好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
95 / 144

表彰式で皇帝からも祝辞をもらいました

しおりを挟む
その後、盛大な表彰式が行われた。

壇上の前に私達は整列する。

でも、なんかオリエンの時と比べて全然違う。なんか警備が物々しい。要人が来ているのだろうか?

よく見ると見知った騎士が所々にいるではないか。

皆、私を見ると手を振ったりウインクしてきたりする。

「ねえ、あれ国王陛下よ」
ヒルダが言った。その声の方を見ると、たしかに年鑑で見た事のある国王がいた。

「なんか決勝戦も見ていたそうよ」
ベッキーが訳知り顔で言う。

「えっ、ちょっと待ってよ。じゃあ私が第一王子に抱きついたのも見られていたの」
私は焦って聞いた。

「あれは作戦だって判っているわよ」
「でもなんか、コニーの視線が怖かったんだけど」
試合の終わったあとのコニーの鋭い視線は本当に怖かった。

「良いのよ。わかんないやつは放っておきなさい」
ベッキーは他人事だから良いが、私は当事者なのだ。また、あのお貴族様軍団に虐められたらどうしてくれるのだ。

最もベック伯爵令嬢は、あれ以来、私を見ると必死に逃げていくのだが・・・・・。それも化け物を見たみたいに驚いてから逃げ出すのはやめてほしい。
最近は『切り裂き女』という、訳の判んない二つ名も出回っているのだが、誰よ! そんなあだ名を私につけたのは。私は人を切り裂いたことはないわよ。神に誓って。


「あれ、陛下の横は誰?」
「王妃様じゃない」
ベッキーが私を馬鹿にしていった。

「そんなの判っているわよ。見た目も怖い王妃様でしょ」
私の言葉に私の周りがぎょっとして私を見る。特に他クラスが。私のクラスの皆はもう私の失言グセは判っているので、またかという感じだ。

私も皆の反応は無視して、
「その横よ」
とベッキーに示す。

「えっ、本当ね。誰だろう、あれ?」
国王の席と同列の位置に椅子が置かれており、国王と同じような年齢の男が座っていたのだ。それも顔は精悍だ。どこかの傭兵だろうか。

「でも、どこかで見たことがあるような気がするのよね」
私が言う。

「誰かに似ているというのではなくて」
「うーん、あれっ、その後ろに剣のおじちゃんがいる」
「本当ね」
「あっ、判った。さっき挨拶された煙男のお父さんだ」
「煙男のお父さん?」
ベッキーはまじまじと椅子に座っている男を見た。

「皆さん。本日はクラス対抗戦、お疲れさまでした。本日はこの試合を見に、国王陛下と帝国から皇帝陛下にお出でいただき、ご観覧いただきました」

「えっ」
私達はぽかんと皇帝陛下を見た。

「ということは煙男って帝国の皇子だったの?」
私は呆然とした。

散々失礼なことを言っていたような気がする。
後でそうベッキーに言ったら、
「あんたは自国の殿下に対しても、同じように、散々失礼な事を言っているんだから、別に良いんじゃない」
と言われてしまった。

いや、あそこまで酷くは言っていない・・・・つもりだ。


「最初に、我が国の国王陛下より、お言葉を賜りたいと思います」
学園長の言葉に国王陛下が立上った。

「学園の皆さん。昨日、今日と熱戦ご苦労さま。私も思わず、20年前のことを思い出してしまった。私もこんな時があったんだなと。
私は今日の決勝戦しか見ていないが、優勝した1年A組の工夫をこらした戦い方に感服した。こんな手もあったんだと。
聞く所によるとA組は対戦相手によって戦う方法を変えたと、これも普通にできることではない。
また、初戦で三位の騎士薬師クラスを撃破した方法を聞いて思わず笑ってしまった私を許してほしい。騎士志望の者には、各騎士団長があんな初歩的な手に引っかかるなんて、一から鍛え直しだと怒っていたことだけを伝えておこう」
その言葉に騎士クラスの生徒達が悲鳴をあげていた。

「まあ、我が息子二人にしてもしかりだ。もう一度一からしっかりと鍛え直してほしい。
1年A組の諸君にはよく頑張ったとその努力に褒めておく。1年生が優勝するなど並大抵の努力では難しいはずだ。おめでとう」

「ヒューーー」
「やった~~~」
「イエーーーイ」
その言葉に我がA組の皆は喜んでいた。

「続いて皇帝陛下、宜しくお願いいたします」

「ブライトン王国の王立学園の皆さん。今日のこの日に皆さんとご一緒出来たこと、嬉しく思う。また、2ヶ月と短い時間であったが、我が息子が1年Sクラスでお世話になったこと、厚く御礼を言う。ありがとう。
先程貴国の陛下がご自身の息子の不甲斐なさを恥じておられたが、私も同じ気分だ。あのような手に引っかかるなど、王子としてまだまだ修行が足りん。もっと努力してほしい」
隣で煙男がうつむいていた。

やはり帝国の皇帝は恐ろしいのだろう。

「それに比べてAクラスの皆の活躍には拍手を送りたい。特にクラス委員長のオーレリア嬢には感服した。準決勝が終わった後勝因を聞くと、皆が努力してくれたおかげで勝てました。私はただ突っ立っていただけですと」
皇帝陛下は恥ずかしいことを言ってくれる。そんなこと言ったっけ。なんか違うような気がするのだが・・・・。皆の視線が恥ずかしかった。

「私は是非とも我が息子にもその精神を受け継いでほしいと思った。私も皇帝として心に刻もうと思う。どうしても我々指導者はうまく行けば自分のおかげだと考えてしまう。失敗すれば部下のせいだと。
でも、オーレリア嬢は違う。決勝戦の最後にしても、自分を犠牲にして王子を捕まえて水を浴びるという自ら汚れ役をかっていた。普通、指導者はいろんな言い訳をして、綺麗なままで後方にいるものなのだ。
まあ、私もよく前線に出すぎると後ろのルーカスに怒られるのだが。
オーレリア嬢には前も断られたのだが、出来たら我が帝国に招きしたい」
「えっ」
私はぎょっとした。国王とか皇帝とか本当になんとかしてほしい。私はまっとうな平民なのだ。お貴族様、特に王族と仲良くなったと母に知られたら、後が怖い。何しろ母は存在自体が生きる天災なのだから。

「それが無理なら、せめて帝国に留学してもらえたらありがたい。それはオーレリア嬢だけでない、今回優勝されたA組の皆さんに、私から心よりのプレゼントだ。希望者には帝国学園での留学をプレゼントする。我が帝国で学びたいと言われる方は申し出てほしい」
「おおお」
どよめきがおこった。帝国は人口も領土も大陸最大で、いろんな国の文化が混じり合っている。いわば最先端の国なのだ。そして、いろんな優秀な人間が集まっているのだ。その中で学ぶことはとても有意義なことだとは思う。何人かは申し出るはずだろう。

でも私は母が許しそうにない。
いつもはいないはずなのに、こういうときはどこからともなく出てくるのだ。


その後表彰に移った。

3位が騎士薬師チーム、あれからよく勝ち上がれたものだ。
二位が第一王子のチーム。優勝は我が1年A組だった。
私が壇上で賞状を受け取る。

そして、受賞の挨拶だった。
私は挨拶するのは嫌だと言ったのだが、クラス委員長がやるしか無いと皆に言われて仕方無しに壇上に立った。

「皇帝陛下並びに、国王陛下。その他の皆様。この度はありがとうございます。
基本的に、このようなところで話すのは苦手なので、不敬な所あったらお許し下さい。
第二王子殿下や帝国の皇子殿下からはお前の存在自体が不敬だと言われそうですが・・・・」
皆苦笑していた。

「先程皇帝陛下がおっしゃって頂けましたが、今回の優勝は全て、必死に努力してくれた皆のおかげです。私は本当に皆の指示に従っていただけなので。
対戦したチームの皆さんも、なんか色々失礼な事してごめんなさい。

最後にA組の皆、勝ったぜ、優勝だ!」
「おおおお!」
私の合図に合わせて雄叫びをあげてくれた。

こうして我がAクラスは史上初めて1年生の平民クラスで、オリエンテーション、学園祭、クラス対抗戦の三冠制覇を成し遂げたのだった。
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!

たぬきち25番
恋愛
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m 2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。 楽しんで頂けると幸いです。 ※他サイト様にも掲載中です

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

悪役令嬢に転生かと思ったら違ったので定食屋開いたら第一王子が常連に名乗りを上げてきた

咲桜りおな
恋愛
 サズレア王国第二王子のクリス殿下から婚約解消をされたアリエッタ・ネリネは、前世の記憶持ちの侯爵令嬢。王子の婚約者で侯爵令嬢……という自身の状況からここが乙女ゲームか小説の中で、悪役令嬢に転生したのかと思ったけど、どうやらヒロインも見当たらないし違ったみたい。  好きでも嫌いでも無かった第二王子との婚約も破棄されて、面倒な王子妃にならなくて済んだと喜ぶアリエッタ。我が侯爵家もお姉様が婿養子を貰って継ぐ事は決まっている。本来なら新たに婚約者を用意されてしまうところだが、傷心の振り(?)をしたら暫くは自由にして良いと許可を貰っちゃった。  それならと侯爵家の事業の手伝いと称して前世で好きだった料理をしたくて、王都で小さな定食屋をオープンしてみたら何故か初日から第一王子が来客? お店も大繁盛で、いつの間にか元婚約者だった第二王子まで来る様になっちゃった。まさかの王家御用達のお店になりそうで、ちょっと困ってます。 ◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆ ※料理に関しては家庭料理を作るのが好きな素人ですので、厳しい突っ込みはご遠慮いただけると助かります。 そしてイチャラブが甘いです。砂糖吐くというより、砂糖垂れ流しです(笑) 本編は完結しています。時々、番外編を追加更新あり。 「小説家になろう」でも公開しています。

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。

たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。 しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。 そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。 ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。 というか、甘やかされてません? これって、どういうことでしょう? ※後日談は激甘です。  激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。 ※小説家になろう様にも公開させて頂いております。  ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。  タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~

ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない

魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。 そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。 ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。 イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。 ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。 いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。 離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。 「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」 予想外の溺愛が始まってしまう! (世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!

《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?

桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。 だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。 「もう!どうしてなのよ!!」 クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!? 天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?

処理中です...