婚約破棄されやけ酒飲んでると軽い男が声かけてきたので張り倒したら、何故か執着されました

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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王妃様まで現れて契約魔術まで持ち出されて結婚することが決まりました

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「で、キャロライン。オルグレンの3男坊は何が気に食わないのですか?」
 王妃様はストレートに私に聞いてきた。
 私が貴族の言葉を理解できないと理解してもらっていて、私としても気を使わなくて良いのは良いのだが、そこまでストレートに聞かれるとは思わなかった。

「いや、気に入らないというか、遊び人であると噂されているところが……」
 私はあの男の軽いところが嫌だった。又裏切られたら今度こそ私は立ち直れないだろう。

「まあ、エイブラハムは少し女性に優しいところがあったようで、そのように噂されているのも事実です。本人は二度とそのようなことはしないと言っているようですが、中々信じられませんか?」
「はい」
 王妃様に私は頷いた。

「他は何か気になることはありませんか?」
「他ですか?」
 他と言われても本人とほとんど話していないのだ。気にかかるところを見つけようもなかった。

「別にありませんが」
「そうですか? じゃあ、キャロラインとしては、エイブラハムが浮気さえしなければ良いと言うことね」
 王妃様が何故かニコニコ笑って私を見てくれるんだけど……私の背筋がぞわりとした。これは絶対によくないことが起こりそうだ。

「前回のパラウェイ子爵の息子との婚約の時は、陛下とあなたのお父様の騎士団長が決めたでしょう。それが間違いでした。子爵の息子があんないい加減な男だとは思いもしませんでした。もし、このまま、あなたが行かず後家になんかなったら、私はあの世で妹に合わせる顔がありません」
 王妃様は私のことをいつもとても心配してくれるのだ。

「だから、エイブラハムのことも徹底的に調べました。というか、エイブラハムは王太子の側近になりましたからね。今回は別に調査して問題あるようなことはなかったのよ」
 王妃様はそう言ってくれるんだけど……
 でも、今がよくてもこれだけ軽い男だと、未来はどうなるかは判らないのじゃないのか?
 私はそう思ったのだ。

「キャロライン。あなた今、将来的にはどうなるかは判らないと思ったでしょう?」
「えっ、いえ、その……はい」
 私は少し慌てたが、最後は頷いた。

「そう、私も危惧したのです。でも、安心しなさい。何と、エイブラハムは契約魔術をあなたと結ぶことに同意したのです」
「契約魔術ですか?」
 私は王妃様に聞き返した。
 王妃様が言うには、エイブラハムが浮気したら、処刑されても良いと言い出したそうなのだ。
 浮気したら処刑って、さすがにそれは厳しすぎるのではないかと私は思った。

「私もそう思ったのですが、エイブラハムはそこまでしてもあなたと結婚したいと言い張るのです。さすがにそれはきつすぎると私も思って却下しました」
 私はほっとした。

「その代わりに、浮気したら不能になるという契約魔術を結ばせることにしたのです」
 なんか王妃様が言っているんだけど、男にとってはそれは処刑されるのとそんなに変わらないことなのではないのだろうか?

「ということで、エイブラハム、出てきなさい」
「はい!」
 物陰から現れたエイブラハムを見て私は唖然とした。

 その後ろからは陛下と王太子殿下とエリザベス殿下、それに我が家のお父様とお兄様達、それとオルグレン伯爵夫妻までいるんだけど……

「私はあなたとキャロラインの婚約を認めたいと思います」
「はい。ありがとうございます」
「えっ、いや、王妃様」
 私は慌てたが、
「どうしたのです。キャロライン。あなたはエイブラハムが浮気したら嫌だと言ったから、それが出来ないようにしたのです。これだけ手を打てば完璧でしょう」
 王妃様はそう強引に言うと笑ってくれた。

 エイブラハムは手に大きなバラの花束を持っていた。
 そして、私の前に跪いてくれたのだ。

「凄い108本の赤いバラの花束よ」
 エルザベス殿下が感激してくれているんだけど……

「キャロライン・バーゼル。私と結婚してください」
 エイブラハムは私の前にそのバラの花束を差し出してくれたのだ。

 王族と家族と向こうの両親夫妻に見つめられて花束を差し出されて、私はもう、反対しようもなかった。

「はい」
 私が受け取ると盛大な拍手が起こったのだ。
 王妃様付きの侍女まで拍手してくれて私はもうどうしようもなかった。

 エイブラハムに寄って完全に外堀を埋められた私は逃げようもなかったのだ。

 まあ、婚約先は父や親戚が決めてくれると思っていた私に否応はなかったが、張り倒されて私が好きになった相手と結婚しても良いのか?
 そこが唯一心配だったが、もうどうしようもなかった。

 ここに私とエイブラハムが婚約をすっ飛ばして結婚することが決まってしまったのだった…
****************************************
ここまで読んで頂いて有り難うござました

 新作『母に叩かれ家出して魔術学園に入学したら何故か王子様と親しくなりました 平民少女のシンデレラストーリー』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/860023128書き出しました。


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