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第3話
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妹の入院にイヴェットは首を捻った。
あんなに元気だったのに何があったのだろうか。
そこで両親に尋ねてみたのだが、きつく睨まれるばかりで教えてもらえない。
どうやら自分は家族の資格すら失っているようだ。
それならそれでいいと、イヴェットは妹と両親を無視して過ごすことにした。
そんなある日――
「イヴェット、俺と結婚してくれ!」
「え?」
突如、男性からプロポーズされたことにイヴェットは驚いた。
相手は職場の上司で、まじめに仕事に取り組む好青年だ。
恋心はないが、尊敬は抱いている。
それにしてもなぜ私を――?
「どうして私なんかと結婚したいのですか……?」
「君のその輝ける美貌、堅実な性格、何もかもが気に入った! どうか俺の妻として生きてくれないだろうか!?」
「ま、まあ……――」
イヴェットは胸が高鳴るのを感じた。
この人は外見だけでなく、性格も好いてくれている。
もしかしたら上手くいくかもしれない――何より今は妹がいない。
彼女は希望に胸を膨らませ、彼の手を取ったのである。
そして半年後――
イヴェットは新居を守る主婦となっていた。
妹の入院中に結婚の許しをもらいに行くと、なぜか両親は快諾してくれた。
結婚式には退院後駆けつけた妹も参加し、何の問題もなく全てが終わった。
驚くことに、妹は夫に一切手を出していない。
そして今、自分は妊娠している。
こんなに幸せなことはない――イヴェットは幸福の溜息を吐いた。
もしかしたら両親と妹ともやり直せるかもしれない。
そう思った彼女は妊娠を告げる手紙を実家に送ったのだった。
それが間違いだと気付かないまま――
「お姉様の赤ちゃん、私にちょうだい?」
まさかそんなことを言われるとは思っていなかった。
妹が赤ちゃんまで欲しがるなんて、思わなかった。
甘かった自分がいけなかったのだろうか。
いいや、そんなことはないはずだ。
あの妹と両親は完全に狂っている。
そこで一切合切を夫に告げたが、彼は微笑んで言った。
「良かったね、イヴェット! 家族ぐるみで育ててもらえるんだね!」
あんなに元気だったのに何があったのだろうか。
そこで両親に尋ねてみたのだが、きつく睨まれるばかりで教えてもらえない。
どうやら自分は家族の資格すら失っているようだ。
それならそれでいいと、イヴェットは妹と両親を無視して過ごすことにした。
そんなある日――
「イヴェット、俺と結婚してくれ!」
「え?」
突如、男性からプロポーズされたことにイヴェットは驚いた。
相手は職場の上司で、まじめに仕事に取り組む好青年だ。
恋心はないが、尊敬は抱いている。
それにしてもなぜ私を――?
「どうして私なんかと結婚したいのですか……?」
「君のその輝ける美貌、堅実な性格、何もかもが気に入った! どうか俺の妻として生きてくれないだろうか!?」
「ま、まあ……――」
イヴェットは胸が高鳴るのを感じた。
この人は外見だけでなく、性格も好いてくれている。
もしかしたら上手くいくかもしれない――何より今は妹がいない。
彼女は希望に胸を膨らませ、彼の手を取ったのである。
そして半年後――
イヴェットは新居を守る主婦となっていた。
妹の入院中に結婚の許しをもらいに行くと、なぜか両親は快諾してくれた。
結婚式には退院後駆けつけた妹も参加し、何の問題もなく全てが終わった。
驚くことに、妹は夫に一切手を出していない。
そして今、自分は妊娠している。
こんなに幸せなことはない――イヴェットは幸福の溜息を吐いた。
もしかしたら両親と妹ともやり直せるかもしれない。
そう思った彼女は妊娠を告げる手紙を実家に送ったのだった。
それが間違いだと気付かないまま――
「お姉様の赤ちゃん、私にちょうだい?」
まさかそんなことを言われるとは思っていなかった。
妹が赤ちゃんまで欲しがるなんて、思わなかった。
甘かった自分がいけなかったのだろうか。
いいや、そんなことはないはずだ。
あの妹と両親は完全に狂っている。
そこで一切合切を夫に告げたが、彼は微笑んで言った。
「良かったね、イヴェット! 家族ぐるみで育ててもらえるんだね!」
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