母に叩かれ家出して魔術学園に入学したら何故か王子様と親しくなりました 平民少女のシンデレラストーリー

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

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魔術最低クラスの面々を世界最高の魔術の先生が教えてくれることになりました

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 私達はそれから一週間ただひたすら体力作りに励んだ。
 私は素振りを朝昼晩の一時間、他の皆は男達の出来る者は腕立て200回、腹筋200回、10メートルダッシュ200回、女達は腕立て100回腹筋100回、10メートルダッシュ100回。中には出来ない者もいたが、他のメンバーが必死に応援した。

 昼時に食事を早食いで終わらせて、食堂の傍でいきなり体力アップに取り組みだす、私達は異様だった。
「魔術大会の直前で体力作りを一からするなんて馬鹿じゃないの?」
「まあ、所詮はC組だからな」
「体力馬鹿の脳筋だけだろう」
 他のクラスの連中には散々馬鹿にされていた。

「まあ、所詮、あの、アマーリアって女も脳筋だからな」
 バッヘムら一年B組の連中にも馬鹿にされたが、もう私達は反論しなかった。
 反論する暇があればやるしかないのだ。まあ、基礎体力あげても魔術が強くなるかどうかは判らないけれど、世界一の魔術師のヨーゼフ先生が「何でも基本は体力じゃ」と言っていたはずだ。
 それを信じるしかなかった。


 理科の授業の時だ。
 我がクラスの理科の担当は一年A組の担任のリップマンだ。こいつは私を地球が太陽の周りを回っていると言う前世日本の常識を言っただけなのに、ガリレイ並みの大馬鹿者だと皆に広言していたむかつく教師だ。100年後か千年後に真実を知って悔やめと私は心の中で叫んでいたけれど……

「君たち学年の最低クラスのC組の連中は、魔術大会の前で皆が必死に魔術を訓練している今、何をとち狂ったか、体力作りに精を出しているそうじゃないか。まあ、魔術大会を諦めて、今から卒業後に学園の雑用係で働くために体力を作るとはとても感心だな。特に地球が太陽の周りを回っているなどという異端を信じているアマーリアは、採用してくれるところが無いから、今から体力作りするのも大切だぞ」
 とか言って大笑いしてくれた。
 余程そのまま燃やしてやろうかと私は心の中で思ったが、さすがに授業中に先生を燃やすのはまずいと思いとどまったのだ。
 そんなことしたら退学は確実だと思うし……

 でも、それから皆の目の色が変った。
「アミ、絶対にA組の奴らをやっつけるからちゃんと教えてね」
「そうよ。アミ、私腕立て100回できるようになったからなんとかなるわよね」
「私もダッシュ100回続けてできるようになったから魔術強くなれたよね」
 ビアンカ達が訓練中に私に確認してくれた。

「と、当然よ」
 私は大きく頷いたのだ。

 本当はそんな根拠どこにもないんだけど……こうなったら仕方がない。
 私はヨーゼフ先生に頼むことにした。


「先生、お願いがあるんですけど」
「嫌じゃ」
 私が折角とびきりの笑顔をヨーゼフ先生に見せてお願いしたのに、中身を聞かずに即答された。

「何故ですか、先生?」
「アミがその得体の知れない笑顔をするときは碌な事が無い」
「得体の知れない笑顔ってなんなんですか」
 私が膨れると
「はっ? 鏡で見てみい、その胡散臭い笑顔を」
 ヨーゼフ先生は私の目の魔術で鏡を出してくれた。
 でも、そこにはふくれっ面の私が写っているだけだ。

「どこにも笑顔なんてないですよ」
「もう一度やってみい。いかにも詐欺師ですという顔のアミがいたぞ」
「世界一の魔術師であるヨーゼフ先生にお願いしたいという私の心の声が漏れていたんです」
「はああああ?」
 ヨーゼフ先生は白い目で私を見てくれたが、

「まあ、世界一の魔術師はあっているがの」
 ほおひげを押えながら頬が緩みがちになっているヨーゼフ先生がいた。
 この先生はヨイショに弱い。ここだ!

「でしょう。私の依頼は世界一の大魔術師のヨーゼフ先生にしかかなえられない事なんです」
「まあ、儂にかかれば不可能はないが」
「そうですよね」
「で、何じゃ? その方の願いとは。転移魔術でも学びたいのか?」
「えっ、転移魔術を教えて頂けるのですか?」
「まあ、お主にはまだ早いとは思うが、無理すれば教えられぬ事も無い。まあ凄まじい修行が必要になるがの」
 私の期待に満ちた声にヨーゼフ先生は答えてくれた。

「ああ、でも、ちょっと今は」
「まあ、お主に剣術も教えねばならぬしな」
私の言葉にヨーゼフ先生は頷いてくれたが、そうだ、今は私の問題ではなかった。

「実は魔術大会でCクラスの皆に勝たせてあげたいんです」
「はああああ? Cクラスと言えば基礎学力はあっても魔術が最低のクラスではないか! そんなクラスの面々が勝てる訳ないじゃろうが」
 ヨーゼフ先生がとんでもないという顔で私を見た。

「そう、普通の先生なら無理です。でも、世界一の魔術師であるヨーゼフ先生ならば出来ると思うんです」
「いや、それはそうじゃが儂にも出来ることと出来ない事が……」
「先程先生は不可能はないとおっしゃいましたが」
「それはそう申したが、それはある程度の基礎が出来るもののことで」
「基礎ならこの一週間、先生が私に課したように皆に必死に基礎体力をつけさせました」
 私はここぞとばかりにヨーゼフ先生にアピールしたのだ。
「いや、魔術は別に体力なんてそうは必要ではないぞ」
 なのに先生はこんな事を言ってくれたんだけど……

「じゃあ、何で私には基礎トレーニングをさせたんですか? てっきり魔術にも体力が必要だからと勘違いしたではないですか!」
「はああああ? アミは剣術が強くなりたいと申したのであろう。強化魔術を教えるにもまず基本が出来ていないとどうしようもないではないか! その方剣を持ったこともなかったであろうが!」
 切れた私にヨーゼフ先生は逆ギレしてくれたんだけど……でも、先生の言うことはもっともだった。
 そうか、魔術に基礎体力は必要ないのか? 一週間も余計な事をさせてしまった。
 これはまずい。

「先生、先生が魔術は基礎体力が大切だとおっしゃられたから私みんなにさせたんです。誤解させた先生のせいです」
「はあ? 私は剣術だといったぞ」
「魔術全般だと思ったんです。ここはなんとか助けて下さい」
「その方が勝手に誤解しただけであろうが」
「先生が教えてくれたらあんないかがわしいところに先生がいたなんて皆に言いふらしませんから」
 私は今度は脅すことにした。
「おい、まだその事を持ち出すのか?」
 苦虫をかみ殺したような顔をヨーゼフ先生がしてくれた。
 あれ、上手くいかない……これはまずい。

「大先生お願いします」
「しかしだな」
 大先生でも駄目か……それなら

「A組の先生がいくらヨーゼフ先生でも出来ないだろうと笑っていらっしゃいました」
「なんじゃと、あの理科きちがい、そんなことを申していたのか」
「はい。世界一などと言うからどれだけ凄いかと思っていたが、全然大したことはないな」
 と二年A組のアッヘンバッハ先生が似たような事を言っていたのは事実だ。私は決して一年A組の担任だとは言っていない。

「おのれ、そこまで儂を馬鹿にするか! 覚えておけよリップマン。高々子爵出身のくせにいい気になりおって目に物見せてくれるわ」
 やった!
 ヨーゼフ先生が勘違いしてやる気になってくれた。

「アミ、明日の放課後にお前のクラスの面々を連れてこい。一から徹底的に鍛えてやるわ!」
「有り難うございます」
 これで少しは戦えるようになるだろう。私はほっとしたのだ。
**********************************************
ここまで読んで頂いて有り難うございます。
筋肉は裏切らない!
でも、アミノ努力は無駄な努力だった?
ヨーゼフに教えてもらうことによって本当に勝てるようになるのか?
続きをご期待下さい
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