好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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いけ好かない帝国の侯爵令息を訓練場とともに張り飛ばしてしまいました

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「やい、破壊女」
考え事をしていた私は後ろからいきなり子供の声に呼ばれた。

「ちょっと、あんたが変な名前で呼ぶから、破壊女になっちゃったじゃない。どうしてくれるのよ」
私は横のエーレンに文句を言った。

「いや、他の兄弟の前で入っていないぞ。そもそも、俺ら兄弟とは言え、ライバルなのだから。基本は話はそんなにしない」
「なによ、それは。私は今まで兄弟いなかったから兄弟には憧れがあるのよね」
「はん? お前、男8人なんて下手したら戦場よりも酷いんだぞ!油断しているとデザートなんてすぐになくなるし」
「えええ、あんた王族でしょ。またシェフに作ってもらえば良いじゃん」
「うちのシェフは色々うるさいんだよ。特にケーキが秀逸で、でも食べ過ぎは良くないからって1人1個なんだよ」
「良いじゃない。食べられるだけましよ。私なんかあんたはまだ小さいからって、小さい時は母が二個とも食べていたんだからね。ケーキなんて食べられるのはお客様がいるときだけだったんだから」
「お前の母って酷いな。子供にも容赦しないんだ」
エーレンは感心していた。そこは感心するんじゃなくて同情しろよ、本当に。

「ええい、破壊女。私の言う事を聞け」
ほって置かれた後ろの可愛い子供が叫んできた。

「ま、可愛い、あんたと違ってめちゃくちゃ可愛いじゃない」
私は嬉しくなった。この子、剣振り回しているけど・・・・

「ええい、そんなおべっか言っても、容赦はしないぞ。そこに直れ、貴様を成敗してくれる」
男の子は剣を構えて言った。

「めっちゃ可愛い。家に持って帰りたい。あんたの所8人もいるなら一人くらい私に譲りなさいよ」
「お前な。俺は良いけど」
「ええい、何を話しておる。そこの兄貴も勝手に人を売るな」
可愛く反発する8歳くらいの男の子、後に名前がアウグスベルクだと判った、の持っている剣を良くみるとなんと真剣だった。

「ちょっと、あんた、子供のくせに何、真剣振り回しているのよ」
私は怒っていうとその剣を取り上げた。

「何をする無礼者」
「何が無礼者よ。剣もろくに使えないくせに真剣なんて振り回すんじゃないわよ」
私はその子の頭をしばいた。

「叩かれた。お母様にも叩かれたこと無いのに、ウェーーーーーん」
今度はいきなり泣き出した。甘い、私なんかどれだけ母に泣かされたか。それもこんなまっとうな理由じゃない。理不尽極まる理由で泣かされていたのだ。母が貴族を攻撃するのを邪魔したとか、道で行き倒れている人を助けたとか云々、普通それって褒められるところじゃない?


「貴様、アウグスベルク様に手を挙げるとはどういう事だ」
私が余計なことを思っているうちに、後ろから護衛騎士と思しき男が駆けてきた。

「どうもこうもないわよ。あんたなの。こんな小さい子に真剣持たしているのは」
私は怒って言った。

「な、何を言う。皇帝陛下からも、小さい時から真剣をもたせて訓練するように言われているのだぞ」
「はああん、あの糞皇帝何言っているのよ。あんた、この子が侍女に剣を振り上げて怪我させても責任取れるの」
「そんなの怪我する侍女が悪いだろう」
私はその瞬間、その騎士のほおを張り倒していた。

「なめてんじゃないわよ。そんな事になったらあんたの責任でしょ。あんたが腹斬りなさいよ。その覚悟もないのに皇子に真剣持たせるんじゃないわよ」
私は怒鳴っていた。

「き、貴様、騎士をしばくとは良い根性をしている。それも俺はベルク侯爵家ゆかりのものだぞ」
男が立上って叫んでいた。

「それがどうしたのよ。一般常識に侯爵も平民もないわよ。そもそも、あんた、あのこの子の兄の第一王子でしょ。注意しなさいよ」
私は煙男に視線を向けると

「いや、こいつにはまずい」
煙男は逃げるのだ。

「はあああ」
それにさらに私が切れると

「なるほど貴様、第一王子殿下の関係者か。アッヘンフリート公爵の手のものだな」
「違うけど」
「じゃあ殿下の彼女か」
この勘違い男はとんでもないことを言ってきた。

『違うわ!』
二人してハモる。

「じゃあ殿下、この女をどうしても宜しいですね」
「俺はどうでもいいが(皇帝がどう思うか知らんぞ)」
私はエーレンの心の声が聞こえた。ふんっ、皇帝なんて関係ない。
私はむしゃくしゃしていた。

「じゃあ勝負だ」
「望むところよ。あんた負けたら私の荷物持ちね」
「良かろう。貴様も負けたら荷物持ちとして一生こき使ってやる」

「おいおい、良いのかよ。そんな事約束して」
煙男がブツブツ言っているが私達は無視した。


私達は王宮の訓練場の一角を借りることにした。さすがにこの衣装ではまずいので、訓練着を借りて着替えた。

「おいおい、なんかやるみたいだぞ」
「相手はベルク侯爵家の3男レオンと女じゃんか」
「あんな可愛い女の子相手にあいつやるの」
「さすがベルク侯爵家の奴は容赦無いな」
「相手まだ子供じゃんか」
私は最後の男の言葉に切れた・・・・。子供じゃない。もう16だ

「小娘。本当に良いのか?」
「ふんっ、今更怖気づいたの?」
「その減らず口もここまでだ。仕方がない。適当に相手してやろう」
こいつ自分から勝負しろとと言ってきておきながら何を今更言っているんだ。

「レオン様!」
「がんばって下さい」
見学に来ていた女の子らの歓声が聞こえる。

「女の子相手に何かっこつけてんだか」
「お嬢ちゃん頑張れよ」
お嬢ちゃんじゃないっての!

「破壊女。訓練場壊すなよ」
煙男がとんでもないことを言ってくれる。破壊女って言うな。

「破壊女だ?」
「どこかで聞いたような」
男達の呟きが聞こえる。

「では行くわよ」
私は模擬剣を上段に構えた。剣を使うことは私はもう一つ自信がない。ここは先制攻撃するに限るだろう。

「ほう、口だけでなくて少しは出来ると見える」
ムカつく男レオンも剣を構えた。

ふんっ、甘い

私は次の瞬間に動いた。

男の前に上段から打ちかかると見せて瞬時に剣を下げて下段から斬り上げたのだ。
上段から攻撃に備えていたレオンは反応が1拍子遅れた。
次の瞬間、私の切り上げに対処できずに吹き飛ばされていた。

「ふんっ」
どんな奴かと思えば大したことはない。私は元に戻ろうと観客席の方を向いた。

皆驚いてシーンとしていた。

「すげー、あの子、レオンに勝ったぞ」
「えええ、レオン様。見掛け倒し」
「大したこと無いのね」
ギャラリーの女の子にまでバカにされる始末だ。
ふんっ、私を甘く見るからだ。

「破壊女、後ろ」
煙男の悲鳴が上がる。

私は背後に軽い衝撃を感じた。

ゆっくりと後ろを振り返る。

私に負けた男は、腹いせに後ろから私に衝撃波を浴びせたみたいだった。
帝国の男はルールすら判っていないらしい。

「ふーん、帝国では後ろから攻撃するのがはやっているんだ」
私はニコリと笑って言った。

「えっ、嘘、俺の渾身の衝撃波が利かない・・・・・」
レオンは呆然と立っていた。私は卑怯なやつは許さない。

「私、あなたと一緒で剣術よりも魔術のほうが得意なのよね」
「やばい、伏せろ」
煙男が弟のアウグスベルクを抱えて伏せるのが目に映った。

「卑怯なことしてるんじゃないわよ」
障壁をその男に叩きつけた。

一瞬だった。男は私の障壁に吹っ飛ばされた。

そして勢い余って防御の障壁を突き破ったのだ。

ズドーン

凄まじい音とともに、訓練場のフェンスが崩壊した瞬間だった。


私は力を入れすぎたことを反省した・・・・


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帝国でもあいも変わらず、リアは絶好調です。
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