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艶を纏う王女
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その翌日――。
ロイの腹心であるスノウは、久方ぶりに女主人と対面することを許された。
突然、クロードから許可が下りたのだ。
「スノウ、無事だったか!」
謁見の間に足を踏み入れた彼の姿を認めるなり、ロイはぱっと表情を輝かせた。
その笑顔を目にした瞬間、スノウの胸は早鐘を打つ。
ロイが無事であることは、すでに知らされていた。
だが、こうして実際に顔を合わせると、張りつめていたものがほどけ、安堵が胸いっぱいに広がっていく。
「ロイ殿下こそ……よくぞ、ご無事で……!」
「心配をかけたな」
その一言に、スノウは思わず目頭が熱くなった。
「殿下……ウルスラ国王と婚約されたと伺いましたが……それは、本当に殿下のご意向なのですか?」
思い切って問いかけると、ロイは一瞬、言葉に詰まったようだった。
だがすぐに、いつもの余裕ある笑みを浮かべる。
「そうだ。私が国王の申し出を受け入れれば、セルジアの平和は保たれる」
「ですが……」
「私なら大丈夫だ。あの国王くらい、うまく掌で転がしてやるさ」
ロイは爽やかに笑った。
その姿には、かつてと変わらぬ豪胆さがあった。
けれど――どこか違う。
声の調子か、微笑みの柔らかさか。
言葉にできない艶のようなものが、彼女の身に纏わりついている。
もしかして殿下は、すでに――
あの国王と、ただの政略以上の関係になっているのではないか。
そう思った途端、スノウの胸に、ちくりと小さな痛みが走った。
その時だった。
唐突に扉が開き、国王クロードその人が姿を現した。
呆然とする二人を気にも留めず、クロードは愉しげに口を開く。
「これはこれは、スノウ君。ご機嫌はいかがかな?」
「おはようございます、国王陛下」
スノウは慌てて背筋を正し、深々と頭を下げた。
「五日後、僕とロイ殿下の結婚式を挙げる。君にもぜひ参列してほしい。
それまでウルスラに滞在してもらえるかな?」
「はい。ご招待、光栄に存じます」
「それは良かった」
満足そうに頷くと、クロードは踵を返す。
「では、失礼するよ。今日は麗しのロイ殿下と、ゆっくり語らいたまえ」
そう言い残し、彼は足音を響かせて去っていった。
確かに、この二人はお似合いの美男美女かもしれないーー。
残されたスノウは、胸に残る違和感を拭えないまま、静かにロイの横顔を見つめていた。
ロイの腹心であるスノウは、久方ぶりに女主人と対面することを許された。
突然、クロードから許可が下りたのだ。
「スノウ、無事だったか!」
謁見の間に足を踏み入れた彼の姿を認めるなり、ロイはぱっと表情を輝かせた。
その笑顔を目にした瞬間、スノウの胸は早鐘を打つ。
ロイが無事であることは、すでに知らされていた。
だが、こうして実際に顔を合わせると、張りつめていたものがほどけ、安堵が胸いっぱいに広がっていく。
「ロイ殿下こそ……よくぞ、ご無事で……!」
「心配をかけたな」
その一言に、スノウは思わず目頭が熱くなった。
「殿下……ウルスラ国王と婚約されたと伺いましたが……それは、本当に殿下のご意向なのですか?」
思い切って問いかけると、ロイは一瞬、言葉に詰まったようだった。
だがすぐに、いつもの余裕ある笑みを浮かべる。
「そうだ。私が国王の申し出を受け入れれば、セルジアの平和は保たれる」
「ですが……」
「私なら大丈夫だ。あの国王くらい、うまく掌で転がしてやるさ」
ロイは爽やかに笑った。
その姿には、かつてと変わらぬ豪胆さがあった。
けれど――どこか違う。
声の調子か、微笑みの柔らかさか。
言葉にできない艶のようなものが、彼女の身に纏わりついている。
もしかして殿下は、すでに――
あの国王と、ただの政略以上の関係になっているのではないか。
そう思った途端、スノウの胸に、ちくりと小さな痛みが走った。
その時だった。
唐突に扉が開き、国王クロードその人が姿を現した。
呆然とする二人を気にも留めず、クロードは愉しげに口を開く。
「これはこれは、スノウ君。ご機嫌はいかがかな?」
「おはようございます、国王陛下」
スノウは慌てて背筋を正し、深々と頭を下げた。
「五日後、僕とロイ殿下の結婚式を挙げる。君にもぜひ参列してほしい。
それまでウルスラに滞在してもらえるかな?」
「はい。ご招待、光栄に存じます」
「それは良かった」
満足そうに頷くと、クロードは踵を返す。
「では、失礼するよ。今日は麗しのロイ殿下と、ゆっくり語らいたまえ」
そう言い残し、彼は足音を響かせて去っていった。
確かに、この二人はお似合いの美男美女かもしれないーー。
残されたスノウは、胸に残る違和感を拭えないまま、静かにロイの横顔を見つめていた。
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