好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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第一王子視点6 リアと喧嘩しました

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俺は、学園に入ってリアがクラスに溶け込めるかどうかとても気になっていた。

しかし、俺の心配に反して、リアはクラスにはあっという間に溶け込んでいた。と言うかいきなりオリエンで第二王子を弾き飛ばして優勝して、平民の星みたいな感じで目立っていた。

しかし、貴族どもからしたら目障りな存在だろう。『打倒王子』のハチマキをしたりして、不敬だと早速一年のレベッカらに目をつけられたと報告が上がってきた。第二王子の取り巻きだ。

俺と第二王子とは、今は何故かうまく行っていた。おじが間に入って調整してくれたのもあるが、おそらく王妃が静かにしているからだと思う。

レベッカは侯爵家の令嬢で、うるさ型。早くも一年の貴族たちを従えていた。対するリアはおしとやかで大人しい・・・・訳はなく、やられたら物理攻撃では絶対に負けない。おそらく彼女の障壁が有る限り学園最強は揺るがない。何しろ騎士団の精鋭でさえ、彼女の障壁には弾き飛ばされているのだ。
ただ陰湿ないじめに対しては免疫が無いように思う。貴族の苛めは陰湿で、影に隠れてやる。明るく表裏の無いリアに果たして耐えられるのだろうか?

しかし、そんな心配も杞憂だった。
仕掛けられた罠も、声のでかさで撃ち破り、レベッカら集団攻撃に出た貴族令嬢達を返り討ちにしたのだ。ベッキーらは腹いせに副学長に訴えたが、逆にリアらに逆襲に合っていた。
この強さなら王宮でも十分に通用するんじゃ無いかと安心した。

リアはその後何故か廊下に立たされており、驚いて手を振ると、全く無視してくれた。まあ、それは良いのだがその後何故か給水タンクを壊して副教頭室を水浸しにしていた。何をしているんだ。折角逃げられたのにまた逆戻りしてアビゲイル先生に礼儀作法を指導されていた。

リアが心配で会いに行くと、心配になって色々言ってしまった。
切れたリアが食堂を出ていった。慌てて追いかけようとしてリアの張った障壁に激突してしまった。
顔をもろにぶつけたのでメチャクチャ痛い。リアの障壁がいかに強力か体で体感してしまった。


「リアは酷くないか?」
王子の部屋でメルヴィンに文句を言うが、それはカートが悪いんじゃないかと逆に言われてしまう。
確かに、リアは慣れない学園で、その中で精一杯やっていた。気も立っていただろう。俺が色々言うのは間違っていたかもしれない。

「そうだよな。判った。謝りに言ってくる」
「おい、今は無理だろ!明日朝一番で謝るようにすれば良いんじゃ無いか」
メルヴィンにそう言われたので、翌朝まで待つことにした。

リアが泣いているかも知れないと思うと、あんまり寝れなかった。でも、あのリアが泣くのか?スーパーウーマンのリアが。
その想いは翌朝、会ったリアの顔を見て真実だったと判った。酷い事をしたと思った。リアの目は腫れて赤くなっていた。ごまかしていたけど。
この学園で俺がリアを守らなくて誰が守るんだ。

俺は新たな決意をした。



「リア、昨日はゴメン」
俺はリアの前に頭を下げた。

「なんで謝るのよ」
リアがぶすっとして言う。

「いや、昨日は疲れているリアの気持ちも考えずに、一方的に色々話して悪かった。リアも色々と話したいこともあったと思うのに、何も聞かずにゴメン」
俺はリアに素直に謝った。

「私もいきなり立ち去ってゴメン」
リアは躊躇したみたいだが頭を下げてきた。

「いや、本当に俺が悪かった」
俺は再度頭を下げた。

通り過ぎる皆が興味津々にジロジロ見ていくが関係無い。俺は頭を下げ続けた。

「カート時間がないし、食堂行こう」
リアが我慢し続けるのは無理だったようだ。

「判った」
俺はリアの荷物を持って食堂に行った。取り敢えず食器を取ってリアを座らせる。

「カートのは?」
「俺はもう済ませている」
変装して朝一番で流し込んだのだ。

「さっ、リア、食べないと」
俺が言うと
「うーん、あんまり食欲がない」
「何言っているんだよ。昨日もあんまり食べていなかったろ。食べないと」
俺はそう言うとパンをちぎるとリアの口元に持っていった。

「ちょっと・・・・」

口を開けたリアの口にパンのかけらを放り込む。

「きゃっ」
周りの女の子らが声を上げるが、俺に取ってはどうでも良い。

「さっさと食べよう」
「ちょっと自分で・・・・」
抗議のためにリアが口を開ける口にまた放り込む。

「ちょっと恥ずかし・・・・」
その口にまた放り込む。

「何恥ずかしがっているんだよ。ポーション作っていて両手がふさがっている時は俺がこうして食わさせているだろう」

「いや、でもあれは周りにだれも・・・・」
リアが焦って抗議するが、構わずにほうりこむ。

「もう、ちゃんと食べるからもう食べさせないで」
俺は赤くなったリアにパンを取り上げられた。

「えっ、じゃあ許してくれる?」

「チョコパフェ奢ってくれたら考えても良い」
ブスッとしてリアが言った。

「はい、お姫様。仰せの通りに」
そう言って俺は頭を下げた。

そうしながらヨーグルトにスプーンを入れてリアの口の中に差し込んだ。

周りの女の子から黄色い悲鳴が沸き起こり、男どもからは白い視線が送られていたが俺は無視してヨーグルトを食べさせ続けた。


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