異世界転移して戻ってきたけど、疲れきったおじさんになっちゃった元勇者が子連れで再召喚されたら総愛されになってしまった件について

鳥海あおい

文字の大きさ
14 / 25

13.でもって、ようやく何故召喚されたかって話

しおりを挟む
「それで、誰がいい?」

「はぁ?」

執務室に入るなりいきなり聞かれて、俺は思わず素っ頓狂な声をだしてしまった。


*


結局あの後、テオに体を拭かれたと思ったらなんだか女の人にかこまれて、違う部屋に連れて行かれて、あちこちマッサージされたり、爪を磨かれたり、髪をとかされたり、嫌だというのにあちこち剃られたりしてつるつるのぴかぴかにされたあげく、なんだかやたらめったらカッコいい服を着せられた俺である。
左肩から垂れているマントとか、繊細な刺繍のついた軍服のような詰め襟風はかっこいいけど、すごく窮屈である。

で、そのままわけもわからないまま王様の執務室に連れてこられたと思ったら、第一声がこれである。

「あ、ごめん。いきなりすぎたね。久しぶりだけど元気そうだね!…でもないか」

回復したはずなのにすぐまたこんなに疲れてるのはエロエロ三人衆のせいだ、バカヤローと叫びたいとこだが、さすがに王様にそんなことは言えないので俺はただ愛想笑いを浮かべた。
偉い人にはつい媚びてしまう社畜根性の悲しさである。
だがその笑いは少し引きつっていた。

この国の王ユーシスはというと、元気な美形の中年である。
王族特有の金色の髪、青の目。前に来た時40歳前後くらいの印象で、もちろん2年しかたっていないのでほとんど変わりない。
王様のくせに偉ぶっていない点は美点といえるだろう。
だが、欠点は王様らしくないことだろう。

「バパー!」

「蓮」

その時、扉を開けて入ってきたメイドが蓮を連れてきてくれたので、ようやく親子再会とあいなった。
なんだかほっとするが、喜びにむせぶ俺を尻目に、息子は俺の姿を見ると尻込みするとメイドにへばりついて離れようとしなかった。

「おーい、蓮どうした。パパだよ」

「…レンジャーマンのてき」

どうやらいつも見ている戦隊もの敵、悪の総帥に格好が似てしまってるらしい。
怖がる蓮はとりあえず見慣れてくれるまでおいておくことにして、俺はユーシスに向き直った。

「それで先ほどの話ですが、誰がいいって何のことですか」

正直答えは聞きたくないが、聞かないのも怖くて恐る恐る聞くと、応えはやはりとんでもないものだった。

「勇者パーティのメンバーの誰と結婚したいかってこと」

「ーーーはぁ???」

結婚?
どこから何故そんな話が?
あ、でもなんか選べとかそんな話をしていたような気はするけど、

「あれ?まだ誰かから聞いてない?」

-----聞いていません。





とある国に魔王が出現しました。
困った人々は勇者を召喚しました。
勇者は仲間たちと魔王を倒す旅に出て、無事に魔王を倒し増した。
ですが、勇者はこの国から去り、自分の国に帰って行ってしまいました。




「いやー、その去ってしまったっていうのがなんか人々の琴線に触れちゃったのかな。失ったものを惜しむ気持ちというか・・・」

ぴらり、と、何枚かの紙を渡される。
見てみると、どれにも剣を持ってポーズを決めている黒髪の少年の絵が描かれている。
しかも"勇者クロエ”とも書いてある。
思わず俺は顔をしかめた。

「なんだこれ。これは俺??ブロマイド的なもんか?」

「ぶろまいど?これは最近大人気のクロエの絵姿だよ。飛ぶように売れてる」

ブロマイドじゃねーか。
気恥ずかしくて思わず絵を伏せる。

「限定版の額つきクロエの剣のレプリカネックレスつきもある。入手するのが大変なんだ」

お次は家臣に並んで買ってきてもらったと、額入りの絵を出されて脱力してしまう。

アイドルグッズか!?


全体的に理解不能の話に突入してきて、おれはもうツッコミを入れるしかなかった

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

転生悪役弟、元恋人の冷然騎士に激重執着されています

柚吉猫
BL
生前の記憶は彼にとって悪夢のようだった。 酷い別れ方を引きずったまま転生した先は悪役令嬢がヒロインの乙女ゲームの世界だった。 性悪聖ヒロインの弟に生まれ変わって、過去の呪縛から逃れようと必死に生きてきた。 そんな彼の前に現れた竜王の化身である騎士団長。 離れたいのに、皆に愛されている騎士様は離してくれない。 姿形が違っても、魂でお互いは繋がっている。 冷然竜王騎士団長×過去の呪縛を背負う悪役弟 今度こそ、本当の恋をしよう。

喪女なのに狼さんたちに溺愛されています

和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です! 聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。 ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。 森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ? ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。

処理中です...