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パパランダ伯爵視点 反逆者共を始末しようとしたら、赤髪の女が転移してきました
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ヴァルドネル伯爵が謀反を起こし、クイバニ伯爵家を殺して、領土を奪ったと聞いて俺は直ちに我が騎士団を招集した。我がパパランダ伯爵領は国境地帯を守る武の伯爵家だ。騎士団の強さには定評がある。
前国王の娘のアンネローゼか、なんだか知らんが、ブルーノ様の革命がなってから15年が経っている。今更、亡き国王の娘を引っ張り出してどうするつもりなのだ。もうこのスカンディーナ王国は女王陛下の国になっているのだ。それに反抗するということはすなわち反逆だ。
確かに、15年前、今の王配であるブルーノ様は国王夫妻を弑逆して王位を乗っ取った。正確には玉座についたのはその妻だが。
贅沢を極め国民を蔑ろにする国王夫妻を嗜める為に兵を起こしたとのことだが、弑逆したのは事実だ。
しかし、もう15年も経っているのだ。今更感満載だ。
そして、王女と名乗る女の背後には隣国オースティンの意向が見えすいている。
オースティンとしては、王女を繰って、あわよくばスカンディーナを傀儡国家にする気なのだろう。
内政不干渉を謳っている隣国の大国だが、やはり欲に目がくらんだらしい。
ここはスカンディーナ王国の伯爵として、反乱の目は早いうちに潰してしまうに越したことはないだろう。
幸いなことに我が伯爵家は国境を治めている関係で騎士団は日々鍛錬をしている。側妃が生んだ前国王の王子を担いで建国された新スカンディーナ王国との小競り合いにも良く招集される我が騎士団は平和に慣れきったオースティンの腰抜け共相手に、十二分に力を発揮してくれよう。
ひょっとするとこの反乱を潰した戦功によって侯爵位に陞爵されるかもしれない。
俺はほくそ笑んだ。
「一つ心配なのは、オーステン側は暴虐令嬢を送り込んでいるそうですが」
ノルディーン騎士団長が懸念事項を口にしてくれた。
「ふんっ、クリスティーンとかいう女だてらに、剣術の長けたと噂の公爵家の跡取り娘だろう」
俺は馬鹿にしたように言った。
「女は静かにしていれば良いものを、剣など振りおって」
「しかし、結構強いと聞いておりますが」
騎士団長がなおも言い募るが、
「ふんっ、それは平和ボケしたオースティン王国内だからだ。小競り合いの多い我が国ではその腕は大したことはあるまい」
俺は暴虐令嬢など大げさに吹聴しているだけで、形だけだと思っていた。
「まあ、左様で御座いますな。我々は実戦で日々鍛えられておりますからな」
騎士団長も納得したようだった。
「そうだ。わが方がそのような奴に、負けるわけはないではないか。その暴虐令嬢とやらに、現実の戦というものがどういうものか、じっくり思い知らせてやるわ」
何なら、捕まえて捕虜にしてやっても良い。実際の戦場が如何に恐ろしいものかその体に刻み込んでやっても良いのだ。
王女と一緒に戦利品としてブルーノ様に献上してもよい。
まあ、その令嬢たちがどうなるかは知らないが。
何なら、兵士たちに欲望の限りを尽くさせてやるのも一興か。
戦を狩猟か何かのスポーツと勘違いして来た奴らだ。体に刻んで後悔してもらうのも良かろう!
そうすればオースティンの愚かな奴らも二度と我が国土に攻め込もうとしないだろう。
俺はこれが我ながら良い案のように思えた。
俺は集まった騎兵100騎と歩兵900人を率いて、ヴァルドネルとの国境に向かったのだ。
伯爵領の端のムオニオ村とかいう外れの村の中に砦のようなものが見えた。
細い柵が、周りを囲っており、掘っ建て小屋のような物が真ん中に建っている。
「それで、砦のつもりか」
俺は呆れて言った。
「そうみたいですな」
呆れたように騎士団長も言った。
「よし、騎士団長。戦旗を立てよ」
我が伯爵領の旗が風にはためく。
俺はこの感じが好きだ。これから、この心得違いをしている伯爵領を制圧するのだ。
抵抗する奴らは何人殺しても問題はないのだ。
ついでに平民を何人殺しても良かろう。逃げ惑う平民共を次々に殺していくのも一興だ。
恨むのならば反逆した領主を恨め。
俺はほくそ笑んだ。
「貴様ら何奴だ。これより先はアンネローゼ王国だぞ」
何か勇敢というか蛮勇な男がそのちゃちな砦から飛び出してきた。
「ふんっ、その様な王国は知らぬな」
俺は大声で兵士に叫んだ。
「な、なんだと」
「ここはスカンディーナ王国だ。貴様らの行いは反逆に過ぎん」
「何がスカンディーナ王国だ。俺たちを疫病で皆殺しにしようとした殺人鬼どもめ。貴様も殺人鬼、ブルーノの手下か」
年取った男が叫んだ。
「ブルーノ様を殺人鬼呼ばわりするとは。不敬罪は免れんぞ。騎士団長。まずその不敬な男たちを血祭りにあげよ。その後、村に火をかけて焼き払うのだ」
俺は命じた。
兵士たちが喜んで行動に出ようとする。
騎士団長が男の前で剣を振りかぶった。
「ヒェぇぇぇ」
男は腰を抜かしていた。
「よし、騎士団長男たちを撫で斬りにしろ」
騎士団長の剣がキラリと無情に光った。
怯えた男の表情が恐怖に歪む。
俺はニヤリと笑った。我々に逆らうからこうなるのだ。
俺は騎士団長の剣が男を斬って血が飛び散るのを期待した瞬間だ。
パリン
騎士団長の剣が途中から折れて、その顔に鉄拳がのめり込むのが見えた。
騎士団長は吹っ飛んでこちらに飛んできたのだ。
俺はモロに騎士団長の直撃を受けて落馬してしまったのだ。
そして、今まで騎士団長が立っていた場所には赤髪を振り乱した女が立っていたのだ。
前国王の娘のアンネローゼか、なんだか知らんが、ブルーノ様の革命がなってから15年が経っている。今更、亡き国王の娘を引っ張り出してどうするつもりなのだ。もうこのスカンディーナ王国は女王陛下の国になっているのだ。それに反抗するということはすなわち反逆だ。
確かに、15年前、今の王配であるブルーノ様は国王夫妻を弑逆して王位を乗っ取った。正確には玉座についたのはその妻だが。
贅沢を極め国民を蔑ろにする国王夫妻を嗜める為に兵を起こしたとのことだが、弑逆したのは事実だ。
しかし、もう15年も経っているのだ。今更感満載だ。
そして、王女と名乗る女の背後には隣国オースティンの意向が見えすいている。
オースティンとしては、王女を繰って、あわよくばスカンディーナを傀儡国家にする気なのだろう。
内政不干渉を謳っている隣国の大国だが、やはり欲に目がくらんだらしい。
ここはスカンディーナ王国の伯爵として、反乱の目は早いうちに潰してしまうに越したことはないだろう。
幸いなことに我が伯爵家は国境を治めている関係で騎士団は日々鍛錬をしている。側妃が生んだ前国王の王子を担いで建国された新スカンディーナ王国との小競り合いにも良く招集される我が騎士団は平和に慣れきったオースティンの腰抜け共相手に、十二分に力を発揮してくれよう。
ひょっとするとこの反乱を潰した戦功によって侯爵位に陞爵されるかもしれない。
俺はほくそ笑んだ。
「一つ心配なのは、オーステン側は暴虐令嬢を送り込んでいるそうですが」
ノルディーン騎士団長が懸念事項を口にしてくれた。
「ふんっ、クリスティーンとかいう女だてらに、剣術の長けたと噂の公爵家の跡取り娘だろう」
俺は馬鹿にしたように言った。
「女は静かにしていれば良いものを、剣など振りおって」
「しかし、結構強いと聞いておりますが」
騎士団長がなおも言い募るが、
「ふんっ、それは平和ボケしたオースティン王国内だからだ。小競り合いの多い我が国ではその腕は大したことはあるまい」
俺は暴虐令嬢など大げさに吹聴しているだけで、形だけだと思っていた。
「まあ、左様で御座いますな。我々は実戦で日々鍛えられておりますからな」
騎士団長も納得したようだった。
「そうだ。わが方がそのような奴に、負けるわけはないではないか。その暴虐令嬢とやらに、現実の戦というものがどういうものか、じっくり思い知らせてやるわ」
何なら、捕まえて捕虜にしてやっても良い。実際の戦場が如何に恐ろしいものかその体に刻み込んでやっても良いのだ。
王女と一緒に戦利品としてブルーノ様に献上してもよい。
まあ、その令嬢たちがどうなるかは知らないが。
何なら、兵士たちに欲望の限りを尽くさせてやるのも一興か。
戦を狩猟か何かのスポーツと勘違いして来た奴らだ。体に刻んで後悔してもらうのも良かろう!
そうすればオースティンの愚かな奴らも二度と我が国土に攻め込もうとしないだろう。
俺はこれが我ながら良い案のように思えた。
俺は集まった騎兵100騎と歩兵900人を率いて、ヴァルドネルとの国境に向かったのだ。
伯爵領の端のムオニオ村とかいう外れの村の中に砦のようなものが見えた。
細い柵が、周りを囲っており、掘っ建て小屋のような物が真ん中に建っている。
「それで、砦のつもりか」
俺は呆れて言った。
「そうみたいですな」
呆れたように騎士団長も言った。
「よし、騎士団長。戦旗を立てよ」
我が伯爵領の旗が風にはためく。
俺はこの感じが好きだ。これから、この心得違いをしている伯爵領を制圧するのだ。
抵抗する奴らは何人殺しても問題はないのだ。
ついでに平民を何人殺しても良かろう。逃げ惑う平民共を次々に殺していくのも一興だ。
恨むのならば反逆した領主を恨め。
俺はほくそ笑んだ。
「貴様ら何奴だ。これより先はアンネローゼ王国だぞ」
何か勇敢というか蛮勇な男がそのちゃちな砦から飛び出してきた。
「ふんっ、その様な王国は知らぬな」
俺は大声で兵士に叫んだ。
「な、なんだと」
「ここはスカンディーナ王国だ。貴様らの行いは反逆に過ぎん」
「何がスカンディーナ王国だ。俺たちを疫病で皆殺しにしようとした殺人鬼どもめ。貴様も殺人鬼、ブルーノの手下か」
年取った男が叫んだ。
「ブルーノ様を殺人鬼呼ばわりするとは。不敬罪は免れんぞ。騎士団長。まずその不敬な男たちを血祭りにあげよ。その後、村に火をかけて焼き払うのだ」
俺は命じた。
兵士たちが喜んで行動に出ようとする。
騎士団長が男の前で剣を振りかぶった。
「ヒェぇぇぇ」
男は腰を抜かしていた。
「よし、騎士団長男たちを撫で斬りにしろ」
騎士団長の剣がキラリと無情に光った。
怯えた男の表情が恐怖に歪む。
俺はニヤリと笑った。我々に逆らうからこうなるのだ。
俺は騎士団長の剣が男を斬って血が飛び散るのを期待した瞬間だ。
パリン
騎士団長の剣が途中から折れて、その顔に鉄拳がのめり込むのが見えた。
騎士団長は吹っ飛んでこちらに飛んできたのだ。
俺はモロに騎士団長の直撃を受けて落馬してしまったのだ。
そして、今まで騎士団長が立っていた場所には赤髪を振り乱した女が立っていたのだ。
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