはございません」
ブリトニーとドロシアが言うが、

「こう言うお貴族様からの需要はあるみたいよ」
私が言う。

「うーん、でも、こちらはスケスケの衣装着てお出迎えするんですって。男子生徒たちが絶対行くって喜んでいたわよ」
「ほら見ろ、需要はあるだろ」
横からオーガストが乗り出して言ってきた。

「あんたは黙っていなさい」
ベッキーが一撃で黙らせる。

「あの衣装は流石に着れないわよ。今、ハンナらが直してくれているの」
「やっぱりそうなんだ。流石にそんな衣装着れないわよね。私もこの衣装着たくないのに。せっかく学園にいる間くらい、肩の凝らない制服着ていられるのに、なんでこんなの着なければいけないのよ」
プリシラはブツブツ文句を言った。

「良かった。お貴族様でなくて。私そんなの着ていたら死んでしまうわ」
私が小さい声で言うと

「あなたは少し練習したほうが良いわよ。だってサマーパーティーもあるし」
「えーー、そんなの着なければいけないの? なんか出るのが嫌になってきた」
「じゃあ、あなたのカートの横に他の人がいても良いの?」
私の不平にプリシラが突っ込む。

「それはやだ」
「じゃあ練習しなさいよ」
「うーん」
そう、二人で話しているときだ、


「あ、アボット嬢、このようなところにいたのか」
「殿下」
窓から第2王子が覗いていた。

「まあ、殿下、凛々しいお姿ですわ」
「本当にお似合いで」
ブリトニーとドロシアが褒める。

「うん、そうか」
第二王子が顔をほころばして照れる。

「それよりも破壊女、今回はかならず勝つからな」
私を見て言ってきた。
プリシラの影に隠れたつもりなのに、見つかってしまった。

「殿下。ブリトニー様とドロシア様同様、一同で喜んで迎え撃たせていただきますわ」
私が余計な事を言う前にベッキーが言っていた。

「えっ」
「いや、殿下」
その言葉にブリトニーとドロシアが慌てるが、

「よし、その挑戦、受けて立ってやる。後で泣き面を見るなよ。プリシラ嬢。敵の中におらずともさっさと準備をしようではないか」
王子は闘志満々に言って、嫌がるプリシラを無理やり連れて行った。


「よし、皆やるわよ」
ベッキーはやる気満々だ。

「そんな」
「あれじゃあ、殿下に逆らったみたいじゃない」
しょんぼりするブリトニーらの尻を叩いて皆の意見を次々に出させていく。

うーん、私はどっちでも良いのに・・・・
感想 37

あなたにおすすめの小説

婚約破棄、しません

みるくコーヒー
恋愛
公爵令嬢であるユシュニス・キッドソンは夜会で婚約破棄を言い渡される。しかし、彼らの糾弾に言い返して去り際に「婚約破棄、しませんから」と言った。 特に婚約者に執着があるわけでもない彼女が婚約破棄をしない理由はただ一つ。 『彼らを改心させる』という役目を遂げること。 第一王子と自身の兄である公爵家長男、商家の人間である次期侯爵、天才魔導士を改心させることは出来るのか!? 本当にざまぁな感じのやつを書きたかったんです。 ※こちらは小説家になろうでも投稿している作品です。アルファポリスへの投稿は初となります。 ※宜しければ、今後の励みになりますので感想やアドバイスなど頂けたら幸いです。 ※使い方がいまいち分からずネタバレを含む感想をそのまま承認していたりするので感想から読んだりする場合はご注意ください。ヘボ作者で申し訳ないです。

【完結】魔女令嬢はただ静かに生きていたいだけ

⚪︎
恋愛
 公爵家の令嬢として傲慢に育った十歳の少女、エマ・ルソーネは、ちょっとした事故により前世の記憶を思い出し、今世が乙女ゲームの世界であることに気付く。しかも自分は、魔女の血を引く最低最悪の悪役令嬢だった。  待っているのはオールデスエンド。回避すべく動くも、何故だが攻略対象たちとの接点は増えるばかりで、あれよあれよという間に物語の筋書き通り、魔法研究機関に入所することになってしまう。  ひたすら静かに過ごすことに努めるエマを、研究所に集った癖のある者たちの脅威が襲う。日々の苦悩に、エマの胃痛はとどまる所を知らない……

【完結】前提が間違っています

蛇姫
恋愛
【転生悪役令嬢】は乙女ゲームをしたことがなかった 【転生ヒロイン】は乙女ゲームと同じ世界だと思っていた 【転生辺境伯爵令嬢】は乙女ゲームを熟知していた 彼女たちそれぞれの視点で紡ぐ物語 ※不定期更新です。長編になりそうな予感しかしないので念の為に変更いたしました。【完結】と明記されない限り気が付けば増えています。尚、話の内容が気に入らないと何度でも書き直す悪癖がございます。 ご注意ください 読んでくださって誠に有難うございます。

モブ令嬢、当て馬の恋を応援する

みるくコーヒー
恋愛
侯爵令嬢であるレアルチアは、7歳のある日母に連れられたお茶会で前世の記憶を取り戻し、この世界が概要だけ見た少女マンガの世界であることに気づく。元々、当て馬キャラが大好きな彼女の野望はその瞬間から始まった。必ずや私が当て馬な彼の恋を応援し成就させてみせます!!!と、彼女が暴走する裏側で当て馬キャラのジゼルはレアルチアを囲っていく。ただしアプローチには微塵も気づかれない。噛み合わない2人のすれ違いな恋物語。

断罪中、味方が多すぎて王子が孤立している件について

夏乃みのり
恋愛
バーンスタイン伯爵家の令嬢ラミリアは、魔力も剣の才能もない「ごく普通」の地味な女性。 ある日のパーティーで、婚約者であるジェラルド第二王子から「地味で無能で嫉妬深い」と罵られ、身に覚えのない罪で婚約破棄を突きつけられてしまう。 しかし、断罪劇は予想外の展開へ。

【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!? バッドエンドだらけの悪役令嬢。 しかし、 「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」 そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。 運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語! ※完結済です。 ※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///) ※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。 《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます

宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。 さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。 中世ヨーロッパ風異世界転生。

【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた

22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。