新・風の勇者伝説

彼方

文字の大きさ
133 / 184
第二部 一章 動き出す七魔将

プロローグ~七魔会談~

しおりを挟む

 黒と赤を基調とした禍々しい城、悪魔王城。
 且つて風の勇者ビュート・クラーナが乗り込み敗北した場所。
 魔信教教祖リトゥアールが闇に堕ちるきっかけとなった場所。
 そしてシャドウが生まれ、長い間過ごした故郷のような場所。

「……一年、いやもっと長えか。ここに帰ってんのは」

 シャドウは忌々しき記憶のオンパレードである悪魔王城へと帰って来た。
 別に、嫌だったわけじゃない。シャドウにとっては唯一の故郷だ。親という定義に含まれるのか不明だが自分を生み出した悪魔王も居る。ただ、少し前まで妙に居心地がいい所に居たので少し霞む。

 元々、最強の悪魔エビルの部品として生み出された存在だ。
 部品だけでのうのうと生きて、扱いが良くなる訳がない。

 七魔将という優れた上級悪魔のみで結成された組織に所属しているが、最強の悪魔エビルにあった期待のお零れにすぎない。悪魔王が肩入れしたせいで他のメンバーから良く思われない。この場所しか知らなかっただけで、もっと気楽に過ごせる場所があるなど以前は想像もしていなかった。

 城の中へ入り、迷わず奥へと進む。
 階段を下りて最下層へ向かうと一つの部屋へ辿り着く。
 長机と七人分の椅子が置かれているそこは七魔将の会議場所だ。

「おやおやあ? これはこれは、お久し振りですねえシャドウ」

 既に会議部屋の席には二人が座っていた。
 真っ先に声を掛けて来た老人はサイデモン・キルシュタイン。

 年老いているゆえシワの多い薄緑色の肌だが、毛量は多いし髭も長い。黒いスーツを着ている彼は優しい笑みを浮かべながら黄色の瞳を向けてくる。
 老人だからと侮ってはいけない、彼は七魔将ナンバー2の実力者だ。

「サイデモンの爺さん、相変わらず集まるのが早いな」

「それを言うなら彼もですよ。私が到着した時には既にいましたしね」

 サイデモンが視線を送ったが相手の男は反応しない。
 瞑想したまま全く動かない彼の後方には大剣が壁に立てかけられている。剣身に四本のラインが彫られている独特な大剣だ。眺めただけでも妙な威圧感に襲われて、額に汗が滲む。

「そういえば、邪遠じゃえんは一緒じゃないのですか? 彼も同じ任務を任されていたでしょう。……確か、魔信教とやらの壊滅でしたっけ。魔王復活を企む愚かな人間達。ちゃんと壊滅出来ましたか?」

「心配いらねえって。邪遠は……まあ、全員集まってから話すぜ」

「その方がいいですか。そろそろ他の面子も到着するでしょうし」

「噂をすれば来たみたいだな。一気に三人も」

 会議室入口の扉が開かれて三人の上級悪魔が姿を見せる。
 ずっと瞑想していた男も目を開けて入口を一瞥した。これで邪遠を除き、全ての七魔将が集結したことになる。一同が会すなど実に三年振りのこと。今日はそれだけ重要な話があると見ていいだろう。

「あっれえ~? 誰かと思えば出来損ないのシャドウ君じゃあねーのー」

 ビン・バビン。使用魔剣、デスサイバー。
 へらへら笑っている金髪碧眼へきがんの男性悪魔。
 黄色のもさもさした体毛に覆われた肉体は、決して大柄ではないが発達した筋肉が凄まじい。そんな筋肉や体毛を隠すのは黒い腰巻きのみ。他に身に着けているものといえばネックレスだ、首に掛けられたそれの先に付いている短剣が彼の主要武器である。

「あらホント、帰って来たのねシャドウちゃん! アタシずっと待ってたのよ!」

 ダグラス・カマントバイア。使用魔剣、糸鋼剣しこうけん
 人間の女性に外見が酷似している悪魔。
 ひらひらとした赤いドレスは胸元辺りが開けていて、わざと巨乳を見せびらかしている。一見女性に見えるが実は両性具有であり、本人曰く股間には立派な男性器が生えているらしい。気に入った相手は男女問わず自室に連れ帰り昼夜問わず性行為を行っている。何度かシャドウも尻を掘られかけた。

「長い間お疲れ様でしたシャドウ様」

 ミーニャマ。使用魔剣、不明。
 裾の長いメイド服を着用した黒髪黒目の女性悪魔。
 頭には黒猫の耳、頬には三対六本の髭、メイド服の尻部分に空けられた穴から黒猫の尻尾が生えている。人間と似た外見から純粋な悪魔ではなく、とある人物の細胞から作られた人造悪魔なんて噂がある。ダグラスと非常に仲が良い彼女だが性関係の噂は一つもない。

 この場に二度と来ることのない邪遠を含めた七人が七魔将だ。
 一人一人が途轍もなく強い実力者。……とはいえ、七人の中で実力差がないわけではない。以前までのシャドウはこの中の最底辺であり明らかに格下だった。

「――全員揃ったようだし、七魔会談しちまかいだんを開始する」

 実力というなら組織の中で一人飛び抜けた存在がいる。
 七魔将最強。癖が強い悪魔揃いの七魔将でリーダーを務める男性。
 先程まで瞑想していた、黒いコートを着た灰色髪の青年――ヴァン・アルス。
 まだ席に着いていなかったシャドウ達は彼の言葉で定位置へ腰を下ろす。

「さて、まず――」
「おいちょっと待てよ。邪遠の野郎が居ねえじゃんか」

 当然の疑問を口に出したビンだがタイミングが悪い。
 よりにもよってヴァンが話している最中に言葉を遮るなどバカのすること。ヴァンはプライドがかなり高く、己の成すことを邪魔されたりするのが一番嫌いなのだ。静かに怒りの篭った瞳を向けられた彼は「うっ」と怯む。

「それを今から話そうとしたんだ。他の者も不思議に思っているだろうが奴は今日この場に来ない。魔信教関連の話だ、同じ任務を遂行していたシャドウに説明してもらう。皆、静聴するように」

「じゃあ、魔信教を壊滅させるまでの出来事を話すぜ」

 シャドウと邪遠が進めていた任務。魔信教という組織の壊滅。
 二人はまず組織へ接触し、教祖と呼ばれていた女性と面識を持った。そして組織の所属人数とメンバーの実力を念入りに調査するため潜入した。本来なら早い段階で皆殺しに出来たが厄介なことに、アスライフ大陸の人間を殺しすぎると魔王が封印から解き放たれてしまう。教祖と魔王を同時に相手取れば敗北濃厚。確実に滅ぼすため、二人は協力する素振りを見せながら隙を窺った。

 いつ魔王が復活するか分からない以上迂闊な真似は出来ない。
 決定的な隙を待ち続けた結果、遂にその日はやって来た。
 アスライフ大陸にて誕生した勇者一行が魔信教本拠地へ殴り込んだのだ。敵の敵は味方と言うし、勇者一行と協力関係を結んだ二人は教祖へ反逆。優秀な囮として機能させ、シャドウは教祖と魔王を殺害した。邪遠はその際に戦死したため二度と戻って来ない。

「……と、こんなところか」

「はあああああ? おいおいシャドウ君よお、そりゃ嘘だろ。あの邪遠が死んだのにさ、なーんでクソ雑魚のテメエが生き残れるんだよ。真っ先に死ぬのはクソ雑魚のテメエからだろ?」

「うるっせえぞビン。俺はヴァンに頼まれたから説明してやったんだ、嘘なわけあるかよ。嘘を吐いて俺にどんなメリットがあるってんだ。お前の理解力が欠損してるだけだろ単細胞が」

 ――嘘である。実際のところシャドウは教祖も魔王も殺していない。決着をつけたのは全く別の人物だ。平気な顔で嘘を吐いたがメリットなしで吐くわけがない。シャドウにとって重要なメリット、それは手柄。自分が殺したと言うことで任務の手柄を総取りしたかったのだ。

 幸い事実を確認する方法はないし邪遠が何も出来ず死んだのは事実。
 第一重要視すべきは標的の死亡。誰が殺したかなど七魔将の面子にとっては些細なことだろう。それでいい、シャドウが認めてもらいたいのは他の七魔将ではなく組織を作った悪魔王なのだから。他の者の反応は求めていない。

 生まれた時から部品であり他の者から出来損ないと言われ続けた。それでも悪魔王に認めてほしい一心で生きてきた。例えどんな手を使っても彼に認めてもらうのがシャドウの目的だ。

 会議部屋最奥に飾られている紫の宝玉を一瞥する。
 悪魔王は今、精神体として宝玉内に生きている。創造神アストラルや神の従者との長い戦いで両陣営痛み分けとなり、彼の方は肉体を捨てざるを得なかった。追い詰められた彼は精神体でも来たる復活の時まで力を蓄え続けている。七魔会談で現在話している内容を聞いているはずだが彼から声は発されない。

「単細胞だと……ふーん、ふんふんふーん? シャドウ君さあ、暫く会わない内に俺達の実力を忘れちゃったみたいだねえ。簡単なおつかいこなした程度で調子乗ってんじゃねえぞクソ雑魚が! 俺達とテメエじゃあ格がちげえんだよ!」

 目を血走らせて立ち上がったビンが思いっきり長机を叩いて叫ぶ。
 今の叫びで「唾飛んだ」とダグラスが呟き、ミーニャマがそっとハンカチを差し出す。いかにも出来た使用人といった所作と風貌だ。

「それくらいにしときなさいよ。せっかく帰って来たのに早々虐めたらシャドウちゃんが可哀想でしょう。ね、シャドウちゃんも馬鹿ビンなんて放っといて、今夜はアタシと過ごしましょうよ。たああっぷり可愛がってあげるからさ」

「ダグラス様、それは結局虐めています。ビンと同レベルです」

「うっるせーんだよテメエらは黙ってろや!」

 一度上昇したビンの怒りのボルテージは中々下がらない。
 いっそのこと、成長した自分の実験台にしてやろうかとシャドウは考える。自分が一対一でどこまで戦えるのかは帰ってからずっと気にしていたことだ。早めに実力差を把握した方が計画も練りやすい。

「格の違いとやらを是非知りてえな、単細胞」

 溜め息を吐いたビンは後頭部を掻いて「二度目だぞ」と呟く。

「俺は優しいからよお、帰って来たばっかだし半殺しでいいかと思っていたんだけどよお。二度も悪口言われたら仕方ねえよなあ? 半殺し二回でぶっ殺してやんよ。死ね」

 彼が首に掛けているネックレスの短剣に触れた時、濃密な殺気が放たれる。
 ビンからではない、証拠に彼も驚いている。恐怖の強さはシャドウより上をいっているかもしれない。二人は殺気の出所へとぎこちない動きで目を向けた。

「――止めろ」

 灰色髪の青年、ヴァンだ。有無を言わさない殺意をひしひしと感じる。
 黙って硬直した二人を見てサイデモンが笑い声を上げる。

「若いのはいいものですがねえ。暴れ時を考えないと自らの身を滅ぼす要因となります。今は会議中だから争うのは後にしろと彼は言いたいのですよ」

「……チッ、冗談に決まってんだろ。話を続けようぜ」

 すっかりビンが大人しくなったため実力測定のチャンスが消えた。こうなっては仕方ないのでシャドウも諦め、ここにいる本来の目的である会議に集中する。不真面目だと思われては悪魔王に認めてもらうのも難しくなってしまう。
 場が静かになってから再びヴァンが会議の流れを掴む。

「さて、邪遠が死亡した経緯は皆も理解したな。……犠牲は大きいが、その分こちらが得たものも大きい。魔王という強大な敵を消滅させたのだからな。創造神アストラル、及びその従者達も傷が癒えず動けないと聞く。……つまり現状、敵と言えるのは封印の神カシェ。そして、どこかにいる四人の秘術使いのみ」

「動ける敵を捕縛、もしくは殺害で封じれば安心して悪魔王様も復活出来るというもの。カシェの方は従者共々居場所が割れている。今はどこにいるのか分からない秘術使いを優先すべき、でしょう?」

 サイデモンの言葉にヴァンが黙って頷く。
 上級悪魔や魔王などを殺せるのは神性エネルギーのみ。いくら強いだけの人間が生まれようと大した脅威にはなりえない。本当に恐ろしいのは、居場所を把握していない秘術使いが強かった場合だ。悪魔王の害になりえる者達は七魔将が速やかに動きを封じなければいけない。

 強い秘術使いは殺し、弱ければ捕縛する方針だ。
 既に組織は動き始めていて大陸ごとに調査を行っている。シャドウと邪遠の任務はそれに魔信教壊滅を加えたものだったのだ。調査を行っていたパートナーはもういないため、アスライフ大陸での情報を知るのはシャドウ一人。いくらでも偽れる状況に一人ほくそ笑む。

「ミナライフ大陸の調査担当者ダグラス、ミーニャマ。報告を」

 ヴァンの言葉でメイド服の女が「はい」と口を開く。
 相方であるダグラスは会議そっちのけで爪の手入れをしていた。

「あの大陸は殆ど人の手が加わっていない魔境。見つかったのは妙な遺跡や絶景スポットだけです。今のところ人間は一人も見当たりません」

「ミナライフ大陸は世界で一番広い大陸だ、地道に捜せばいい。もし人間が見つからない場合はマスライフ大陸の調査へと切り替えろ。……次、ビン」

 黒い腰巻きだけ身に着けている金髪碧眼の男が「あいよ」と返事をする。

「ゼンライフ大陸はギルドがあるし情報はそこで集めてる。ただ、得られる情報の中だと怪しいのはねえし、情報欲しいなら加入しろとかうるせえから入ったら仕事任せられるしでウザい。つーか前々から思ってたんだけどよ、何で俺だけ一人なんだよおかしいだろ!」

 誰も言わないし察しも悪いからビンは知らないが、彼は全員から嫌われている。
 理由は横暴な態度や煩い声、無駄に高いプライドなど挙げればキリがない。嫌われる要素が多すぎるためペア決めの時は当然のように一人だ。実力がなければ即殺されている人材だし、もっと嫌われたらダグラスあたりが殺すかもしれない。

「何か言えやヴァンさんよお!」
「……俺とサイデモンが担当のオルライフ大陸も秘術使いの情報は得られない」
「報告してんじゃねえええええ!」

 このように煩いから嫌われるのだ。結局、困り果てたヴァンが殺気をぶつけて強制的に黙らせた。彼はビン関連でどうしようもなくなった時、最終手段として殺気を放出している。因みにその最終手段は多用されている。

「シャドウはどうだ。魔信教壊滅任務のせいで本腰を入れての調査は難しかっただろうが、何か新たな情報を入手していないか? 些細なものでも構わないんだが」
「些細? 些細ねえ」

 ついに報告する役が回って来たシャドウは思わず笑う。

「あるぜ。些細なんかじゃねえ、とびっきりのがな」

「まさか……見つけたのか?」

「クク、ああそうだ俺が見つけた。さっき話した魔信教壊滅について憶えてんだろ。現地で新しい勇者一行と協力したって話。……察しがついたか? そう、その新しい勇者様が風の秘術使いだったんだよ」

 予想通り全員の顔に驚きが混じる。今まで見下していた相手が自分より成果を挙げた時の顔だ。全員の驚いた顔を見ただけでも鼻歌を歌いたいくらい気分が良くなる。これで火の秘術使いも見つけたと言えばどんな顔になるだろうか。言いたい衝動に駆られるが目的を遂行しやすくするため我慢する。

「殺したのか?」

「いいや、俺も任務で疲れちまったからな。だが、あのお人好し勇者様はオルライフ大陸のアギス港に呼び出しておいた。奴は必ず来る。安心しろ、港に来たら俺が始末してやるさ」

「おい、そいつは強いのか」

 急に口を挿んできたのはビンだ。
 何もかもが思惑通りでシャドウの上がった口角は戻らない。

「俺の方が強い……いや、同じくらいだ。あいつは結構やるぜ」

 少し前までならシャドウはこんなことを言わなかった。
 同じ顔をした勇者は出会った当初遥か格下、期待外れもいいところ。本当に最初の方は彼を絶望させてから無様を眺めて殺そうとしていたのだ。互いに憎み合うだけの関係だったのに今では奇妙な信頼が生まれている。信頼出来るからこそ利用出来る。

 ――だが、それだけだ。

 元から邪悪の塊であるシャドウは絆されない、絆されるわけがない。
 互いに影響を与え合った結果、正の感情が増幅されても関係ない。
 二人の関係は憎み合っても協力出来る相手というもので完結している。最初に比べればいい進歩だ、今のように協力相手として選ぶなど以前は絶対にありえなかった。

「ならそいつは俺が殺す! 一回秘術使いと戦ってみたかったんだ。しかも過去の七魔将を全滅させた風だぜ、戦うしかねえだろ! なあいいだろヴァン! 同格のシャドウより俺の方が確実に殺せる!」

「早い者勝ちだ。シャドウがいいと言うなら構わない」

「俺は構わねえぜ。こん中じゃお前が一番適役だと思ってるからな」

「はっはっは嬉しいねえ! ようやく身の程を弁えたか、俺はテメエより遥かに強い! 勇者だろうが何だろうが粉々に斬り刻んでやるぜえ! はっはっはっは! 待ってろよ風の秘術使い、おのが死の瞬間をおおおお!」

 最初からほぼ計画通りに踊らされている男をシャドウは心の中で罵倒する。
 風の秘術使い、正確に言うなら先代勇者だが、過去に仲間と七魔将を全滅した功績がある。その話を知っているビンは必ず自分がやると言い出す。なぜなら彼は自分の強さにかなりの自信を持っているからだ、特に勝てると確信している相手には強気で挑む。

 彼は知らない。魔王を倒したのが本当は今代の勇者だということを。
 彼は知らない。シャドウが以前より遥かにパワーアップしたことを。
 彼は知らない。……向かう先で無様に死ぬのが自分だということを。

「ふう。さあて、人間の分際で調子に乗ってるバカを始末しに行くか」

「……ビン。人間を侮るな」

「分かってるっての。もう侮ったりしねえよ」

 笑みを消して真剣な表情になったビンは会議部屋を出て行った。
 作戦は始まった。もう決して後戻りは出来ない作戦が始動する。
 生まれ持った邪悪な意思で、シャドウはどんな手を使ってでも認めてもらうと決めたのだ。……例え誰を殺すことになってでも。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...