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19.誕生の知らせ
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お見舞いに来ていただいた時以来、僕はお嬢様に直接お会いすることがなかった。もちろん、お嬢様に会えない間も僕はミエル様のことを想い続けた。
果たして、お腹の子は僕の子なのだろうか。あの時にできた子だったのだろうか。妊娠生活は、問題なく過ごせているだろうか。マレシャル家で優しくされているだろうか。・・・できることならお側にいて、できる限りのことをしてあげたかった。
もう一年くらいお嬢様のお顔を見ていなかったが、お嬢様の面影を忘れるどころか、僕の中でますますお嬢様のお姿は濃密になっていく。
今度はいつ、お会いできるのだろう。そんなことをぼんやり考えていた時、昼餐の席でのご主人様の言葉に、僕の胸は高鳴った。
アガタさんが、食後のお茶を楽しんでいるご主人様に一通の手紙を差し出した。お嬢様からのお手紙かもしれない、と僕は思った。
ご主人様はテーブルにあった果物ナイフで封を切ると、注意深く手紙を取り出して読み始めた。
「ほお・・・」
「どうしたんですか、お父さん」
長男のノア様がご主人様に尋ねる。
「ミエルが、無事出産したそうだ。赤ん坊は男の子だ」
「まあ!」
ノア様の奥方のアルマ様が感嘆の声をあげた。
「おお、よかった」とノア様。
「しばらくしたら、マレシャル家に伺ってみよう」
ご主人様は嬉しそうに言った。
果たして、お腹の子は僕の子なのだろうか。あの時にできた子だったのだろうか。妊娠生活は、問題なく過ごせているだろうか。マレシャル家で優しくされているだろうか。・・・できることならお側にいて、できる限りのことをしてあげたかった。
もう一年くらいお嬢様のお顔を見ていなかったが、お嬢様の面影を忘れるどころか、僕の中でますますお嬢様のお姿は濃密になっていく。
今度はいつ、お会いできるのだろう。そんなことをぼんやり考えていた時、昼餐の席でのご主人様の言葉に、僕の胸は高鳴った。
アガタさんが、食後のお茶を楽しんでいるご主人様に一通の手紙を差し出した。お嬢様からのお手紙かもしれない、と僕は思った。
ご主人様はテーブルにあった果物ナイフで封を切ると、注意深く手紙を取り出して読み始めた。
「ほお・・・」
「どうしたんですか、お父さん」
長男のノア様がご主人様に尋ねる。
「ミエルが、無事出産したそうだ。赤ん坊は男の子だ」
「まあ!」
ノア様の奥方のアルマ様が感嘆の声をあげた。
「おお、よかった」とノア様。
「しばらくしたら、マレシャル家に伺ってみよう」
ご主人様は嬉しそうに言った。
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