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王妃のお茶会にどうするか皆で必死に考えました。
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アビゲイル先生の授業の後の食事時間。平民食堂に皆集まってワイワイやっていた時だ。
「でも王妃様のお茶会って呼ばれるの初めて。何着て行ったら良いんだろう」
ヒルダはお気楽モードだ。
本当に・・・・私は何を文句言われるのかビクビクしているのに。
「何言っているのよ。ヒルダ、そんなの制服に決まっているでしょ」
ベッキーが当たり前だと言った。
「えええ、そうか。せっかく服を新調する機会だったのに・・・・」
「そんなのいつでも出来るでしょ。それよりも、リアよ」
「リア?」
ベッキーの真剣な言葉に不思議そうにヒルダが私を見た。
「あんた王妃殿下に何をしたの?」
いきなりベッキーは尋問口調だ。
「何もしてないわよ。表彰式の時に見たくらいよ」
「本当に?」
全然ベッキーは私を信頼していない。
「本当よ。そもそも王族になんか会いたくないから、このまえ使者が来たのを第二王子殿下に代わりに断ってもらった程よ」
「あんた何してるのよ! 使者の方に会いすらしなかったの?」
ベッキーが突っ込んできた。
「えええ、だって嫌じゃん」
「そう言う問題じゃないでしょ」
ベッキーは頭を抱えた。
「リア、王妃殿下に目をつけられたって本当?」
そこへプリシラが走り込んできた。
「プリシラさん。それはどちらで聞いたの」
「殿下がおっしゃっていらっしゃったのよ」
「どうするのリア、あなた大きな声では言えないけれど殺されるかもしれないわよ」
ベッキーが私の方を掴んで小さな声で話してきた。
「えええ、なんで?」
「そうよ。リア、妃殿下は前王妃を毒殺したって噂があるのよ」
プリシラが真面目な顔して言ってきた。
「そうよ、前の王妃様の実家の男爵を事故に見せて殺したって噂もあるわ」
「第一王子殿下の乳母を殺したのも妃殿下って噂があるのよ」
ベッキーにエイミーまで言ってくる。
「えっ、本当なの? 見た目だけじゃなくて性格も怖いの」
私は驚いて聞いた。
「でも、リアは何したのよ」
プリシラが聞いてきた。
「何でも王妃様からの呼び出しの使者にも会わずに、断ったそうですよ」
「そんな事したの。でも、そもそも何故、呼ばれたの?」
ベッキーの答えにプリシラが再度聞いた。
「そらあ、リアは第二王子殿下に数々の酷いことしているから、〆ようとして呼ばれたんじゃない?」
ベッキーがさも当然といった風に応える。えっ、そんなこと・・・・
「ああ、この前のクラス対抗戦でも、酷いこと言って挑発してたわね」
プリシラが言う。
「ちょっと待ってよ。それ言わしたのベッキーじゃない」
「そもそも、オリエンで殿下を弾き飛ばしたし」
「前期の期末テストでもズルして主席に立っていたし」
「ズルはしていないわよ。作戦って言ってよね。作文しただけじゃない」
私が文句を言う。
「私は一生涯先生についていきます・・・・」
「いつまで根に持っているのよ」
本当に試験の時の事をいまだに言われるなんて、もう半年くらい前の話だ。
「王妃様がお怒りになるところ満載なんじゃない」
「そうかな」
私には王妃自身には悪い事したことも悪口を言ったこともない。
「そうよ。だからあなた気をつけないと」
「取り敢えず王宮のつてを探ってみるわ」
「お父様にもその時間にお茶会の近くにいてくれるようにお願いするわ」
「公爵様にいて頂いたら鬼に金棒ね」
「俺も騎士団の先輩に色々聞いてみるよ」
「頼むわよ。そもそも軍はリアにとても世話になっているんだから、リアがいなくなったら軍にとっては大損失よ」
「そうだよな。先輩らによく言っておくよ」
「私もお父様に頼んでおくわ」
「よろしくね」
みんな、色々と自分なりにやってくれているみたいだ。
私は怖い王妃様の相手をどうしようと恐れおののいていた。
「リア、王妃に絡まれたんだって」
その日私が図書館に行くと同時にカートが心配して声をかけた来た。
「えっ、なんか呼び出し受けちゃって、絶対に断ろうと思ったのに、アビゲイル先生がクラス全員で礼儀作法の練習で行けば良いじゃないって受けちゃって」
「なんだ。クラス全員で行くのか」
私がブツブツ言うとなんか安心したようにカートが言ってきた。
「クラス全員でも私は行きたくない。なんで王族とお茶なんかしなければいけないのかな。私関係ないのに」
その言葉に何故かカートが悲しい顔をしている。平民に王族なんて関係ないのに、なんでだろ?
「まあ、全員で行けばそんな変なことされないだろう」
「そらあ、そうだけど」
私はカートの言葉に不満顔で答えた。
「いつなんだ?」
「テスト終わった次の日」
「判った。俺も第一王子殿下に頼んで、出来る限りそばにいるようにするから」
「本当に。ありがとう」
私は嬉しくなった。
王妃には会いたくないが、カートには会えるかもしれない。
少し王宮に行くのが楽しみになってきた。
*******************************************************
恐怖のお茶会まで残すところあと少しです。
「でも王妃様のお茶会って呼ばれるの初めて。何着て行ったら良いんだろう」
ヒルダはお気楽モードだ。
本当に・・・・私は何を文句言われるのかビクビクしているのに。
「何言っているのよ。ヒルダ、そんなの制服に決まっているでしょ」
ベッキーが当たり前だと言った。
「えええ、そうか。せっかく服を新調する機会だったのに・・・・」
「そんなのいつでも出来るでしょ。それよりも、リアよ」
「リア?」
ベッキーの真剣な言葉に不思議そうにヒルダが私を見た。
「あんた王妃殿下に何をしたの?」
いきなりベッキーは尋問口調だ。
「何もしてないわよ。表彰式の時に見たくらいよ」
「本当に?」
全然ベッキーは私を信頼していない。
「本当よ。そもそも王族になんか会いたくないから、このまえ使者が来たのを第二王子殿下に代わりに断ってもらった程よ」
「あんた何してるのよ! 使者の方に会いすらしなかったの?」
ベッキーが突っ込んできた。
「えええ、だって嫌じゃん」
「そう言う問題じゃないでしょ」
ベッキーは頭を抱えた。
「リア、王妃殿下に目をつけられたって本当?」
そこへプリシラが走り込んできた。
「プリシラさん。それはどちらで聞いたの」
「殿下がおっしゃっていらっしゃったのよ」
「どうするのリア、あなた大きな声では言えないけれど殺されるかもしれないわよ」
ベッキーが私の方を掴んで小さな声で話してきた。
「えええ、なんで?」
「そうよ。リア、妃殿下は前王妃を毒殺したって噂があるのよ」
プリシラが真面目な顔して言ってきた。
「そうよ、前の王妃様の実家の男爵を事故に見せて殺したって噂もあるわ」
「第一王子殿下の乳母を殺したのも妃殿下って噂があるのよ」
ベッキーにエイミーまで言ってくる。
「えっ、本当なの? 見た目だけじゃなくて性格も怖いの」
私は驚いて聞いた。
「でも、リアは何したのよ」
プリシラが聞いてきた。
「何でも王妃様からの呼び出しの使者にも会わずに、断ったそうですよ」
「そんな事したの。でも、そもそも何故、呼ばれたの?」
ベッキーの答えにプリシラが再度聞いた。
「そらあ、リアは第二王子殿下に数々の酷いことしているから、〆ようとして呼ばれたんじゃない?」
ベッキーがさも当然といった風に応える。えっ、そんなこと・・・・
「ああ、この前のクラス対抗戦でも、酷いこと言って挑発してたわね」
プリシラが言う。
「ちょっと待ってよ。それ言わしたのベッキーじゃない」
「そもそも、オリエンで殿下を弾き飛ばしたし」
「前期の期末テストでもズルして主席に立っていたし」
「ズルはしていないわよ。作戦って言ってよね。作文しただけじゃない」
私が文句を言う。
「私は一生涯先生についていきます・・・・」
「いつまで根に持っているのよ」
本当に試験の時の事をいまだに言われるなんて、もう半年くらい前の話だ。
「王妃様がお怒りになるところ満載なんじゃない」
「そうかな」
私には王妃自身には悪い事したことも悪口を言ったこともない。
「そうよ。だからあなた気をつけないと」
「取り敢えず王宮のつてを探ってみるわ」
「お父様にもその時間にお茶会の近くにいてくれるようにお願いするわ」
「公爵様にいて頂いたら鬼に金棒ね」
「俺も騎士団の先輩に色々聞いてみるよ」
「頼むわよ。そもそも軍はリアにとても世話になっているんだから、リアがいなくなったら軍にとっては大損失よ」
「そうだよな。先輩らによく言っておくよ」
「私もお父様に頼んでおくわ」
「よろしくね」
みんな、色々と自分なりにやってくれているみたいだ。
私は怖い王妃様の相手をどうしようと恐れおののいていた。
「リア、王妃に絡まれたんだって」
その日私が図書館に行くと同時にカートが心配して声をかけた来た。
「えっ、なんか呼び出し受けちゃって、絶対に断ろうと思ったのに、アビゲイル先生がクラス全員で礼儀作法の練習で行けば良いじゃないって受けちゃって」
「なんだ。クラス全員で行くのか」
私がブツブツ言うとなんか安心したようにカートが言ってきた。
「クラス全員でも私は行きたくない。なんで王族とお茶なんかしなければいけないのかな。私関係ないのに」
その言葉に何故かカートが悲しい顔をしている。平民に王族なんて関係ないのに、なんでだろ?
「まあ、全員で行けばそんな変なことされないだろう」
「そらあ、そうだけど」
私はカートの言葉に不満顔で答えた。
「いつなんだ?」
「テスト終わった次の日」
「判った。俺も第一王子殿下に頼んで、出来る限りそばにいるようにするから」
「本当に。ありがとう」
私は嬉しくなった。
王妃には会いたくないが、カートには会えるかもしれない。
少し王宮に行くのが楽しみになってきた。
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恐怖のお茶会まで残すところあと少しです。
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