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ルヴィにお礼を言いました
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「リナ!」
男達が血が吹き出すのを見た瞬間、私は今までの心労もたたって気を失っていたのだ。
倒れる瞬間、ルヴィに抱きかかえられたのまでは覚えていたが……
私は夢を見ていた。
まだ、お父様とお母様が生きている時で、私は小さかった。
王宮の裏の森の中で皆で、ピクニックをしていた。
私は大きな玉子サンドを大きな口を開けて、食べていた。でも、さすがに大きすぎて、顔中、玉子だらけになっていた。
「もう、リナは仕方がないな」
そんな、私の顔を、ルヴィが拭いてくれた。
「リナ、サンドウィッチを食べるときは、もっと口を小さくして少しずつ食べるのよ!」
お母様が注意してくれたが、
「だって、早く食べて、ルヴィと遊びたいんだもの」
私が言うと、
「ゆっくりで、良いよ。リナが食べる迄はちゃんと待っているから」
ルヴィはそう言ってくれたが、
私は「大丈夫!」
そう言うと最後の大きな一切れを口の中に放り込んだのだ。
そして、喉につまらせた。
「大丈夫か、リナ!」
ルヴィが慌てて私の背中を聞いてくれたが、私は喉に詰まらせて、盛大に咳をして、そして、ハッとして目を覚ましたのだ。
「大丈夫か?」
私は目の前にルヴィの端正な顔のドアップを見て、少しドギマギした。
あのルヴィがこんな立派になったんだ。
「助けてくれて有難う」
「いや、俺こそ、遅くなった。おのれ、メンロスの国王め。リナを大切にしているなどとよくも嘘をついてくれたな」
ルヴィは私のために憤ってくれた。
「有難う。ルヴィ。でも、私なんかを庇ってくれて良かったの? 私はもう王女でもなんでもないわ。帝国の騎士のあなたに迷惑がかかるんじゃないの?」
私は心配して聞いていた。ルヴィの姿かたちはどう見ても立派な騎士のそれだった。ルヴィは帝国に戻って立派な騎士になったんだ。私はそれが嬉しかったのだ。
「騎士か。まあ騎士団には所属しているが」
戸惑ったようにルヴィが言ってくれたが、
「私も体格を見れば騎士かどうかわかるようになったの」
私が自慢して言うと
「そんなに何人も見たのか」
何か少し嫌そうにルヴィが言って来た。何か機嫌を損ねるようなことを言ったのだろうか?
「そうでもないけれど、私の護衛をしてくれる騎士は皆ルヴィのようながっしりとした体格をしているから」
私が言うと
「まあ、普通はそうだけどな。俺はまだまだだって騎士団長には言われているからリナにそう言ってもらえると嬉しいよ」
頭を切り替えたみたいで、ルヴィは喜んでくれた。
男達が血が吹き出すのを見た瞬間、私は今までの心労もたたって気を失っていたのだ。
倒れる瞬間、ルヴィに抱きかかえられたのまでは覚えていたが……
私は夢を見ていた。
まだ、お父様とお母様が生きている時で、私は小さかった。
王宮の裏の森の中で皆で、ピクニックをしていた。
私は大きな玉子サンドを大きな口を開けて、食べていた。でも、さすがに大きすぎて、顔中、玉子だらけになっていた。
「もう、リナは仕方がないな」
そんな、私の顔を、ルヴィが拭いてくれた。
「リナ、サンドウィッチを食べるときは、もっと口を小さくして少しずつ食べるのよ!」
お母様が注意してくれたが、
「だって、早く食べて、ルヴィと遊びたいんだもの」
私が言うと、
「ゆっくりで、良いよ。リナが食べる迄はちゃんと待っているから」
ルヴィはそう言ってくれたが、
私は「大丈夫!」
そう言うと最後の大きな一切れを口の中に放り込んだのだ。
そして、喉につまらせた。
「大丈夫か、リナ!」
ルヴィが慌てて私の背中を聞いてくれたが、私は喉に詰まらせて、盛大に咳をして、そして、ハッとして目を覚ましたのだ。
「大丈夫か?」
私は目の前にルヴィの端正な顔のドアップを見て、少しドギマギした。
あのルヴィがこんな立派になったんだ。
「助けてくれて有難う」
「いや、俺こそ、遅くなった。おのれ、メンロスの国王め。リナを大切にしているなどとよくも嘘をついてくれたな」
ルヴィは私のために憤ってくれた。
「有難う。ルヴィ。でも、私なんかを庇ってくれて良かったの? 私はもう王女でもなんでもないわ。帝国の騎士のあなたに迷惑がかかるんじゃないの?」
私は心配して聞いていた。ルヴィの姿かたちはどう見ても立派な騎士のそれだった。ルヴィは帝国に戻って立派な騎士になったんだ。私はそれが嬉しかったのだ。
「騎士か。まあ騎士団には所属しているが」
戸惑ったようにルヴィが言ってくれたが、
「私も体格を見れば騎士かどうかわかるようになったの」
私が自慢して言うと
「そんなに何人も見たのか」
何か少し嫌そうにルヴィが言って来た。何か機嫌を損ねるようなことを言ったのだろうか?
「そうでもないけれど、私の護衛をしてくれる騎士は皆ルヴィのようながっしりとした体格をしているから」
私が言うと
「まあ、普通はそうだけどな。俺はまだまだだって騎士団長には言われているからリナにそう言ってもらえると嬉しいよ」
頭を切り替えたみたいで、ルヴィは喜んでくれた。
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