恋に破れた転生王女はツアコンを目指します

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され

文字の大きさ
24 / 31

最後の区画は『黒の間』ではなくて『宇宙の間』でした

しおりを挟む
「宜しいですか? では次の間に行きたいと思います」
 ボンゴレは皆を見回してそう言うと、奥に歩き始めた。

 そして、歩いて行くと大空の中にいきなり大きな扉が現れたのだ。
 くすんだグレーの扉の前に赴く。

 全員が門の前に揃ったのを確認すると
「開門!」
 ボンゴレは門に向かって詠唱してくれた。
 扉が大きく開く。

「「「おおおお!」」」
 門の中に入った途端に皆大きな声を上げていた。

 私が門の中に入るとそこは見る限り真っ赤だった。

 辺り一面火の海だった。
 足下は真っ赤に燃えていて火山の中というか、太陽の上にいるような感じだった。天井も真っ赤だ。
 そして、周囲は一面火の海だった。
 周り一面燃えており、本当に火の海だった。

「でも、全然熱くないのね」
 不思議そうにステファニーが呟いた。
「あら、本当だわ」
「何故かしら」
 皆不思議そうにする。

「こちらが『赤の間』です。ごらんのように火が燃えているように見えますが、あくまでも迷宮が見せてくれる映像なのです。実際に燃えている訳ではございませんので、そこは問題はありません」
 ボンゴレが説明してくれた。
「この赤の間は今は亡き皇太后様がお好きでした」
 そうだ。ここはお祖母様が火山の中にいるみたいとお気に入りだったのだ。


 次の『黄の間』はその名の通り一面黄色だった。
 地面は一面タンポポの花が咲いていた。そして、周りは巨大な銀杏の木が空まで伸びていて、全体が紅葉というか黄色になっていて周り一面黄色だった。
「凄いわ、一面真っ黄色よ!」
 ステファニーが嬉しそうに叫んでくれた。

 その後は一面新緑の『緑の間』と紫のスミレとあじさいだらけの『紫の間』、白亜の建物群のある『白の間』だった。

「さて、皆様、最後の部屋になります」
 ボンゴレは皆を見渡した。
「開門!」
 ボンゴレの声とともに巨大な門が大きく開いた。

「えっ」
 そこは真っ暗だったのだ。
 黒いと言うよりもくらい。
 でも、遠くに何かが瞬いている。これは何だろう?
「この真っ暗なのが『黒の間』です」
 ボンゴレが案内してくれた。
 でも、私は『黒の間』にも何度も来たことがあるが、これは違う。『黒の間』はこんな感じではないのだ。それに空に多くの星が瞬いているのだ。暗闇になれた私の目は多くの星を捉えだしていた。

「これが『黒の間』か?」
 不審そうにロンバウトが声を出してくれた。
「そうですが、何かご不満でも?」
 ロンバウトの声に不満そうにボンゴレが言い放ったが、
「『黒の間』はもっとはっきりした黒だったと思うわ」
 ファルハーレン伯爵夫人が否定してくれた。
 そうだ。これは『黒の間』ではない。
 私は思いだしていた。

「何をおっしゃるのです。これは『黒の間』です。その証拠に真っ黒ではないですか」
 あくまでも『黒の間』だとボンゴレは言い張ったが、私はこれが『黒の間』でないことを知っていた。


 グウォーーーー
 そんな時だ。腹の底に響くような低音の巨大な音が聞こえてきた。
「えっ?」

「何か来るわ!」
「それも凄いものが」
 皆騒然としていた。

 私はこの音を知っていた。

 大音響を鳴り響かせて頭上を巨大な白い物が現れた。
「何なの、これは?」
 ステファニーは上を呆然と見ていた。
 その周りの皆も同じだ。
 皆無言だった。

 私は何故これがここに出てきたのか、全く判らなかった。そう、これは前世で見た映画のワンシーンだった。
 通過していく巨大な白い塊はどう考えても、前世の宇宙戦争映画のオープニングに現れた宇宙空間を飛ぶ巨大戦闘艦だった。

「ここは『宇宙の間』よ」
 私は皆に広言した。
「なんだと、そんな部屋は知らないぞ」
 ボンゴレが反論してきた。
「何故知らないの?」
 私はボンゴレを睨み付けた。
「はああああ? そんな部屋は知らなくて当然だろう!」

「あなたは本当にここの研究員なの?」
 私は冷たい視線で男を見た。
「な、何を言い出すのだ? 当然私はここの研究員だ」
「研究員なら、必ず知っているはずよ。この『宇宙の間』は『黒の間』の代わりに1万回に一回くらいの確率で現れるのよ。研究員なら、誰でも知っているわ。何故、あなたがそれを知らないの?」
 そう、私は昔、ここにロンバウトと一緒に迷い込んだのだ。ここから出るのは大変だった。後で研究員達に言われたのだ。
「姫様、1万回に一回の確率でしか入れない『宇宙の間』に入れるなんてとても幸運でしたね」
 と。
「『宇宙の間』を知らないのは研究員じゃないわ!」
「おのれ、死ね!」
 私がそう指摘すると、いきなりボンゴレは、投げナイフを私に向けて投げていた。
 私は反射神経でばしっと人差し指と中指の間で受け止めていたのだ。
「「「えっ?」」」
周りの皆が慌てて私を見ていたが、今はそれどころでは無い。

「くっそう!」
 私に受け止められたと知るや、ボンゴレはそう叫ぶと、後ろの扉に向かって駆け出したのだ。
「待ちなさい!」
 私は慌てて、投げナイフをボンゴレ目指して投げつけていた。
「ギャーーーー」
 ボンゴレは悲鳴をあげると扉にぶち当たっていた。
 でも、そのまま、扉を開けてその中に飛び込んでいた。
「逃がさないわ!」
 後を追いかけていた私は止まれなくて、そのまま、突っ込んだのだ。
 私は次の知らない部屋に飛び込んでいたのだ。
************************************
ここまで読んで頂いて有難うございました
知らない部屋に飛び込んだリーゼの運命やいかに
続きはお昼の予定です
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~

紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。 毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

悪役令嬢、第四王子と結婚します!

水魔沙希
恋愛
私・フローディア・フランソワーズには前世の記憶があります。定番の乙女ゲームの悪役転生というものです。私に残された道はただ一つ。破滅フラグを立てない事!それには、手っ取り早く同じく悪役キャラになってしまう第四王子を何とかして、私の手中にして、シナリオブレイクします! 小説家になろう様にも、書き起こしております。

混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない

三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。

仕事で疲れて会えないと、恋人に距離を置かれましたが、彼の上司に溺愛されているので幸せです!

ぽんちゃん
恋愛
 ――仕事で疲れて会えない。  十年付き合ってきた恋人を支えてきたけど、いつも後回しにされる日々。  記念日すら仕事を優先する彼に、十分だけでいいから会いたいとお願いすると、『距離を置こう』と言われてしまう。  そして、思い出の高級レストランで、予約した席に座る恋人が、他の女性と食事をしているところを目撃してしまい――!?

前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!

ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。 前世では犬の獣人だった私。 私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。 そんな時、とある出来事で命を落とした私。 彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。

112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。  ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。  ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。 ※完結しました。ありがとうございました。

処理中です...