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古都の大聖堂で帝国皇子が聖女像を光らせてくれて大騒ぎになりました
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私はデ・ボックがギャーギャー騒ぎ出した時はどうなるかと思ったが、モーリスが出てきてくれてほっとした。なんとかやっかいごとが収まったと思った。これで煩いデ・ボックとエーディットが静かになればと期待したのだ。
でも、そこで解散した後に私はファルハーレン伯爵夫人に捕まったのだ。
「リーゼさん。私が言うことではないかもしれないけれど、基本的にツアーに参加している方々は皆平等のはずでしょう。払っている値段は同じなんですから。それを身分の一番高い者を優遇するというのはどうなのかしら」
私はファルハーレン伯爵夫人から言われるまでそうは考えなかった。
確かに夫人の言うその通りだ。公爵家だから値段が二倍で平民だからツアー代金が半額と言うことはないのだ。
「申し訳ありません。私の考え不足でした」
私は一応謝ったのだ。
でも、どうしたら良かったんだろう?
私はそれを夫人に尋ねようとしたが、
「まあ、終わったことは今更かもしれないけれど、今後はきちんと考えてね」
夫人はそう言ってニコリと笑って去って行ったのだ。
後は自分で考えなさい。その背中がそう言っていたんだけど……
でも、どうしたら良かったんだろう?
あの時は時間もなかったし……
私は回答を教えてくれなかった夫人に少しむっとしてしまったのだ。
「リーゼさん、どうしたんだい。そろそろ集合時間だよ」
ロンバウトが声をかけてくれるまで私はその場で悩んでいたのだ。
「あっ、申し訳ありません。すぐに行きます」
私が馬車に行った時は既に大半の方が揃っていた。
点呼をすると、まだ、ステファニーが来ていなかった。
何しているのよ!
私を夜遅くまで人を散々愚痴に付き合わせるからだ。
でも、朝食をギリギリで食べたのは確認したので、起きてはいるはずだ。
私が馬車の前でイライラして待っていたら、
「申し訳ありません!」
ステファニーが慌ててやってきた。
私はほっとした。
馭者の手を借りて、ステファニーが一号車にやっと乗り込んでくれた。
最後部のヨハンを見ると手を挙げてくれた。
「では、皆様お揃いになられましたので、これより出発いたします」
私がメイベルさんに合図するとメイベルさんが馬車を出してくれた。
「皆様。どうもありがとうございました」
「「「ありがとうございました」」」
ホテルの従業員一同が頭を下げて見送ってくれた。
その先頭には支配人のアーモンドがいたんだけど、ステファニーが何を言ったのか、あの後アーモンドはとても私に慇懃になったのだ。
と言うかとても恐れていた。
何でだろう?
私には後でステファニーから聞き出そうと心に決めたのだ。
馬車は今日は20分走って、大聖堂の前で止まった。今日は観光が盛りだくさんで、最初はこの大聖堂なのだ。
「はい、皆様、こちらの大聖堂は今から500年前に我が国の始祖が立てられた物でございます。我が王国は元々この地タカヤマから始まりました。しかし、建国から30年後に手狭になったという事で二代目国王陛下アレクサ1世の時に今の王都フェルムに遷都されたのです。この地タカヤマには今でもその当時の面影が残っております。このタカヤマ大聖堂もその時の名残で大きさは王都の大聖堂に次いで2番目に大きく、古さはヒルフェルスム王国の前の王朝の古都バーミアンの大聖堂の次に古いものになっております」
私は建物の中に進んだのだ。
「添乗員さん、私達はここで良いわ」
案内の途中でエーディットとデ・ボックが何回も来たのでもう案内はいらないと言って、馬車に帰って行った。
さすがにこの王都から馬車で一日のこの古都タカヤマに来たことのある人も多くて、この大聖堂も既に何回も来ている人も多い。
私の案内を聞く人は途中からどんどん減っていった。
「そう、こちらの聖女像は今から100年前に帝国から送られた物で……」
私が青銅色の聖女像を見て説明した時はロンバウト含めて10名もいなかった。
「そうか、これが賢帝コーバス二世が送られた聖女像か」
ロンバウトが一番前でふんふんと頷いていた。自分の国から送られたということで興味があるんだろうか? 私が見ていると、
「確か、目に光を当てると像が金色に光るはずだぞ」
そう言ってロンバウトが、
「光よ!」
と聖女像の目に光を当ててくれたのだ。
「えっ?」
私が慌てて止める間もなかった。
ロンバウトの発した光が目に当たると聖女像の目が金色に光り、それがあっという間に、像全体を覆ったのだ。
像が金ぴかに光り輝いていた。
「おおおお」
「奇跡だ!」
「神の奇跡だぞ」
あっという間に周りから人が一杯集まってきて、私は唖然とした。
その後慌てて飛んで来た司祭に根掘り葉掘り聞かれて大変だった。
「ロンバウト様、今後は何かされる時は前もってお教えくださいね」
私はまだまだ引き留めようとした司祭に時間がないからと強引に振り切って出てきた。
本当に大変だったのだ。時間は遅くなるし私は気が気ではなかった。
「いやあ、悪い悪い」
軽い口調でロンバウトは謝ってくれたんだけど。全然反省が足りない。
私はむっとした。
「いや、昔、赤髪の女の子に『この大聖堂にあるマリア像の目に光を当てると金色に光り輝くんだ』と言ったのに、信じてくれなくてさ。君の赤髪見たら思いだしてしまったんだ」
ロンバウトは言い訳してくれたんだけど……
いや、待って、その話、どこかで聞いた記憶がある。それも遙か昔に……
「リーゼさん大丈夫でしたか?」
そこに私を見つけて慌ててヨハンが駆けつけてくれた。
「なんとかね」
私が頷くと
「ロンバウト様。勝手な行動はツアーのスケジュールを乱す行為になりますから、今後はご遠慮ください」
ヨハンがきつい口調で注意していた。
「いやあ、悪い悪い、今モリーゼさんに注意されていたところだよ」
笑ってロンバウトが謝っていたけれど、
「ちょっと、添乗員さん、何やっているのよ!」
「何分待たせたら気が済むんだ?」
エーディットとデ・ボックが文句を言ってきた。
「申し訳ありません」
私は取りあえず謝った。
「いやあ、エーディット嬢、リーゼさんは悪くないよ。俺が余計な事をしたからなんだ」
ロンバウトが横から謝ってくれた。
「まあ、ロン様は問題ありませんわ。スケジュールを管理するのはツアーコンダクターの仕事ですから、責任はリーゼさんにありますわ」
エーディットがそう言って私を睨み付けてきた。
「まあまあ、スケジュールが遅れたものは仕方がありませんから、さっさと出発しましょうか」
横からモーリスがそう言い出してくれて、私は30分遅れで、馬車を出せたのだ。
最初の観光地から30分遅れのツアーの先行きに私は不吉なものを感じたのだった。
************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
果たして今日の行程はきちんこなして迷宮都市に着けるのか?
続きは明日です
お楽しみに
でも、そこで解散した後に私はファルハーレン伯爵夫人に捕まったのだ。
「リーゼさん。私が言うことではないかもしれないけれど、基本的にツアーに参加している方々は皆平等のはずでしょう。払っている値段は同じなんですから。それを身分の一番高い者を優遇するというのはどうなのかしら」
私はファルハーレン伯爵夫人から言われるまでそうは考えなかった。
確かに夫人の言うその通りだ。公爵家だから値段が二倍で平民だからツアー代金が半額と言うことはないのだ。
「申し訳ありません。私の考え不足でした」
私は一応謝ったのだ。
でも、どうしたら良かったんだろう?
私はそれを夫人に尋ねようとしたが、
「まあ、終わったことは今更かもしれないけれど、今後はきちんと考えてね」
夫人はそう言ってニコリと笑って去って行ったのだ。
後は自分で考えなさい。その背中がそう言っていたんだけど……
でも、どうしたら良かったんだろう?
あの時は時間もなかったし……
私は回答を教えてくれなかった夫人に少しむっとしてしまったのだ。
「リーゼさん、どうしたんだい。そろそろ集合時間だよ」
ロンバウトが声をかけてくれるまで私はその場で悩んでいたのだ。
「あっ、申し訳ありません。すぐに行きます」
私が馬車に行った時は既に大半の方が揃っていた。
点呼をすると、まだ、ステファニーが来ていなかった。
何しているのよ!
私を夜遅くまで人を散々愚痴に付き合わせるからだ。
でも、朝食をギリギリで食べたのは確認したので、起きてはいるはずだ。
私が馬車の前でイライラして待っていたら、
「申し訳ありません!」
ステファニーが慌ててやってきた。
私はほっとした。
馭者の手を借りて、ステファニーが一号車にやっと乗り込んでくれた。
最後部のヨハンを見ると手を挙げてくれた。
「では、皆様お揃いになられましたので、これより出発いたします」
私がメイベルさんに合図するとメイベルさんが馬車を出してくれた。
「皆様。どうもありがとうございました」
「「「ありがとうございました」」」
ホテルの従業員一同が頭を下げて見送ってくれた。
その先頭には支配人のアーモンドがいたんだけど、ステファニーが何を言ったのか、あの後アーモンドはとても私に慇懃になったのだ。
と言うかとても恐れていた。
何でだろう?
私には後でステファニーから聞き出そうと心に決めたのだ。
馬車は今日は20分走って、大聖堂の前で止まった。今日は観光が盛りだくさんで、最初はこの大聖堂なのだ。
「はい、皆様、こちらの大聖堂は今から500年前に我が国の始祖が立てられた物でございます。我が王国は元々この地タカヤマから始まりました。しかし、建国から30年後に手狭になったという事で二代目国王陛下アレクサ1世の時に今の王都フェルムに遷都されたのです。この地タカヤマには今でもその当時の面影が残っております。このタカヤマ大聖堂もその時の名残で大きさは王都の大聖堂に次いで2番目に大きく、古さはヒルフェルスム王国の前の王朝の古都バーミアンの大聖堂の次に古いものになっております」
私は建物の中に進んだのだ。
「添乗員さん、私達はここで良いわ」
案内の途中でエーディットとデ・ボックが何回も来たのでもう案内はいらないと言って、馬車に帰って行った。
さすがにこの王都から馬車で一日のこの古都タカヤマに来たことのある人も多くて、この大聖堂も既に何回も来ている人も多い。
私の案内を聞く人は途中からどんどん減っていった。
「そう、こちらの聖女像は今から100年前に帝国から送られた物で……」
私が青銅色の聖女像を見て説明した時はロンバウト含めて10名もいなかった。
「そうか、これが賢帝コーバス二世が送られた聖女像か」
ロンバウトが一番前でふんふんと頷いていた。自分の国から送られたということで興味があるんだろうか? 私が見ていると、
「確か、目に光を当てると像が金色に光るはずだぞ」
そう言ってロンバウトが、
「光よ!」
と聖女像の目に光を当ててくれたのだ。
「えっ?」
私が慌てて止める間もなかった。
ロンバウトの発した光が目に当たると聖女像の目が金色に光り、それがあっという間に、像全体を覆ったのだ。
像が金ぴかに光り輝いていた。
「おおおお」
「奇跡だ!」
「神の奇跡だぞ」
あっという間に周りから人が一杯集まってきて、私は唖然とした。
その後慌てて飛んで来た司祭に根掘り葉掘り聞かれて大変だった。
「ロンバウト様、今後は何かされる時は前もってお教えくださいね」
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「いやあ、悪い悪い」
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ロンバウトは言い訳してくれたんだけど……
いや、待って、その話、どこかで聞いた記憶がある。それも遙か昔に……
「リーゼさん大丈夫でしたか?」
そこに私を見つけて慌ててヨハンが駆けつけてくれた。
「なんとかね」
私が頷くと
「ロンバウト様。勝手な行動はツアーのスケジュールを乱す行為になりますから、今後はご遠慮ください」
ヨハンがきつい口調で注意していた。
「いやあ、悪い悪い、今モリーゼさんに注意されていたところだよ」
笑ってロンバウトが謝っていたけれど、
「ちょっと、添乗員さん、何やっているのよ!」
「何分待たせたら気が済むんだ?」
エーディットとデ・ボックが文句を言ってきた。
「申し訳ありません」
私は取りあえず謝った。
「いやあ、エーディット嬢、リーゼさんは悪くないよ。俺が余計な事をしたからなんだ」
ロンバウトが横から謝ってくれた。
「まあ、ロン様は問題ありませんわ。スケジュールを管理するのはツアーコンダクターの仕事ですから、責任はリーゼさんにありますわ」
エーディットがそう言って私を睨み付けてきた。
「まあまあ、スケジュールが遅れたものは仕方がありませんから、さっさと出発しましょうか」
横からモーリスがそう言い出してくれて、私は30分遅れで、馬車を出せたのだ。
最初の観光地から30分遅れのツアーの先行きに私は不吉なものを感じたのだった。
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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
果たして今日の行程はきちんこなして迷宮都市に着けるのか?
続きは明日です
お楽しみに
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