6 / 9
初夜の証人
しおりを挟む
ロイとクロードの婚姻の儀が終わった、その夜。
スノウはかつての女主人を残し、セルジア国へ帰還する支度をしていた。もう自分の役目は終わったーー。明日の朝、ここを発とう。
晴れの席で、ロイはいつになく美しく見えた。華やかなドレスに身を包んだ彼女の面影は、なぜかスノウの胸を苦しくさせた。
今夜は、ウルスラ国王と一夜を共にするのだろうか。だが、それは俺の与り知ることではない。俺はロイ殿下にとって、ただの家来でしかないのだ。
そうしてスノウが懊悩に沈んでいた、その時だった。
突然、扉が控えめにノックされる。
「国王陛下がお呼びです」
扉を開けると、体格の良い下男が乾いた声でそう告げた。
「こちらへどうぞ」
促されるまま、下男の後に続く。
歩を進めるごとに、胸の奥で心臓が激しく鼓動を打ち始めた。
何を告げられるのか。
あるいは――何を命じられるのか。
不安と緊張を振り切れぬまま、スノウはその背を追った。
「合図があるまで、こちらでお待ちください」
ひときわ立派な部屋の前まで来ると、下男が声を潜めて言った。
部屋の中からは、ぼんやりと国王らしき声と、何かが軋むような音が聞こえる。スノウはぐっしょりと嫌な汗をかいていた。
パチン。
何者かが指を鳴らす乾いた音が聞こえた刹那、部屋の前で待機していた下男が扉を開けた。
スノウの目に飛び込んできたのは、俄には信じられない光景だった。
彼の大切な女主人であるロイが、一糸纏わぬ姿で四つん這いになり、後ろから国王クロードに犯されているーー。驚きのあまり、彼は数秒間、目を伏せるのも忘れて見入ってしまった。
ふんわりと乳房は揺れ、桜色の先端はこりっと硬くなっている。滑らかなミルク色の肌には、汗の珠が浮かんでいる。ほんの束の間だったが、彼女の美しさはスノウの脳裏に刻まれてしまった。
「ああっ!……見るな、見ないでくれ!スノウ……!」
女主人の声でスノウは我に返り、不躾な視線を彼女から外した。
「驚かせてしまい、申し訳ありませんね。我がウルスラ国では、初夜を第三者に見届けていただく習慣があるのです。いわば、結婚の証人というところですね。狼と山猫の交尾を、じっくりご覧になってください」
クロードは不敵な笑みを浮かべながら、ロイの体の線を指でなぞっていた。
「……この破廉恥極まりない下衆野郎が!」
ロイは息も絶え絶えに叫ぶ。
「スノウ君、おたくのお姫様は、美しい体をしているでしょう?それに、感度もとっても良いんですよ」
そう言って、クロードはロイの胸の先端を摘んだ。その刺激でロイはぶるっと身震いした。
「さあ、ロイ殿下がオーガズムに達するところを見届けてください」
「いけません、それは殿下への冒涜です!」
スノウはありったけの勇気で反抗を試みるが、屈強な下男に抑えられ、身動きができなくなった。
クロードはロイを昇天させようと、小刻みに腰を突き上げる。
「…….ああああああああっ!」
ロイは声を上げ、息を荒らげた。クライマックスを迎えたようだった。
「ああ、僕もいってしまいそうです」
クロードは体を震わせ、彼女の中に精を放った。
意外と呆気なく、狂気じみたショーは閉幕した。スノウが唖然としている間に、寝所の扉は無情にも閉ざされた。
独り残された彼は、夜も明けきらぬうちにウルスラの城を飛び出すと、
「うわーーーっ!」
と奇声を上げながら、がむしゃらに走り出した。
スノウはかつての女主人を残し、セルジア国へ帰還する支度をしていた。もう自分の役目は終わったーー。明日の朝、ここを発とう。
晴れの席で、ロイはいつになく美しく見えた。華やかなドレスに身を包んだ彼女の面影は、なぜかスノウの胸を苦しくさせた。
今夜は、ウルスラ国王と一夜を共にするのだろうか。だが、それは俺の与り知ることではない。俺はロイ殿下にとって、ただの家来でしかないのだ。
そうしてスノウが懊悩に沈んでいた、その時だった。
突然、扉が控えめにノックされる。
「国王陛下がお呼びです」
扉を開けると、体格の良い下男が乾いた声でそう告げた。
「こちらへどうぞ」
促されるまま、下男の後に続く。
歩を進めるごとに、胸の奥で心臓が激しく鼓動を打ち始めた。
何を告げられるのか。
あるいは――何を命じられるのか。
不安と緊張を振り切れぬまま、スノウはその背を追った。
「合図があるまで、こちらでお待ちください」
ひときわ立派な部屋の前まで来ると、下男が声を潜めて言った。
部屋の中からは、ぼんやりと国王らしき声と、何かが軋むような音が聞こえる。スノウはぐっしょりと嫌な汗をかいていた。
パチン。
何者かが指を鳴らす乾いた音が聞こえた刹那、部屋の前で待機していた下男が扉を開けた。
スノウの目に飛び込んできたのは、俄には信じられない光景だった。
彼の大切な女主人であるロイが、一糸纏わぬ姿で四つん這いになり、後ろから国王クロードに犯されているーー。驚きのあまり、彼は数秒間、目を伏せるのも忘れて見入ってしまった。
ふんわりと乳房は揺れ、桜色の先端はこりっと硬くなっている。滑らかなミルク色の肌には、汗の珠が浮かんでいる。ほんの束の間だったが、彼女の美しさはスノウの脳裏に刻まれてしまった。
「ああっ!……見るな、見ないでくれ!スノウ……!」
女主人の声でスノウは我に返り、不躾な視線を彼女から外した。
「驚かせてしまい、申し訳ありませんね。我がウルスラ国では、初夜を第三者に見届けていただく習慣があるのです。いわば、結婚の証人というところですね。狼と山猫の交尾を、じっくりご覧になってください」
クロードは不敵な笑みを浮かべながら、ロイの体の線を指でなぞっていた。
「……この破廉恥極まりない下衆野郎が!」
ロイは息も絶え絶えに叫ぶ。
「スノウ君、おたくのお姫様は、美しい体をしているでしょう?それに、感度もとっても良いんですよ」
そう言って、クロードはロイの胸の先端を摘んだ。その刺激でロイはぶるっと身震いした。
「さあ、ロイ殿下がオーガズムに達するところを見届けてください」
「いけません、それは殿下への冒涜です!」
スノウはありったけの勇気で反抗を試みるが、屈強な下男に抑えられ、身動きができなくなった。
クロードはロイを昇天させようと、小刻みに腰を突き上げる。
「…….ああああああああっ!」
ロイは声を上げ、息を荒らげた。クライマックスを迎えたようだった。
「ああ、僕もいってしまいそうです」
クロードは体を震わせ、彼女の中に精を放った。
意外と呆気なく、狂気じみたショーは閉幕した。スノウが唖然としている間に、寝所の扉は無情にも閉ざされた。
独り残された彼は、夜も明けきらぬうちにウルスラの城を飛び出すと、
「うわーーーっ!」
と奇声を上げながら、がむしゃらに走り出した。
0
あなたにおすすめの小説
【短編】淫紋を付けられたただのモブです~なぜか魔王に溺愛されて~
双真満月
恋愛
不憫なメイドと、彼女を溺愛する魔王の話(短編)。
なんちゃってファンタジー、タイトルに反してシリアスです。
※小説家になろうでも掲載中。
※一万文字ちょっとの短編、メイド視点と魔王視点両方あり。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています
紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、
ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。
「もう君は、僕の管理下だよ」
退院と同時に退職手続きは完了。
住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。
外出制限、健康管理、過保護な独占欲。
甘くて危険な“保護生活”の中で、
私は少しずつ彼に心を奪われていく――。
元社畜OL×執着気味の溺愛社長
囲い込み同棲ラブストーリー。
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる