業火な御馳走

赤八汐カケル

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山小屋

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私は登山するような格好でいる奏音を家に招きいれた。リビングにいた母は奏音を見ると驚いた表情をしていた。

「あれ?今日って登山する予定だったの?」
母は私の顔を見たら聞いてきた。私は笑いながら顔を横に振った。

「あ、七尾奏音と言います。今日はお世話になります。これ、つまらないものですが…」
奏音は丁寧にお辞儀をして手に持っていた、紙袋を母親に渡した。母はまるで、山小屋の人になった気持ちを疑似体験しているような感じだろうなと思い、私はまた、噴出してしまった。

「ごめんごめん、なんかさ面白くて」
私は、手で謝った格好を取ったが、顔は笑ったままだったので、奏音は赤面しながら私のことを鋭く睨みつけてきた。

私は、奏音を二階の自室まで連れていった。奏音は部屋の隅っこに登山バッグを置いて、ソワソワしながら立っていた。私は、部屋の中央に折り畳み式のミニテーブルをおいて座布団を敷いて、奏音に手で座ってと合図した。奏音は緊張様子で正座をして座る。

「足崩していいよ、多分だけど、友達の家に来て正座する人なんかいないよ」
また、笑ってしまった。奏音も再び静かに顔が紅葉していく、季節に例えるなら奏音は家に来てから秋と冬したか来ていないだろう。

私も座ると目の端に奏音が持ってきた、登山バッグが視界に入り込んできた。また噴き出しそうになる。必死に笑いをこらせようと下唇を噛んで我慢していると、今度は奏音が噴き出して、私も我慢できなくなってしまい、お互いに笑いあった。

「ねぇ、舞、何その変顔!超面白い!でも、ありがとうね、私が緊張しているからって変顔で笑かしてくれたんだよね!」
奏音は勘違いをしているようだ。胸が痛い、私は、ただ単に部屋の隅っこにおいてある、登山バッグがおかしくて、笑うのを我慢していただけなのに、気遣いだと勘違いしてくれたのだから。

私は、胸が痛いが奏音の勘違いを使わせてもらった。

「そ、そう!奏音がさ、あまりにも緊張しているから笑って貰ってリラックスしてもらおうかと思ってさ」
私は初めて奏音に噓をついた。奏音は凄く嬉しそうだったので、この噓はついてもいい噓だということにしようと自分で自分に弁解する。

「二人ともご飯の準備ができたから降りてきて」
母がしたから呼びかけてくれたので、私たちは下に降りた。お昼御飯はオムライスだった、トロっとした卵がケッチャプライスにふわりと乗っていて、美味しそうな匂いがする。やっぱり、家の母は料理が頗る上手だ。

私たちはスプーンや料理などをテーブルの上に置いて、それぞれ席についた。




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