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男どもは巨乳に変身した黒い十字架に騙されましたが、私は完全に切れてしまいました

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「あはははは」
私は大口を開けていやらしく笑う淫乱聖女を見ていた。

「これでキャサリンも終わりね」
淫乱聖女は笑って黒い大きな十字架をダンジョンに突き刺したのだ。

「何が聖女よ。そんな清らかな心も持っていないくせに。これで悪役ニセ聖女も終わりよ。キャサリン!」
大口を開けて笑う、淫乱聖女に私は完全に切れていた。


偽聖女はお前だろうが! お前こそ、濁りきった心しか持っていない淫乱聖女だろうが・・・・

「許さない!」
私は馬鹿笑いする聖女を思いっきり殴りつけたのだ。

「グッ」
手に衝撃を受けて目が覚める。

なんか殴った感触があったんだけど・・・・。

「キャ、キャサリン、お前な」
私の目の前には顔を押さえたハロルドがいた・・・・

私はテントの中で寝ていたのだ。私がうなされていて心配して覗き込んだハロルドを思いつきり殴りつけたらしい。

御免・・・・
謝ったんだけど、不機嫌なままだった。



そして、目の周りを黒くした不機嫌なハロルドを中心にダンジョンに向かったのだ。

「若、また、朝から派手にやられましたな」
エイブさんの大声が朝の挨拶だった。
皆私達に生暖かい視線を寄せてくるんだけど。

そんなに不機嫌にならなくてもいいじゃない。寝ていて間違って殴っただけだし・・・・と私は思ったんだけど。


「殿下の恋人は夜は激しいらしい」
「時たまヒステリーを起こされるらしいぞ」
「さすが魔獣の大軍を瞬殺されるだけのことはある」
兵士たちが噂している。

私がその方を睨みつけると皆、慌てて視線をそらすんだけど。

なんかみんな私を化け物みたいに見ているし、まあ、昨日はやりすぎたかもしれない。

でも、それだけ魔物が多かったから仕方がないじゃない。

私が不機嫌なのが判ったのか、今日は龍はさっさと私から逃げ出して、先頭をドシドシ歩いている。




しかし、ダンジョンに入ると相変わらず、魔物の数は多かった。

先頭の龍が大半はやっつけてくれるんだけど、それでも対処しきれない分を騎士達が対処してくれている。

奥からなんか禍々しいものを感じる。夢で見た黒い十字架だろうか?

私の話を聞いたエイブさんによると何でも黒い十字架なる闇の道具があるとかないとか言う話だった。



なんやかんやで、龍と出会ったところまで来ると、黒いもやもやみたいなのが、小山の上から感じられた。

「あれがこの元凶か?」
ハロルドが真ん中を指さした。

そこには巨大な黒い十字架が立てられていた。

「殿下、あそこから魔物が」
そこからは凄まじい瘴気のようなものが出ていて、そしてねその瘴気が固まると次々にいろんな魔物に変わっていくのだ。

なんか見ているだけで気持ち悪くなってきた。

龍も嫌そうにしている。

「龍、やっちゃって」
私が龍に言うが、龍はプイッと首を横に振ってくれたのだ。

「えっ?」
私は龍を睨みつけたが、龍は私に背を見せて明後日の方向を見てくれたのだ。

「なんだ、古代竜のくせに黒い十字架が怖いのか」
ハロルドが馬鹿にしたように言った。

ムッとして龍がハロルドを睨みつける。

「えっ?」
「所詮、古代竜と言えども爬虫類、大したことはないな」
二人の目がぶつかり合うんだけど。

「ふんっ、俺があの黒い十字架を壊してやるから貴様はそこで見ていろ」
言うや、ハロルドが駆け出した。

「で、殿下お待ち下さい」
騎士達も慌てて駆け出す。

ガオーーー
その上を怒り狂った龍が追い越して黒い十字架に向かったのだ。

まあ、私はあれに近づくのが嫌だったので、ここはあの馬鹿な一人と一匹に任せば良いだろう。私は見ているだけで良いし。



しかし、古代竜を先頭に大軍が向かってくるのを察知して、黒い十字架が命のあるもののようにピクリとしたのが見えた。

「えっ、あれって生きているの?」
男たちの愚かな争いを静観していた私は驚いた。

なんか必死にプルプル震えている。

でも、次の瞬間黒い十字架が女の人に変わったのだ。

それも何故か素っ裸で・・・・。それもめちゃくちゃ胸が大きいんだけど。

飛んで行った龍や騎士達やハロルドの動きが止まったのが判った。

はっ? 何これ。

目が点になって皆その元黒い十字架を見ているんだけど。

皆その大きな胸を見てだらしない笑みを浮かべている。

龍なんて空から尻尾を振っていた。



ピキピキピキピキ

それを見て、私は完全にプッツン切れていた。

「お前らなーーーーー」
私は最大に展開した障壁で、魅了されていたハロルドや龍諸共、思いっきり張り倒していたのだ。
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