好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
99 / 144

ベッキー視点2 カートの正体が第一王子殿下だと知りました

しおりを挟む
今日3話目です。
後1話、クリスマスデート上げる予定です。

********************************



それからもリアは、地上に魔力でミニ太陽を作り出してみたり、歴史の先生を骨折させたり、いろんな事をやらかしてくれた。

見ているぶんには楽しかったが、傍にいる身にとってはたまったものでは無かった。

当事者のリア、本人は平然としていたが・・・・


彼女の活躍で第二王子殿下は完全に3枚めに転落していた。1年生、いや、強いて言えば学園の最重要人物がいつの間にかリアになっていたのだ。

それにいつの間にか弾き飛ばした公爵令嬢のプリシラとも仲良くなっているし、うーん、史上最強の平民であるのは違いない。
サマーパーティーでは何故か第一王子にエスコートされていたし。他のお貴族様のご令嬢方が歯ぎしりしていた。何しろ第一王子殿下は前回も前々回も参加だけしてエスコートしたことはないのだ。父親の情報によると王子殿下がパーティーで令嬢をエスコートしたのは初めてとのことだった。

でも、貴族令嬢が知ったら激怒しそうだったが、リアは本当にいやがっていた。
王族には近づいてはいけないと母からきつく言われているそうだ。なんでだろう。リアなら、何があろうとマイペースでゆうゆうとこなしていきそうに思うのだが。

そのリアが、サマーパーティーで王子に食べさせされて泣き出したのには本当に驚いた。レベッカらから虐められてもびくともしなかったのに、こんな事で泣くなんて、なんて純情なところがあるのだろう。

その後、我慢の限度を超えたヒューズ侯爵令嬢たちが、リアを襲撃してきた。しかし、立ち直ったリアの出自を知っただけで一人の令嬢がパニックに陥り、逃げ出すと、皆後に続いて逃げ出すというお粗末さだった。
うーん、でも、何故リアの事をそれほど怖がったのだろう。リアの母親が王族なんて屁とも思っていないのはよく判ったが、あれは絶対にリア本人を怖れていた。リア自身がなんかしたはずだった。伯爵の前でミニ太陽でも作ったんだろうか?

それは差し置いてもリアは当たる所、敵なしだと思うのは私だけだろうか。

人気はうなぎのぼりで皆、リナの一挙手一投足に注目していた。
まあ、大半はまた今度はどんな事してくれるのだろうという興味本位の視線だったが・・・・

平民はもとより、学年を問わず、男爵、子爵、伯爵のお貴族様の令息達が必死にリアにアプローチするが、リアは全く判っていない。全てスルーしていた。

彼女の頭の中では、平民冒険者のカートと将来一緒に過ごせたら良いなあって、いうなんともふんわりした願望しか無かった。
なんでも、カートはポーション取りに行くのに、護衛として便利なんだそうだ。カートの方は本当にリアに首ったけだった。周りの男どもを必死に牽制するし、そのくせ、サマーパーティーのエスコートを王子に譲るなんてどうしたんだろう? そこのところは私としては疑問しか無かった。

その怪しいカートだが、どこかで会ったことがあるとエイミーが言うし、うーん、どうなっているんだろう?

そう、思っていたら、その正体が判る時が来た。


バシッ

あまりにもカートの不甲斐なさに、私は思いっきりその頬をしばいてしまったのだ。

「『大嫌い』って言われて諦めるくらいなら、元々リアに手を出さないでよ。リアをそんなに簡単に諦めるなら、リアに近づかないでよ」
私は大声で叫んでいた。

「そうだな。ありがとう。しばかれたのは叔父に頭を殴られた以来だよ。感謝する」
それに対するカートの回答がこれだった。

ちょっと待ってこの言い方。聞いたことある。
そう言って笑うカートの笑みがとある人物にそっくりだった。
髪や瞳の色は確かに違うが・・・・

「えっ」
私は驚愕した。

カートの正体は、第一王子殿下だ・・・・

やっ、やってしまった。

なんと、第一王子殿下を張り倒してしまったのだ。

嘘ーーー。

私は唖然としていた。

後で皆で留守番している時にエイミーに言われた。

「やっちゃったわね」
「ちょっと、あんた、判っていたら前もって教えてよ」
「私も最近よ。気づいたの。王子がリアと一緒に踊っているのを見て驚いて、更に良く見たら踊る王子の笑みがカートにそっくりだったのよ」
エイミーが教えてくれた。

「そうよね。そう言えば殿下とカートを一緒に見たことなかったし、変だと思ったのよ。同一人物だから一緒にいられるわけはなかったのよね。それにカーティス様、リアに食べさせを普通にしていたし、そんな事するのなんてカートしかしていないものね。なんでこのバカップルがすぐに判らなかったんだろう?」
「ヨーク男爵令嬢、この事は内密に」
セドリックが寄ってきて言った。

「え?、あなたは知っていたの」
「私達側近は知っている。ザカリーも、プリシラ嬢もだ」
そうか、ザカリーも知っていたのか。それでやたらと第一王子の肩をもったのだ。

「でも、あの二人、幼馴染なんでしょ。なんで殿下とリアが知り合いなのよ?」
「そこはよくわからないんだが、ダンジョンで殺されそうになった殿下を7歳のリア嬢が助けたそうだ」
「えっ、あの子7歳の時からダンジョンに潜っているの?」
私にはその事は驚嘆しか無かった。

「良くは判らないが、殿下はリア嬢が何でも出来るのを見て、思われたそうだ。『今のままではいけない』と」
セドリックが言った。

「そうか、それまでは第二王子殿下の評判しか聞かなかったから、殿下は必死に頑張ったのね」
私は感激して言った。

「殿下が今あるのはリアのおかげなんですって」
プリシラが横から言ってきた。
「そうか、それで殿下は他の誰とも踊っていないのね。自分の隣にはリアしか立たせないって固い決意があるんだ」
プリシラの言葉に私は思い至った。何だこの純愛。そうか、カートはと言うか殿下は嘘はついていないんだ。サマーパーティーにもちゃんとリアと踊っているし、食べさせはいつの癖で普通にしてしまったのだ。

「でも、なんで殿下は本当の事を言わないの? リアに謝って言ってしまえば、リアもこんなに悩まなかったのに」
私が不思議に思って聞いた。

「リアに振られるのが怖いんだと」
セドリックが言った。

「えっ」
私はよく判らなかった。

「リア嬢の母が王子と結婚したら縁をきるっていうくらい、王族を嫌っているんだそうだ」

それは前に聞いたことがある。そう言えばリアは王族と親しくなるのをとても嫌がっていた。

「うーん、でも、これからどうするのよ。いつまでも今のままって訳には行かないんでしょ」
「卒業パーティーまでには話すってカーティスは言うんだけど。我々としてはヒューズ侯爵令嬢とかともっと仲良くなってほしいんだが」
セドリックが言った。確かに王子の側近としてはその方が楽だろう。王位継承にもすんなり行くはずだ。

「何言っているのよ。私はリアを応援するわ」
アボット公爵令嬢のプリシラが言ってくれた。
彼女はメルヴィン様との仲をリアに取り持ってもらって以来、リアのシンパだ。最近はよく平民食堂で私達と一緒に御飯を食べている。

「そうですよね。私もリアを応援します」
私は宣言した。

「しかし、殿下の母君の件もあるし、なかなか難しいと思うぞ」
「それを何とかするのが側近の役目よ」
「俺たちは殿下が国王陛下にならるのを支えるのが仕事だ。オーレリア嬢の礼儀作法では無理だろう」
呆れたようにセドリックが言った。

「ふんっ、礼儀作法が王妃の役目の全てじゃないわよ」
「そらあそうだが」
「そうか、リアは将来の王妃様か」
「だから違うって」
「プリシラ様。お互いに協力して頑張りましょう」
「ベッキーさん。そうよね。あのリアだもんね」
「私も協力します」
「私も」
男共は放っておいて、女達は強力な同盟がこの時結ばれたのだった。
**********************************************

リアの未来は彼女らによって勝手に決められてしまいました。

でも、そんなにうまくいくはずはなく・・・・
しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。 はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!

たぬきち25番
恋愛
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m 2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。 楽しんで頂けると幸いです。 ※他サイト様にも掲載中です

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

悪役令嬢に転生かと思ったら違ったので定食屋開いたら第一王子が常連に名乗りを上げてきた

咲桜りおな
恋愛
 サズレア王国第二王子のクリス殿下から婚約解消をされたアリエッタ・ネリネは、前世の記憶持ちの侯爵令嬢。王子の婚約者で侯爵令嬢……という自身の状況からここが乙女ゲームか小説の中で、悪役令嬢に転生したのかと思ったけど、どうやらヒロインも見当たらないし違ったみたい。  好きでも嫌いでも無かった第二王子との婚約も破棄されて、面倒な王子妃にならなくて済んだと喜ぶアリエッタ。我が侯爵家もお姉様が婿養子を貰って継ぐ事は決まっている。本来なら新たに婚約者を用意されてしまうところだが、傷心の振り(?)をしたら暫くは自由にして良いと許可を貰っちゃった。  それならと侯爵家の事業の手伝いと称して前世で好きだった料理をしたくて、王都で小さな定食屋をオープンしてみたら何故か初日から第一王子が来客? お店も大繁盛で、いつの間にか元婚約者だった第二王子まで来る様になっちゃった。まさかの王家御用達のお店になりそうで、ちょっと困ってます。 ◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆ ※料理に関しては家庭料理を作るのが好きな素人ですので、厳しい突っ込みはご遠慮いただけると助かります。 そしてイチャラブが甘いです。砂糖吐くというより、砂糖垂れ流しです(笑) 本編は完結しています。時々、番外編を追加更新あり。 「小説家になろう」でも公開しています。

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。

たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。 しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。 そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。 ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。 というか、甘やかされてません? これって、どういうことでしょう? ※後日談は激甘です。  激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。 ※小説家になろう様にも公開させて頂いております。  ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。  タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~

悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。

槙村まき
恋愛
 スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。  それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。  挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。  そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……! 第二章以降は、11時と23時に更新予定です。 他サイトにも掲載しています。 よろしくお願いします。 25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!

処理中です...