11 / 66
隣に寝ていたルヴィが襲ってきた敵にナイフで刺されました
しおりを挟む
「でも、本当にハウゼン王国の件は悪い事をした」
「有難う、ルヴィ。あなたにそう言ってもらえるだけで十分よ」
「何を言っているんだ、リナ。俺が困っている時に、君のご両親は俺を庇ってくれた。君の国に何のメリットもないのに。エンゲルからの俺を引き渡せという要望を蹴ってくれたんだ。俺はメンロスのような裏切り者になりたくない。だから、本当にすまん。ハウゼンの滅亡を救えなかった。申し訳ない」
ルヴィが頭を下げてくれた。
「何言っているのよ。帝国の騎士のあなたじゃ救いようがないじゃない」
「いや、俺は丁度その時は、帝国の北部にいたんだ。ハウゼンにエンゲルが攻め込んだのを聞いて慌てて駆けつけたのだが、俺が駆けつけた時はもう戦いは終わっていた」
「有難う、ルヴィ、いろいろ無理してくれたんじゃないの?」
私が言うと、
「無理も何も無いだろう。君たちは俺の命の恩人なんだ。その恩人がこのような目に遭って、俺は許さない。必ずエンゲルにも相応の罰は与える」
「有難う、ルヴィ、お言葉だけ受けておくわ」
私は首を振った。
帝国の一騎士のルヴィがいくら頑張ってくれた所でやれることはしれているのだ。それに無理はしてほしくない。
「あのう、それよりもルヴィにお願いがあるの」
「何だい。リナ。なんでも出来る限りの事はするが……ハウゼン王国を復活させるか?」
「ルヴィ、それはなかなか難しいと思うの」
「そうか? 君が旗頭になればすぐに1万は集まると思うが」
「それよりも、どこかで地に足つけて普通に生活したいの! どこか良いところはないかしら?」
「それならば、とりあえず、帝国に来れば良いんじゃないか? 帝国なら、エンゲルの奴らも手を出せない。そこで、落ち着けば良いだろう」
ルヴィが言ってくれた。
「帝国か」
私は帝国には行ったことはなかった。ルヴィの故郷か、どんなところなんだろう?
「帝国には君の母上の親戚もいる。皆歓迎してくれるよ」
ルヴィは言ってくれたけれど、親類といえども元王女に来てもらっても困るだろう。私は蘇った記憶で平民として普通に生活は出来るはずだった。だから、平民として生活していこうと思っていた。
ルヴィは反対しそうだけど、まあ、それはおいおいと話せばルヴィも判ってくれるだろう。
ルヴィはこれから帝国に帰るので一緒に連れて行ってくれるらしい。
ルヴィと一緒だと安心だ。私はホッとしたのだ。
「そうと決まればできる限り早く移動したい」
ルヴィが言ってきた。聞く所によると私が気絶したので、ルヴィは慌てて私を国境の町のこの宿に連れてきたのだそうだ。私は記憶が蘇った知恵熱もあり2日間も寝ていたらしい。
追手がかかっていたらまずいからできるだけ早くに、海岸線に出て、船を捕まえたいとルヴィが言ってくれた。
私達は寝ることにしたのだ。
一部屋しか取っていないとのことでルヴィに謝られたが、気絶した私が悪いのだ。
部屋はツインルームで、ベッドは2つあった。
私はルヴィが買ってくれていた簡単な食事を食べてそのまま、また、熟睡したのだった。
その夜だ。私は変な予感がして、はっと目を覚ました。
その時だ。ベッドの向こうにナイフを持って立っていた男を見つけたのだ。
私が叫び声を上げるよりも早く、男はルヴィが寝ているベッドの上から思いっきりナイフを突き刺したのだった。
*****************************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
ルヴィの運命やいかに?
続きが気になる方はお気に入り登録、感想等して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
「有難う、ルヴィ。あなたにそう言ってもらえるだけで十分よ」
「何を言っているんだ、リナ。俺が困っている時に、君のご両親は俺を庇ってくれた。君の国に何のメリットもないのに。エンゲルからの俺を引き渡せという要望を蹴ってくれたんだ。俺はメンロスのような裏切り者になりたくない。だから、本当にすまん。ハウゼンの滅亡を救えなかった。申し訳ない」
ルヴィが頭を下げてくれた。
「何言っているのよ。帝国の騎士のあなたじゃ救いようがないじゃない」
「いや、俺は丁度その時は、帝国の北部にいたんだ。ハウゼンにエンゲルが攻め込んだのを聞いて慌てて駆けつけたのだが、俺が駆けつけた時はもう戦いは終わっていた」
「有難う、ルヴィ、いろいろ無理してくれたんじゃないの?」
私が言うと、
「無理も何も無いだろう。君たちは俺の命の恩人なんだ。その恩人がこのような目に遭って、俺は許さない。必ずエンゲルにも相応の罰は与える」
「有難う、ルヴィ、お言葉だけ受けておくわ」
私は首を振った。
帝国の一騎士のルヴィがいくら頑張ってくれた所でやれることはしれているのだ。それに無理はしてほしくない。
「あのう、それよりもルヴィにお願いがあるの」
「何だい。リナ。なんでも出来る限りの事はするが……ハウゼン王国を復活させるか?」
「ルヴィ、それはなかなか難しいと思うの」
「そうか? 君が旗頭になればすぐに1万は集まると思うが」
「それよりも、どこかで地に足つけて普通に生活したいの! どこか良いところはないかしら?」
「それならば、とりあえず、帝国に来れば良いんじゃないか? 帝国なら、エンゲルの奴らも手を出せない。そこで、落ち着けば良いだろう」
ルヴィが言ってくれた。
「帝国か」
私は帝国には行ったことはなかった。ルヴィの故郷か、どんなところなんだろう?
「帝国には君の母上の親戚もいる。皆歓迎してくれるよ」
ルヴィは言ってくれたけれど、親類といえども元王女に来てもらっても困るだろう。私は蘇った記憶で平民として普通に生活は出来るはずだった。だから、平民として生活していこうと思っていた。
ルヴィは反対しそうだけど、まあ、それはおいおいと話せばルヴィも判ってくれるだろう。
ルヴィはこれから帝国に帰るので一緒に連れて行ってくれるらしい。
ルヴィと一緒だと安心だ。私はホッとしたのだ。
「そうと決まればできる限り早く移動したい」
ルヴィが言ってきた。聞く所によると私が気絶したので、ルヴィは慌てて私を国境の町のこの宿に連れてきたのだそうだ。私は記憶が蘇った知恵熱もあり2日間も寝ていたらしい。
追手がかかっていたらまずいからできるだけ早くに、海岸線に出て、船を捕まえたいとルヴィが言ってくれた。
私達は寝ることにしたのだ。
一部屋しか取っていないとのことでルヴィに謝られたが、気絶した私が悪いのだ。
部屋はツインルームで、ベッドは2つあった。
私はルヴィが買ってくれていた簡単な食事を食べてそのまま、また、熟睡したのだった。
その夜だ。私は変な予感がして、はっと目を覚ました。
その時だ。ベッドの向こうにナイフを持って立っていた男を見つけたのだ。
私が叫び声を上げるよりも早く、男はルヴィが寝ているベッドの上から思いっきりナイフを突き刺したのだった。
*****************************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
ルヴィの運命やいかに?
続きが気になる方はお気に入り登録、感想等して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
218
あなたにおすすめの小説
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
あなたのことなんて、もうどうでもいいです
もるだ
恋愛
舞踏会でレオニーに突きつけられたのは婚約破棄だった。婚約者の相手にぶつかられて派手に転んだせいで、大騒ぎになったのに……。日々の業務を押しつけられ怒鳴りつけられいいように扱われていたレオニーは限界を迎える。そして、気がつくと魔法が使えるようになっていた。
元婚約者にこき使われていたレオニーは復讐を始める。
初対面の婚約者に『ブス』と言われた令嬢です。
甘寧
恋愛
「お前は抱けるブスだな」
「はぁぁぁぁ!!??」
親の決めた婚約者と初めての顔合わせで第一声で言われた言葉。
そうですかそうですか、私は抱けるブスなんですね……
って!!こんな奴が婚約者なんて冗談じゃない!!
お父様!!こいつと結婚しろと言うならば私は家を出ます!!
え?結納金貰っちゃった?
それじゃあ、仕方ありません。あちらから婚約を破棄したいと言わせましょう。
※4時間ほどで書き上げたものなので、頭空っぽにして読んでください。
田舎娘をバカにした令嬢の末路
冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。
それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。
――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。
田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。
俺の妻になれと言われたので秒でお断りしてみた
ましろ
恋愛
「俺の妻になれ」
「嫌ですけど」
何かしら、今の台詞は。
思わず脊髄反射的にお断りしてしまいました。
ちなみに『俺』とは皇太子殿下で私は伯爵令嬢。立派に不敬罪なのかもしれません。
✻ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
✻R-15は保険です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる