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ダンジョンの前で食事作ったら一番できないのが私だと判ってしまってショックを受けました
ダンジョンは王都から馬車で8時間の所にあった。
「もう痛い」
「最低」
「なんて私達がこんな荷馬車なんかで移動しなくちゃいけないのよ」
それも移動は普通の馬車ではなくて、荷馬車という事でライラら貴族は散々ぶつぶつ文句を言っていた。学園の伝統だそうだ。
何事も体験ということで、夜の食事とかも自分らで作らないといけない。私は平民で自分で食事を作っていたので、自信満々だった。
まあ、騎士連中とハッリ男だし、ライラはお貴族様だから当然私が中心に作らなければいけないと思っていたのだ。
まあ、私は荷馬車の移動にも慣れていたけれど。
でも、さすがに八時間の移動は堪えた。
お尻がとても痛い。
「だめ、ニーナ、もうお尻痛くて立てない」
なんかライラが悲鳴上げている。
いつもは強気のライラがこんなふうになるなんて思ってもいなかった。
「これっくらいで痛いなんてどうしようもないよな」
ヨーナスが馬鹿にしたように言った。
「本当だよな。お貴族様のライラに比べてさすがにニーナは大丈夫みたいだし」
「失礼な。私も痛いわよ」
私が言ったが、
「平民ならば荷馬車の移動は普通だろう」
「そらあそうだけど、ここまでの長時間の移動は無いわよ。田舎から王都までは馬車で来たからクッションもきいていたし」
私は文句を言った。
「何なら、抱えて行ってやろうか」
ヨーナスがライラに申し出ていたが
「良いわよ。恥ずかしいし。何とか降りるわ」
這々の体で何とかライラは荷馬車から降りた。
「おいおい、こんなので明日、ダンジョンを歩けるのか」
「本当に」
呆れる男性二人を先頭に、私達は地上に降り立った。
久しぶりの大地は揺れて無くてホッとした。
ハッリは何も言わないが、おしりが痛いのは私と同じみたいで、お互いに苦笑いをしたけれど。
「ちょっと、ニーナ、肩化してよ。本当に痛いんだから」
ライラに肩貸して歩き出す。
何かとても重いんだけど。
私もお尻が痛いのに!
だが、そのライラが急にシャキンとして普通に歩き出したのだ。
「えっ?」
私が不思議がると
「殿下、すみません。火を起こして頂いて。私が手伝います」
いきなりライラが話しだしたのだ。
その前には薪をくべている会長がいた。
「やあ、ライラ嬢。荷馬車の旅は大変だっただろう」
「そんな事ありませんわ。あれっくらい。騎士の皆様のいつもの苦労に比べれば全然大したことはありませんもの」
今までのぶつぶつ文句を言っていたライラはどこに行ったんだろう? と私が呆れ果てたくらいの変わり様だった。
今回私達の班は会長の班と同じグループになったのだ。
周りからはさんざん羨ましがられた。
でも、私はできたらウィル様と一緒に来たかった。
そう手紙に書いたら、また、いつかダンジョンに一緒に探検しに行こうって返事が来て、私は有頂天になったんだけど。
それをライラに話したら、
「良い? あなたはウィル様狙いなのよね。私は殿下命なの。だから、アンタは絶対に私の邪魔しないでね」
とライラに釘を刺されたのだ。
まあ、私はウィル様命だから問題はないんだけど。
嬉々として会長の横に座って話すライラは本当に楽しそうだった。
「ライラ嬢、良いところに来た。皆に配る地図を少し修正しなければならなくなってね。手伝ってくれるか」
喜んで会長の隣りにベッタリとくっついたライラにアクセリ様が声をかけてきたのだ。
「えっ、アクセリ様。手伝いならニーナがいますけれど」
嫌そうな顔をしてライラが私に振ってきたんだけれど。
「えっ、私ですか」
「ニーナ!」
私の声にライラの怒った声がかぶさってきたんだけど。
「はいっ」
私は慌ててライラのために返事したんだけど。
「ライラ嬢。私の仕事はとても重要なのだよ。ニーナ嬢が地図に書き間違えて、遭難者が出たらどうする気だ」
何かアクセリ様が酷いことを言ってくれるんだけど。
確かに私はいい加減なところはあるかもしれないけれど、流石にそんな間違いはしないとは言い切れないけど……
「それはそうだ」
えっ、会長、そこ頷きますか? 私は頷いた会長に流石にムッとしたんだけど。
「ライラ嬢。頼むよ」
「えっ、そうですか」
会長に頼まれて渋々ライラはアクセリ様に付いて行ったのだ。
「会長……」
「殿下!」
「お手伝いします」
文句を言おうとした私は横から走ってきた二年生B組の同じグループの女の先輩たちに弾き飛ばされたのだった。
仕方無しに、ヨーナスらを手伝おうとしたんだけど、
「ニーナは見ているだけでいいよ」
「そうだ。ニーナに任せたら旨い料理も不味くなるからな」
ヨーナスとアハティがとても失礼なことを言ってくれるんだけど。
「何言うのよ。私は平民よ。料理くらい自分で作っていたんだから」
私が文句を言うと
「何作っていたんだよ」
「どのみち焼くだけで塩コショウで食っていたんだろ」
「そうだけど」
二人の言葉に何一つ反論できなかった。
「スープの出汁なんて取ったこと無いだろう」
「味付けに塩コショウだけってありえない」
騎士志望の二人に駄目だしされているんだけど。
「なんなのよ。騎士食ってそんな感じじゃないの?」
私がむっとして聞くと
「それはどうしても食材無いときとかはそうするけれど、騎士の楽しみって食うときだけだからな」
「食事の作り方は最初にみっちりと教わるんだよ」
「そうなんだ」
二人の説明に私は驚いた。
知らなかった。
その横でハッリもきれいにじゃがいもの皮を向いているんだけど、私は鉛筆削る要領でいつも剥くのに、ちゃんと包丁片手に持ってくるくる回して剥いている。
ハッリもひとり暮らしするときのためにお母さんに習っていたんだとか。
そう言えばおばあちゃんも最初は色々教えてくれようとしたけれど、包丁の使い方が下手な私に見かねたのか、
「アンタは見ているだけでいいから」
と食事の手伝いもさせてもらえなかった気がする。
「何だ、ニーナは食事も満足に作れないのか」
会長にまで駄目だしされているんだけど。
「失礼ですね。会長、食べ物なんて火が通っていたら良いんです」
私が言うと
「あのな。俺でも、スープには出汁をちゃんと取るぞ」
「えっ、会長って王子様ですよね。なのに料理したことあるんですか」
私が素っ頓狂な声を出すと
「当たり前だろう。王子でも騎士訓練とか行軍訓練とか普通にあるし、料理の仕方とかも徹底的に仕込まれるんだよ」
王子様にまで駄目だしされてしまったんだけど。
ひょっとしてこの中で一番料理ができないのって私なの?
私は唖然としてしまったのだ。
*********************************************
明日こそダンジョンに潜ります。
ニーナは無事に切り抜けられるのか?
続きは明日です!
ここまで読んで頂いて有難うございます。
このサイドストーリー
『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられ、氷の貴公子に執着されました』
この話のライラ視点です。ライラの性格がガラリと変わります。
是非ともお読みください。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/302819342
下にリンクも張っています
「もう痛い」
「最低」
「なんて私達がこんな荷馬車なんかで移動しなくちゃいけないのよ」
それも移動は普通の馬車ではなくて、荷馬車という事でライラら貴族は散々ぶつぶつ文句を言っていた。学園の伝統だそうだ。
何事も体験ということで、夜の食事とかも自分らで作らないといけない。私は平民で自分で食事を作っていたので、自信満々だった。
まあ、騎士連中とハッリ男だし、ライラはお貴族様だから当然私が中心に作らなければいけないと思っていたのだ。
まあ、私は荷馬車の移動にも慣れていたけれど。
でも、さすがに八時間の移動は堪えた。
お尻がとても痛い。
「だめ、ニーナ、もうお尻痛くて立てない」
なんかライラが悲鳴上げている。
いつもは強気のライラがこんなふうになるなんて思ってもいなかった。
「これっくらいで痛いなんてどうしようもないよな」
ヨーナスが馬鹿にしたように言った。
「本当だよな。お貴族様のライラに比べてさすがにニーナは大丈夫みたいだし」
「失礼な。私も痛いわよ」
私が言ったが、
「平民ならば荷馬車の移動は普通だろう」
「そらあそうだけど、ここまでの長時間の移動は無いわよ。田舎から王都までは馬車で来たからクッションもきいていたし」
私は文句を言った。
「何なら、抱えて行ってやろうか」
ヨーナスがライラに申し出ていたが
「良いわよ。恥ずかしいし。何とか降りるわ」
這々の体で何とかライラは荷馬車から降りた。
「おいおい、こんなので明日、ダンジョンを歩けるのか」
「本当に」
呆れる男性二人を先頭に、私達は地上に降り立った。
久しぶりの大地は揺れて無くてホッとした。
ハッリは何も言わないが、おしりが痛いのは私と同じみたいで、お互いに苦笑いをしたけれど。
「ちょっと、ニーナ、肩化してよ。本当に痛いんだから」
ライラに肩貸して歩き出す。
何かとても重いんだけど。
私もお尻が痛いのに!
だが、そのライラが急にシャキンとして普通に歩き出したのだ。
「えっ?」
私が不思議がると
「殿下、すみません。火を起こして頂いて。私が手伝います」
いきなりライラが話しだしたのだ。
その前には薪をくべている会長がいた。
「やあ、ライラ嬢。荷馬車の旅は大変だっただろう」
「そんな事ありませんわ。あれっくらい。騎士の皆様のいつもの苦労に比べれば全然大したことはありませんもの」
今までのぶつぶつ文句を言っていたライラはどこに行ったんだろう? と私が呆れ果てたくらいの変わり様だった。
今回私達の班は会長の班と同じグループになったのだ。
周りからはさんざん羨ましがられた。
でも、私はできたらウィル様と一緒に来たかった。
そう手紙に書いたら、また、いつかダンジョンに一緒に探検しに行こうって返事が来て、私は有頂天になったんだけど。
それをライラに話したら、
「良い? あなたはウィル様狙いなのよね。私は殿下命なの。だから、アンタは絶対に私の邪魔しないでね」
とライラに釘を刺されたのだ。
まあ、私はウィル様命だから問題はないんだけど。
嬉々として会長の横に座って話すライラは本当に楽しそうだった。
「ライラ嬢、良いところに来た。皆に配る地図を少し修正しなければならなくなってね。手伝ってくれるか」
喜んで会長の隣りにベッタリとくっついたライラにアクセリ様が声をかけてきたのだ。
「えっ、アクセリ様。手伝いならニーナがいますけれど」
嫌そうな顔をしてライラが私に振ってきたんだけれど。
「えっ、私ですか」
「ニーナ!」
私の声にライラの怒った声がかぶさってきたんだけど。
「はいっ」
私は慌ててライラのために返事したんだけど。
「ライラ嬢。私の仕事はとても重要なのだよ。ニーナ嬢が地図に書き間違えて、遭難者が出たらどうする気だ」
何かアクセリ様が酷いことを言ってくれるんだけど。
確かに私はいい加減なところはあるかもしれないけれど、流石にそんな間違いはしないとは言い切れないけど……
「それはそうだ」
えっ、会長、そこ頷きますか? 私は頷いた会長に流石にムッとしたんだけど。
「ライラ嬢。頼むよ」
「えっ、そうですか」
会長に頼まれて渋々ライラはアクセリ様に付いて行ったのだ。
「会長……」
「殿下!」
「お手伝いします」
文句を言おうとした私は横から走ってきた二年生B組の同じグループの女の先輩たちに弾き飛ばされたのだった。
仕方無しに、ヨーナスらを手伝おうとしたんだけど、
「ニーナは見ているだけでいいよ」
「そうだ。ニーナに任せたら旨い料理も不味くなるからな」
ヨーナスとアハティがとても失礼なことを言ってくれるんだけど。
「何言うのよ。私は平民よ。料理くらい自分で作っていたんだから」
私が文句を言うと
「何作っていたんだよ」
「どのみち焼くだけで塩コショウで食っていたんだろ」
「そうだけど」
二人の言葉に何一つ反論できなかった。
「スープの出汁なんて取ったこと無いだろう」
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騎士志望の二人に駄目だしされているんだけど。
「なんなのよ。騎士食ってそんな感じじゃないの?」
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「それはどうしても食材無いときとかはそうするけれど、騎士の楽しみって食うときだけだからな」
「食事の作り方は最初にみっちりと教わるんだよ」
「そうなんだ」
二人の説明に私は驚いた。
知らなかった。
その横でハッリもきれいにじゃがいもの皮を向いているんだけど、私は鉛筆削る要領でいつも剥くのに、ちゃんと包丁片手に持ってくるくる回して剥いている。
ハッリもひとり暮らしするときのためにお母さんに習っていたんだとか。
そう言えばおばあちゃんも最初は色々教えてくれようとしたけれど、包丁の使い方が下手な私に見かねたのか、
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と食事の手伝いもさせてもらえなかった気がする。
「何だ、ニーナは食事も満足に作れないのか」
会長にまで駄目だしされているんだけど。
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「あのな。俺でも、スープには出汁をちゃんと取るぞ」
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