桜ノ森

糸の塊゚

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1章:深悔marine blue.

魔力と魔力量

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 ───擂乃神学園魔法大会の第一回戦は直季の圧勝により赤チームに白星が一つ。
 直季が控え室に戻ってきて少ししてからモニターから次の対戦相手を決めるくじ引きが始まるアナウンスが聞こえて、それまで楽しそうに笑っていた勇樹達は話すのを辞めてモニターに向き直る。
 くじによって選ばれた赤チームの次の選手は尋希だった。
 
 「えぇ、まじですか。さっきの直季先輩の直後なんてプレッシャーやばやばなんですけど」
 「あはは……なんかごめんだねぇ」
 「まー、負けたとしても所詮はお遊びみたいな大会だから、んなに緊張しなくて大丈夫だって」
 「そうは言ってもですねぇ……僕の対戦相手ってアレ多分三年生ですよね?余計気が引けますって」
 
 あまり気乗りしないような尋希にふと、大丈夫だよ、と無意識に言葉が出る。それに対して尋希が「大丈夫って兄さん」と何か言いかけるのを遮ってそのまま続ける。
 
 「大丈夫だよ。尋希なら」
 
 俺がそう言い切ると尋希は少し目を丸くして、動きが止まった。
 しかし直ぐに気を取り直して大袈裟にため息を吐いた。
 
 「あー、もうしっかた無いですねぇ。この天才美少年尋希くんがそこまで言われて引く訳には行きませんよねー!こうなったらぶっちぎりで勝利をもぎ取ってやるんでその目をかっぴらいて見てろよ!」
 
 尋希はそう啖呵をきると、颯爽と控え室を出ていく。
 少ししてモニターにリボンを着けた尋希の姿が映し出されて、規定の位置に立った。
 対戦相手の方はとっくに位置にいついていて、尋希の姿を見ると怯えた様にびくっと身体を震わせた。
 
 『あ、あ、あの、貴方が対戦相手、かな』
 『そうですよー。擂乃神学園屈指の人気者の桜赤尋希くんです。よろしくお願いしまーす。あ、僕のサインいります?フリマサイトで転売すれば儲けものですよ多分』
 
 相手の緊張か、それとも自分の緊張をほぐす為か、そんな訳の分からないことを言う尋希の言葉を全部無視して相手はふるふると震えながら『き、ききき、棄権、して、くれないかな……っ』と言った。
 
 『棄権?なんでですか?』
 『ぼ、ぼくの魔法……っ、当たったら怪我、しちゃうかも、あ、危ないから……』
 『ふぅん……怪我、ねぇ……』
 
 尋希は相手の言葉を聞いて少し考えてわざとらしくにこっと笑顔で相手にほほ笑みかける。
 
 『そうですね』
 『……っ!じゃあ……! 』
 『でも嫌です。こちとら少しの怪我なんて覚悟の上なんですよ。……それに、あの人に、大丈夫だって言われたんで、僕。あんたに負ける気がしないんですよ』
 
 尋希はそこまで言うと、わたわたと慌てる相手を無視して司会の教師に『はーい!もういいんでちゃっちゃと始めちゃって下さいなー!』と叫んだ。
 司会の教師はそれを聞いてエアガンを空に向けて発砲する。
 
 先に動いたのは相手の方だった。相手が尋希の方へ両手をかざすと、そこからレーザー光線の様なものが現れる。
 それを尋希は容易くかわすと、レーザー光線は闘技場の壁にぶつかって大きな音を立てて壁を思いっきりえぐった。
 その殺傷力の高さに尋希は『殺す気か!』と言いながら次々と襲ってくるレーザー光線を避け続ける。
 
 『ね、わっ、わかったでしょ……?危ないから、は、早く降参して……?』
 『冗談!するわけねーですよ!』
 
 未だに降参を呼びかける相手に尋希はそう言うと同時に何かを相手に投げつけた。
 ところが、その投げた物は相手に当たることがなく。そしてその隙を相手が逃す筈もなく、次の光線を放とうと尋希が居る前を見据える。
 
 『……あれっ?どこに行ったんだろう』
 
 ほんの一瞬の間。瞬きを一度しただけの数秒の内に先程まで視界の中に居たはずの尋希が忽然と消えていた。
 その事に相手は戸惑った様子でぱちくりとまた瞬きを一度したその瞬間、相手を背後から何者かが羽交い締めにして拘束する。
 拘束しているのはこの数秒間確かに姿が消えていたはずの尋希で、突如現れた尋希は手にクナイの様なものを持ち、その刃先を拘束しながら相手の首筋にピタリと引っ付けて口を開いた。
 
 『はぁい、動かないでください?もし暴れたらこのクナイで怪我、しちゃいますよ?』
 
 尋希がそう言うと相手は涙目になりながらも動きを止めて、尋希は『よーしよしよし、良い子ですね~』と言いながら相手のリボンを解いて、試合終了のブザーが鳴り響いた。
 
 
 少しして元気よく白星をもう一つ増やして控え室に戻ってきた尋希に、「お、戻ったな」やら「お疲れ様、だよねぇ!」等とそれぞれ声をかけると、尋希はにっこりと笑って口を開いた。
 
 「見てくれました?ねぇねぇ見てくれましたよね?凄いでしょう?僕だってやれば出来るんですよ!やればできる尋希くん、略してY・D・Hですよ!褒めてくれてもいいんですよ?ほらほら、さっさと褒めやがれくださいよ!照れてないで!恥ずかしがらないで!さぁ!」
 「……そういう事言われると素直に褒めたく無くなるのってなんなんだろうな」
 「酷い!泣きますよ!」
 
 勇樹に冷たく言われてしくしくと嘘泣きを始める尋希に俺は、とりあえず凄かったんじゃないか、と声をかけた。
 
 「でっしょう?やっぱ僕って天才なんで!兄さんは分かってますねー!」
 「ボクだって凄いと思ったよねぇ!いつの間にあの子の後ろに行ったんだい?数秒もしてなかったよねぇ?」
 「ふへへ、それはですねー、企業秘密です」
 
 そう言って満足そうににっこりと笑う尋希に、勇樹と直季がそれぞれ「んだよケチくせぇな」とか「そう言われると気になっちゃうよねぇ」と絡み始める。
 それを尋希は難なくすり抜けると相変わらず何も話さずぼうっとモニターを眺めるだけの奏の隣に座った。
 「ねー、奏ー。奏も見てくれましたー?僕頑張ったんですよー!」と話しかけているが相変わらず奏は尋希に見向きもせずただぼうっとしていた。
 そうこうしている内にモニターには、いつの間にか次の試合のためのくじ引きの結果が出ていた。
 
 「ん、次はオレか。んじゃさくっと終わらせて来るぜ」
 
 緊張も何も無い様子で選ばれた勇樹は躊躇いなく控え室から出ていった。
 
 
 
 それから少しすればモニターの中に勇樹が映される。勇樹の相手は勇樹よりもかなり体格の良い見た目からして粗暴そうな男子生徒だった。
 その男子生徒は勇樹を一目見て少し目を丸めた直後、にやにやと何やら悪辣な笑みを浮かべて勇樹を見つめ始めた。
 勇樹はその視線を受けても涼しい顔で開始の合図を待ち続ける。
 そのまま両者とも一言も話すこと無く、開戦の合図が出された。
 
 先手必勝とばかりに動いたのは勇樹の方で、魔法を放とうと腕を振り上げた。
 
 『……あれ?』
 
 ───が、何も起こらず、それに勇樹が戸惑いの声を上げた。
 そんな勇樹を見て、相手は心底おかしそうに笑い始めて、その様子に勇樹は小さく舌打ちをすると、口を開いた。
 
 『魔力封じの魔法か』
 『ご名答!オレの魔法はなぁ、相手の魔力を一定時間封じる魔法なんだよ!しかもオレが使う魔力量に応じて相手の封じれる魔力量も多くなるって訳だ。これでテメェの負けだって訳だよ、雑魚!』
 
 自信満々に自身の魔法について語る相手に、控え室内では尋希が「えっ、あれどうするんです!?あの人絶対勇樹先輩の魔法を使えなくして後は追いかけっこかなんかで勝とうとしてますよね!?勇樹先輩そんな事出来る体力あります!?」と心配そうに直季に振り返った。
 尋希の心配もわかる。なぜなら勇樹は普段の体育の授業でも、最初の準備体操が終わった時点で心底疲れた様に息を上げて、体育館内なら床に、グラウンドなら近くのベンチに倒れ込んでいる姿を毎回見る程には体力が無い。
 そんな尋希に直季はいつもの笑顔を絶やすことなく、口を開いた。
 
 「大丈夫だよねぇ。だって、あんなの勇樹くんにとってはなんの障害にもならないよねぇ」
 
 そのまま直季はモニターの方に集中を始めた。釣られて尋希もまだ何処か心配そうな面持ちでモニターの方に向き直ると、「えっ」と目を丸くした。
 その様子に俺もモニターを見ると、そこには、尋希が先程言ったように勇樹を追いかけ始めようとしたらしい体勢で動きを止めている相手が映し出されていた。
 よくよく見てみれば相手の足は氷に覆われており、そのせいで脚を動かせないようだった。
 
 『はぁ!?っんでだよ!テメェの魔力は封じた筈……!』
 
 本気で困惑しているらしい相手を見て、勇樹はふるふると震えたかと思えば、もう我慢できない、とでも言うかのようにぶはっと吹き出した。
 
 『あはははははっ!お前程度の魔力量でオレの魔力全部を封じれる訳ねぇだろ、バァカ!ははははっ!』
 
 そう言って笑い続ける勇樹に、相手は『ふざけんな!』やら『インチキだ!ルール違反だ!』やらと騒ぎ立てる。
 
 『インチキじゃねぇよ。そうそう、さっきお前も聞いてもいないのにご丁寧に自分の魔法について語ってくれたからオレも話してやろうか……っとその前に』
 
 そう言って勇樹が相手に手のひらをかざすと、相手の脚を覆っていた氷塊がバラバラと砕ける。
 そうなれば相手は自由になる。勿論相手はこのチャンスを逃すまい、と直ぐに勇樹の方に走り出すが、何も無い場所で突如転ぶと、そのまま身動きが取れないかの様にもがく。
 
 『あのまま氷漬けにしてたら凍傷になる。そうなったらオレのルール違反で負けだからな。だから今度は雷属性魔法の応用でお前の身体全体を痺れさせといたぜ。ほら、あるだろ?正座とかずっとしてたら足が痺れて動けなくなる奴。アレだよアレ』
 
 これなら怪我のしようなんてねぇだろ、と言いながら勇樹はゆっくりと相手に近づいていく。
 
 『あぁ、説明してねぇや。───オレの魔法は、炎、氷、雷、風。あとあんまり使わねぇけど光と闇の計六種類の属性の魔法を自在に操る魔法なんだ』
 
 本当に全身が痺れていて動けないのか、ただ睨みつけることしか出来ない相手に、勇樹はそう言い放つと、リボンを奪い去って、試合終了のブザーが鳴り響いた。
 
 
 
 「つーわけで、ほら。勝ってきたぜ」
 
 そう言って、控え室から出ていった時と同じ様に飄々とした態度で戻ってきた勇樹、尋希が「なんっですかアレ!?」と詰め寄った。
 
 「落ち着けよ、アレってなんだよ」
 「アレはアレですよ!魔力封じされたのになんで魔法使えてるんですか!?」
 「何だ、んな事かよ。簡単な話だよ。アイツよりオレの方が魔力量が多かった。以上」
 
 以上って……と尚も納得が言ってない様子の尋希に、直季があのね、と一言声を出して、続けた。
 
 「尋希くんも魔力については分かってるよねぇ?」
 「えぇまぁ。魔力と言うのは僕らが魔法を使うときに消費する、体内にあるエネルギーですよね。魔力を使い果たしたら、僕らは魔法を使えなくなり、無理して使おうとすれば最悪命の危険がありますよね。休息を取れば使った魔力は回復します」
 「そうそう。他で例えるならそう……筋肉量だと言えるよねぇ。じゃあじゃあ、その魔力は人によって量が違うのはわかるかい?」
 「えぇ、わかりますよ。かく言う僕もそんなに多い訳では無いので。魔力量は多ければ多い程魔法を使える数は多くなりますし、魔法を使う時に使用する魔力量が多ければ多い程強い魔法になりますよね」
 「じゃあ後は簡単だよねぇ。要するに勇樹くんって魔力量は誰にも負けないゴリゴリマッチョなんだよねぇ」
 「ゴリゴリマッチョ……」
 
 直季のその言葉で頭に筋肉量が多い勇樹を想像したらしい尋希は少し顔を青くして、描かれたものを消すかのように頭を振る。
 そして気を取り直したらしい尋希は、「つまりはさっきの試合はあの人と勇樹先輩の魔力を使った腕相撲みたいなもの、ですかね」と言った。
 
 「そうそう!そんな感じ!腕相撲って腕力が強い方が勝つからねぇ。勇樹くんも魔力という名の腕力が強かったってわけさ。多分あれでも勇樹くん全力は出してないよねぇ?だって本気出せば勇樹くんってば全世界に天変地異起こせるでしょ」
 「そこまでは出来ねぇよ、多分。……でもまぁ生まれてきてから魔力切れは起こしたことねぇな」
 
 勇樹がそう言うと、尋希は心底引いたかのような顔をして、「まじかよ」と小さく呟いた。
 
 「直季先輩もそうですけど、三年ってやばい人しか居ないんですか?」
 「ボクもそうって……まぁ安心しなよ、あんな脳筋プレイが通用するのは勇樹くんくらいだからねぇ。他の人は自分の魔力量が相手より多いなんて確信が持てないし、出来てもすぐに魔力切れになっちゃうよ」
 「つーか、ずっとこうやって話してるけどくじ引きの結果、もう出てんぞ」
 
 勇樹の言葉に尋希が「あれっ!?もうそんな時間ですか!?」と慌てて画面を見る。
 俺も釣られて見てみると、そこに書かれている名前は、"桜赤間乃尋"と表示されていた。
 
 「おや、次は兄さんじゃないですか」
 「頑張っていこうね、だよねぇ!」
 「魔法が使えないわけじゃねぇんだし、勝機はあるだろ」
 「うん。まぁ、行ってくるよ」
 
 俺は声援をかけてくれた尋希達にそう言って、座っていた控え室のベンチから立ち上がって扉を開けて出ていく。
 控え室から出て真っ直ぐ歩けば先程までモニター越しに見ていたグラウンドが見えてくる。
 出口の前にはリボンを腕に結ぶ為に待機していたらしい見慣れた担任の教師が立っていた。担任は差し出した俺の右腕にリボンを結ぶと、「貴方にとって最初で最後の魔法大会です。……悔いのないように」と声をかけてくる。
 それに対して俺は何も言うことなく、グラウンドに出て、開始地点である中央付近まで歩いた。
 
 俺の対戦相手は既に来ていて、俺が立ち止まると「よろしく」と礼儀正しく挨拶をしてくる。
 
 「えっと……遅くなって悪かった。こちらこそ、よろしく」
 「いいや構わないよ。ぼくの方こそ今来たばかりだから。……それよりそろそろ始めようか。お互いそこまで会話を楽しむような性格じゃないでしょ?」
 「……そう、かな。そうかもしれない」
 
 そう言ってお互い口を閉ざすと、俺の頭に声が響く。
 
 
 
 『───間乃尋。戦いって、どうやれば一番手っ取り早く終わらせることが出来るか、分かる?』
 
 
 
 どこかで聞いたことがあるようなその優しい男の人の声を他所に、エアガンの発砲音がその場に鳴り響いた。
 
 ───開戦だ。
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