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皆の憧れの第一王子殿下にエスコートされました
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そして、私は前世も含めて人生始めてのパーティーに出席するために、C棟(別名平民棟)女子寮の一階のロビーに降り立ったのだ。
「えっ、何か馬子にも衣装だな」
私を見つけたアハティが失礼なことを言ってくれたし、
「えっ、お前本当にニーナ?」
ヨーナスにも驚かれた。
うーん、地味で大人しい私も少しは見れるってことかな?
私がほくそ笑んだら、
「地味で大人しいって……」
「どの口が言うんだか」
二人して余計なことを言ってくれるんだけど……
「あ、ライラ嬢。お待たせしました」
アスモさんがやってきた。
「じゃあ、ニーナ、頑張ってね」
あっさりとアスモさんに連れられてライラが手を振って出ていくんだけど……
何か冷たい。
「じゃあ、ニーナ」
アハティも着飾った先輩を見つけて出ていき、ヨーナスとハッリは元々B棟のお貴族様の先輩を探しに行ったからここにはいないし、あっという間に私は一人になってしまった。
どんどんパートナーが来て、着飾った女性を連れ出すんだけど、私は最後の方に残ってしまったのだ。
どんどん人が居なくなっていくんだけど、殿下は忘れておられるのではないだろうか?
私はだんだん心配になってきた。
まあ、最悪一人で行けば良いけれど、皆がペアでいるなか、一人っきりと言うのもとても勇気のいるものだ。
殿下が来るまで暇なのと人がまだ一杯いるから、ウィル様らしき人を探すんだけど流石にいない。それと、いろんな男たちがいるんだけど、ウィル様ほどのイケメンはいない。ウイル様に匹敵するイケメンは殿下くらいだとその時に初めて気づいた。
まあ、今日は殿下でもいいか、と周りが聞いたら不敬罪で捕まりそうなことを考えてしまった。
でも、殿下は遅い! やっぱり見捨てられたのかも……
そう不安に思っていた時だ。
「本当に馬子にも衣装って言葉はあなたの為にあるのね」
失礼な物言いで私に話しかけてきたのは、同じクラスで男爵家をやたら強調していた、確かイルマとかいう女だった。今までの私だったら男爵様と聞いただけで跪いたかもしれないが、これだけ貴族の方々に囲まれて爵位のインフレーションの中にいると、ふーーーーんで終わってしまうんだけど……
「あなたもこんな立派な衣装を着ていると、街の娼婦くらいには見えてよ」
これは絶対に嫌味だ。
そして、彼女は私が見てもとても高価なゴテゴテしたドレスを着ているのは判った。
でも、派手すぎてどちらかと言うとお前の方が娼婦だろうと思わず言いそうになって、私は黙った。そうそう、相手は男爵様なのだ。うちの領主様と同じだ。失礼があってはいけない……
あれっ、でも、男爵ならライラとも同じ。ライラになら失礼な事も普通に言えるんだけど……
どうしよう?
私が下らないことで悩んでいた時だ。
「でも、いくら娼婦のように着飾っても待ち人が来ないんじゃ仕方がないんじゃない?」
イルマは嫌なことを言ってくれたのだ。もう許せなかった。
「それはあなたもおなじじゃ……」
「あっ、ヨキアム様」
イルマが入り口から入って来た少し太った男に手を振ったのだ。
男は紺の衣装に身を包んでニヤけた顔をしていた。こいつも成金趣味だ。
手に金の腕輪とかつけている。趣味が悪い。
「やあ、イルマ嬢、待ったかい」
「いいえ、私はいま来たところでしてよ」
ずーーーーーっと待っていたくせに、私は思わず笑ってしまった。
「な、何よ。いきなり笑うなんて失礼ね」
きっとしてイルマが私に言った。
「彼女は?」
「平民の女ですわ。名前は知りません」
「そうか。さすが平民は礼儀作法を知らないんだね。それもやけに安物の衣装を来ているじゃないか」
その男の言葉に流石に私もムッとした。これは近所のおばちゃんらが夜なべして作ってくれたとても大切なものなのだ。
お前らの金に飽かせた衣装と違うのよ!
切れた私は思わず叫びそうになった。
「そんな衣装を着たあなたなんか誰もさそってはくれ……」
でも、私はもうイルマなんて見ていなかった。
扉を開けて第一王子殿下が入って来られたのだ。
真っ白な生地に金糸が入った衣装はとても立派だった。とたんに私は自分の衣装が恥ずかしくなった。
一寸釣り合わなさすぎかも知れない。
思わず首をすくめて隠れようとしたが、そんな所を殿下に見つかってしまったのだ。
「ねえ、あれ第一王子殿下じゃない」
「本当だ」
「どうしたんだろう?」
場違いな人を見つけて、周りがざわめく。
「あなた、何を無視してくれている……えっ」
イルマは私の視線の先の人物を見て固まってしまった。
「殿下よ」
「生徒会長よ」
残っていた人たちから黄色い悲鳴が上がる。
「ゴメン、待たせたかな」
そう言うと殿下は私に手を差し伸べくれたのだ。
「いえ」
私は首を振るとその手に自分の手を重ねたのだ。
「きゃっ」
「で、殿下がエスコートしている」
「嘘!」
「誰あれ?」
「平民かな」
「あれよ」
「あれが噂の不敬女よ」
「ああ、平民にも関わらず第二王子殿下に喧嘩を売ったっていう」
何か外野がうるさいし、イルマとその連れが完全に固まっているのが見えたが、私はそれどころではなかった。
緊張でがちがちになりながら殿下の腕を掴んでゆっくりと歩き出したのだ。
そして、周りから羨望と嫉妬の視線をビシバシ感じながら、私は殿下と一緒に会場に向かったのだった。
******************************************************************
やっとエスコートになりました。
良かった書けて……
でも、殿下にエスコートされてニーナは静かにしていられるのか?
周りの反応は?
お楽しみに!
「えっ、何か馬子にも衣装だな」
私を見つけたアハティが失礼なことを言ってくれたし、
「えっ、お前本当にニーナ?」
ヨーナスにも驚かれた。
うーん、地味で大人しい私も少しは見れるってことかな?
私がほくそ笑んだら、
「地味で大人しいって……」
「どの口が言うんだか」
二人して余計なことを言ってくれるんだけど……
「あ、ライラ嬢。お待たせしました」
アスモさんがやってきた。
「じゃあ、ニーナ、頑張ってね」
あっさりとアスモさんに連れられてライラが手を振って出ていくんだけど……
何か冷たい。
「じゃあ、ニーナ」
アハティも着飾った先輩を見つけて出ていき、ヨーナスとハッリは元々B棟のお貴族様の先輩を探しに行ったからここにはいないし、あっという間に私は一人になってしまった。
どんどんパートナーが来て、着飾った女性を連れ出すんだけど、私は最後の方に残ってしまったのだ。
どんどん人が居なくなっていくんだけど、殿下は忘れておられるのではないだろうか?
私はだんだん心配になってきた。
まあ、最悪一人で行けば良いけれど、皆がペアでいるなか、一人っきりと言うのもとても勇気のいるものだ。
殿下が来るまで暇なのと人がまだ一杯いるから、ウィル様らしき人を探すんだけど流石にいない。それと、いろんな男たちがいるんだけど、ウィル様ほどのイケメンはいない。ウイル様に匹敵するイケメンは殿下くらいだとその時に初めて気づいた。
まあ、今日は殿下でもいいか、と周りが聞いたら不敬罪で捕まりそうなことを考えてしまった。
でも、殿下は遅い! やっぱり見捨てられたのかも……
そう不安に思っていた時だ。
「本当に馬子にも衣装って言葉はあなたの為にあるのね」
失礼な物言いで私に話しかけてきたのは、同じクラスで男爵家をやたら強調していた、確かイルマとかいう女だった。今までの私だったら男爵様と聞いただけで跪いたかもしれないが、これだけ貴族の方々に囲まれて爵位のインフレーションの中にいると、ふーーーーんで終わってしまうんだけど……
「あなたもこんな立派な衣装を着ていると、街の娼婦くらいには見えてよ」
これは絶対に嫌味だ。
そして、彼女は私が見てもとても高価なゴテゴテしたドレスを着ているのは判った。
でも、派手すぎてどちらかと言うとお前の方が娼婦だろうと思わず言いそうになって、私は黙った。そうそう、相手は男爵様なのだ。うちの領主様と同じだ。失礼があってはいけない……
あれっ、でも、男爵ならライラとも同じ。ライラになら失礼な事も普通に言えるんだけど……
どうしよう?
私が下らないことで悩んでいた時だ。
「でも、いくら娼婦のように着飾っても待ち人が来ないんじゃ仕方がないんじゃない?」
イルマは嫌なことを言ってくれたのだ。もう許せなかった。
「それはあなたもおなじじゃ……」
「あっ、ヨキアム様」
イルマが入り口から入って来た少し太った男に手を振ったのだ。
男は紺の衣装に身を包んでニヤけた顔をしていた。こいつも成金趣味だ。
手に金の腕輪とかつけている。趣味が悪い。
「やあ、イルマ嬢、待ったかい」
「いいえ、私はいま来たところでしてよ」
ずーーーーーっと待っていたくせに、私は思わず笑ってしまった。
「な、何よ。いきなり笑うなんて失礼ね」
きっとしてイルマが私に言った。
「彼女は?」
「平民の女ですわ。名前は知りません」
「そうか。さすが平民は礼儀作法を知らないんだね。それもやけに安物の衣装を来ているじゃないか」
その男の言葉に流石に私もムッとした。これは近所のおばちゃんらが夜なべして作ってくれたとても大切なものなのだ。
お前らの金に飽かせた衣装と違うのよ!
切れた私は思わず叫びそうになった。
「そんな衣装を着たあなたなんか誰もさそってはくれ……」
でも、私はもうイルマなんて見ていなかった。
扉を開けて第一王子殿下が入って来られたのだ。
真っ白な生地に金糸が入った衣装はとても立派だった。とたんに私は自分の衣装が恥ずかしくなった。
一寸釣り合わなさすぎかも知れない。
思わず首をすくめて隠れようとしたが、そんな所を殿下に見つかってしまったのだ。
「ねえ、あれ第一王子殿下じゃない」
「本当だ」
「どうしたんだろう?」
場違いな人を見つけて、周りがざわめく。
「あなた、何を無視してくれている……えっ」
イルマは私の視線の先の人物を見て固まってしまった。
「殿下よ」
「生徒会長よ」
残っていた人たちから黄色い悲鳴が上がる。
「ゴメン、待たせたかな」
そう言うと殿下は私に手を差し伸べくれたのだ。
「いえ」
私は首を振るとその手に自分の手を重ねたのだ。
「きゃっ」
「で、殿下がエスコートしている」
「嘘!」
「誰あれ?」
「平民かな」
「あれよ」
「あれが噂の不敬女よ」
「ああ、平民にも関わらず第二王子殿下に喧嘩を売ったっていう」
何か外野がうるさいし、イルマとその連れが完全に固まっているのが見えたが、私はそれどころではなかった。
緊張でがちがちになりながら殿下の腕を掴んでゆっくりと歩き出したのだ。
そして、周りから羨望と嫉妬の視線をビシバシ感じながら、私は殿下と一緒に会場に向かったのだった。
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やっとエスコートになりました。
良かった書けて……
でも、殿下にエスコートされてニーナは静かにしていられるのか?
周りの反応は?
お楽しみに!
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