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王妃様に呼ばれました
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「どう思う、ダリア? もう最悪よ」
私は昨日あったことをたまたまお昼で食堂で会ったダリアにこぼしていたのだ。
「凄いじゃない。キャロライン。いきなりあなたのお父様のところにあいさつに来るなんて。もう結婚も決定じゃない」
ダリアが何かほざいてくれるんだけど、
「はああああ、私はあんな軽い男は嫌よ」
「嫌よって言ってもお父様は乗り気なんでしょう。止められるの?」
「止めるわよ」
私の声のトーンは少し弱くなった。
そうだ。昨日はあれから父とエイブラハムが意気投合して話し出して、私が口を挟む暇もなかったのだ。
「絶対にあなたにの心を射止めてみますから」
去り際にエイブラハムはそう言うと私に赤い3本のバラを置いていったのだ。
「もう無理なんじゃないかな」
ダリアが呟いてくれたが、誰がなんと言おうとも私は軽い男は嫌だ!
私が王女の部屋に戻ると、王女のところには来客があった。
「えっ?」
私はその男を見て目が点になったのだ。
王女の前にはエイブラハムが座っていたのだ。
「そうなの! あなたがキャロラインを幸せにしてくれるのね」
エリザベス王女は乙女のように、目をうるうるして感激してエイブラハムを見ているんだけど、なんで?
「まあ、キャロライン! 聞いたわよ。こちらのお兄様の側近のエイブラハムがあなたと婚約するんですって!」
「はい?」
付き合う話がいつの間にか婚約することになっているんですけど……何で?
というか、なんでこいつがここにいるのだ。
「父とバーゼル騎士団長の間では先程、内々に話がまとまりまして。直ちにキャロライン嬢の上司の殿下にお話だけはしておこうとこうしてはせ参じた次第です」
エイブラハムは平然と話してくれるんだけれど、そんな話は聞いていないわよ。
昨日までそんな話は出なかったじゃない。
「キャロライン・バーゼル、是非とも私との婚約を了承してください」
王女殿下の目の前でエイブラハムは私に対して跪くや、12本の赤いバラの花束を差し出してくれたのだ。
「まあ、目の前で婚約の申し込みを見られるなんて」
殿下は目を潤ませて感動してくれているんだけど。
こんな、期待に目を膨らませた王女の前で、拒絶なんて出来る訳はなかった。
しかし、私には意地があった。
「少し、考えさせてください」
私はそう答えるしか出来なかったのだ。
どうなっているの?
私にはよく判らなかった。
まあ、もともとあのゴードンとの婚約も父とバラウェイ子爵の間で結ばれた婚約だった。
それが父とオルグレン伯爵で結ばれるのならば同じと言えば同じだった。
しかし、私に張り飛ばされて、私が好きになるって絶対に変だ。
私はそこは納得がいかなかったのだ。
しかし、翌日更に状況は動いたのだ。
私は今度は王妃様の呼び出しを受けていた。
「お呼びと伺い参りました」
私は王妃様の部屋で跪いた。
「何をしているのです。取りあえず、座りなさい」
「えっ、しかし」
私は戸惑った。今は騎士の勤務中なのだ。それが王妃様の前に座っても良いのだろうか?
侍女長が頷いているので、私は仕方がないから王妃様の前の席についた。
「キャロライン。オルグレンの息子から言い寄られて、困っていると聞きました」
「王妃様にまで、もうお話がいっているのですか?」
私はとても驚いた。
「当たり前です。あなたは亡き妹が残した大切な忘れ形見ではありませんか。従兄妹の王太子もあなたが仕えてくれているエリザベスも気にかけているのは同じです」
「はっ、恐れ入ります」
私は王妃様に頭を下げた。
王妃様はこの国の伯爵家の出身で私のお母様の姉君、すなわち、私の伯母上に当たるのだ。
「バラウェイ子爵の息子の起こしたことは私も憤りを感じています。私の庇護下にある妹の娘にあのようなことをするなど、あの商会は二度と使いません」
王妃様が使わないと言ったら、おそらくこの国の貴族達も使わなくなるだろう。次期商会長のゴードンは大変だと思うけれど、それは仕方がないだろう。私は少し溜飲の下がる思いだった。
****************************************
ここまで読んで頂いて有り難うござました
新作『母に叩かれ家出して魔術学園に入学したら何故か王子様と親しくなりました 平民少女のシンデレラストーリー』https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/860023128書き出しました。
パシーン! アマーリアは母に頬を引っ叩かれて前世の記憶を取り戻した。この世界がどのゲームの世界か判らないけれど、前世病弱で出来なかった学園生活を楽しむために、アマーリアは反対する母の元から家出して王都の魔術学園に通うことに。平民のアマーリアはやっかい事を避ける為に、貴族とは出来るだけ接触しないように注意しているのに、何故か次々と貴族と関わってしまうことに。学園で再会した平民の幼なじみだと思っていたリックもどうやら貴族らしい。やることなすこと規格外のアマーリアとその友人達の巻き起こす学園ドタバタ劇。貴族達の虐めも持ち前のパワーと魔術の前で叩き潰すアマーリア。
探しているアマーリアの実の父は誰なのか?
アマーリアの母の正体がわかるとき衝撃の事実が判明します。
現在ドンドン更新中です
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/860023128
直リンクは20センチ位下にあります
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「もう無理なんじゃないかな」
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「えっ?」
私はその男を見て目が点になったのだ。
王女の前にはエイブラハムが座っていたのだ。
「そうなの! あなたがキャロラインを幸せにしてくれるのね」
エリザベス王女は乙女のように、目をうるうるして感激してエイブラハムを見ているんだけど、なんで?
「まあ、キャロライン! 聞いたわよ。こちらのお兄様の側近のエイブラハムがあなたと婚約するんですって!」
「はい?」
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王女殿下の目の前でエイブラハムは私に対して跪くや、12本の赤いバラの花束を差し出してくれたのだ。
「まあ、目の前で婚約の申し込みを見られるなんて」
殿下は目を潤ませて感動してくれているんだけど。
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しかし、私には意地があった。
「少し、考えさせてください」
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どうなっているの?
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それが父とオルグレン伯爵で結ばれるのならば同じと言えば同じだった。
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「えっ、しかし」
私は戸惑った。今は騎士の勤務中なのだ。それが王妃様の前に座っても良いのだろうか?
侍女長が頷いているので、私は仕方がないから王妃様の前の席についた。
「キャロライン。オルグレンの息子から言い寄られて、困っていると聞きました」
「王妃様にまで、もうお話がいっているのですか?」
私はとても驚いた。
「当たり前です。あなたは亡き妹が残した大切な忘れ形見ではありませんか。従兄妹の王太子もあなたが仕えてくれているエリザベスも気にかけているのは同じです」
「はっ、恐れ入ります」
私は王妃様に頭を下げた。
王妃様はこの国の伯爵家の出身で私のお母様の姉君、すなわち、私の伯母上に当たるのだ。
「バラウェイ子爵の息子の起こしたことは私も憤りを感じています。私の庇護下にある妹の娘にあのようなことをするなど、あの商会は二度と使いません」
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