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第1章――3 【 修業の日々/吸血鬼の悦楽 】
第31話 アカツキ・センリの異世界生活 その2
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戦いの後はいつものようにビールで夕食を済ませて、宿に戻ってシャワーを浴びて眠るまでリリスとゆったりとした時間を過ごす。
「そろそろこっちの世界に来て一ヵ月が経つけど、どう? だいぶ慣れた?」
「うん。リリスがずっと傍に居てくれたから、この世界で生きること事体の不安は最初からあまりなかったし、それにこの町は優しい人ばかりだから、毎日が楽しいよ」
「そ。なら良かった。私も転移先がたまたまこの町でよかったわ。治安の悪い場所に転移したらセンリにこっちの世界を満喫させてあげられなかったかもしれないし」
お互いにベッドの上で、僕がリリスに背中を預けて談笑に浸る。
「お互いに幸運に恵まれたってことかな」
「くすっ。そうね。私、ここぞって時の運は強いの」
「僕はあんまりかなぁ。あ、でもリリスと出会えたことは僕にとって最高の子運かも」
「本当かしらそれ?」
「本当だよ」
「いつも貴方を振り回して、こっちの世界に連れてきた張本人なのに?」
「たしかにあの時はすごく動揺したけど、でも、憧れだった異世界に来れて、僕は今すごく満喫してるんだ。それは間違いなく、リリスと出会って、リリスがあの時僕の手を引いてくれたからだよ」
「――ほんと、貴方って子は」
ぎゅ、とリリスから後ろから抱きしめられる。
「変わった子。でも、嬉しいわ。あの時私を助けてくれたのがセンリでよかった」
「えへへ。リリスにそう思ってもらえたら、僕はそれだけで本望だよ」
リリスに必要とされていることが、きっと今の僕の喜び。
それを伝えるように後ろから抱きしめる手に自分の手を重ねると、心の奥底がじんわりと温まっていくのを感じた。
「……センリ」
「なに……んっ」
名前を耳元で囁かれて振り向けば、何の前触れもなく唇を奪われた。
ほんのすこし驚いて、けれどすぐに柔らかくて温かな彼女の唇を受け入れてその感触を堪能する。
「ぷはぁ。……キスも、だいぶ慣れたわね」
「当然だよ。もう何回もリリスとキスしてるんだから」
すこし頬を赤らめながら言えば、リリスは可笑しそうにくすくすと笑った。
「初めてした時が懐かしく感じるわね。私がキスしようとする度に顔を赤くして、小鹿みたいにぷるぷる増えてたわよね」
「慣れてないとこういうのは皆緊張するものなの!」
「初心だった頃のセンリ。今思い出しても可愛いわ」
「むぅ。人の純真を弄んで」
いじけた風に頬を膨らませると、子どもをあやすように頭を撫でられた。
「まぁでも、そんな初心だった頃のセンリはもう立派な男の子だもんね?」
「……その子ども扱い、止めて欲しいなぁ。僕を男にしたのはリリスなんだよ?」
ファーストキスも童貞も、男側が女性に捧げられるものは全て黒瞳に映す美しい吸血鬼に捧げてしまった。
「「――んぅん」」
僕を子ども扱いしてからかってくるくせに、キスを求めてくる頻度は多いし性行為を毎晩のように迫って来るのはどうなんだと思う。まぁ、百年以上を生きるリリスからすれば確かに僕はまだ子どもなんだろうけど。
「ぷはぁっ……ふふ。大人の口づけも上手くなっちゃって」
「何度も言うけど、リリスがいっつも僕に迫ってくるせいだからね?」
「そのわりには貴方も乗り気に感じてるんだけど」
「そ、そりゃ……リリスとキスするの好きだし」
「うふふ。よく知ってるわ」
「んっ」
リリスは嫣然と笑ってまた僕の唇を奪いにくる。今度は二度のキスよりも長く、お互いの唾液を混ぜるように激しく舌を絡ませてくる。
舌を絡ませ合うほどに、息が荒くなって身体が熱くなっていく。その熱量にくらくらと眩暈すら覚える。
もう何度もして、それでも飽きないどころか増々リリスとのキスに病みつきになっていくのはもはや呪いだ。抜け出せる気がしない。
「……くすっ。センリの、今夜はやる気マンマンみたいね」
「これだけ激しいキスしたらこうなって当たり前だよ。それに、する為にキスしたんでしょ?」
「ふふ。ご明察~♪」
全くこの淫乱吸血鬼は。
「やっぱリリスって吸血鬼じゃなくてサキュバスなんじゃ……」
「正真正銘の吸血鬼よ。セックスするのが大好きな、ね」
「やっぱサキュバスじゃん!」
「細かいことはどうでもいいのよ。ほら、早く、お互いに火照った身体を満たし合いましょ」
「……特訓より、リリスとえっちする方が何倍も大変なんだよなぁ」
そのままお互いベッドに倒れ込んで、キスをしながら器用に服を脱いでいく。
「ねぇ、センリ。今夜は何回戦しよっか?」
「明日朝起きれるくらいでお願い」
「じゃあ最低でも三回戦はイケるわね」
「絶対起きれないよ⁉ ちょっとは加減して⁉」
「ふふ。それはセンリ次第だわ」
今夜もまたたっぷりと搾り取られることを悟って、僕はやれやれと嘆息を吐く。
異世界に転移して一ヵ月。僕が最も苦労を感じているのは人付き合いでも特訓でもなく、この性欲に果てのない吸血鬼の夜の相手をすることかもと、心の中でそう思うのだった。
「(まぁ、リリスとする以上に心が満たされることもないんだけどね)」
こんな感じで僕の異世界に転移して一ヵ月が過ぎて、そしてこれから更に僕の異世界生活が充実していくのは、まだ知る由もない先の物語だ――。
「そろそろこっちの世界に来て一ヵ月が経つけど、どう? だいぶ慣れた?」
「うん。リリスがずっと傍に居てくれたから、この世界で生きること事体の不安は最初からあまりなかったし、それにこの町は優しい人ばかりだから、毎日が楽しいよ」
「そ。なら良かった。私も転移先がたまたまこの町でよかったわ。治安の悪い場所に転移したらセンリにこっちの世界を満喫させてあげられなかったかもしれないし」
お互いにベッドの上で、僕がリリスに背中を預けて談笑に浸る。
「お互いに幸運に恵まれたってことかな」
「くすっ。そうね。私、ここぞって時の運は強いの」
「僕はあんまりかなぁ。あ、でもリリスと出会えたことは僕にとって最高の子運かも」
「本当かしらそれ?」
「本当だよ」
「いつも貴方を振り回して、こっちの世界に連れてきた張本人なのに?」
「たしかにあの時はすごく動揺したけど、でも、憧れだった異世界に来れて、僕は今すごく満喫してるんだ。それは間違いなく、リリスと出会って、リリスがあの時僕の手を引いてくれたからだよ」
「――ほんと、貴方って子は」
ぎゅ、とリリスから後ろから抱きしめられる。
「変わった子。でも、嬉しいわ。あの時私を助けてくれたのがセンリでよかった」
「えへへ。リリスにそう思ってもらえたら、僕はそれだけで本望だよ」
リリスに必要とされていることが、きっと今の僕の喜び。
それを伝えるように後ろから抱きしめる手に自分の手を重ねると、心の奥底がじんわりと温まっていくのを感じた。
「……センリ」
「なに……んっ」
名前を耳元で囁かれて振り向けば、何の前触れもなく唇を奪われた。
ほんのすこし驚いて、けれどすぐに柔らかくて温かな彼女の唇を受け入れてその感触を堪能する。
「ぷはぁ。……キスも、だいぶ慣れたわね」
「当然だよ。もう何回もリリスとキスしてるんだから」
すこし頬を赤らめながら言えば、リリスは可笑しそうにくすくすと笑った。
「初めてした時が懐かしく感じるわね。私がキスしようとする度に顔を赤くして、小鹿みたいにぷるぷる増えてたわよね」
「慣れてないとこういうのは皆緊張するものなの!」
「初心だった頃のセンリ。今思い出しても可愛いわ」
「むぅ。人の純真を弄んで」
いじけた風に頬を膨らませると、子どもをあやすように頭を撫でられた。
「まぁでも、そんな初心だった頃のセンリはもう立派な男の子だもんね?」
「……その子ども扱い、止めて欲しいなぁ。僕を男にしたのはリリスなんだよ?」
ファーストキスも童貞も、男側が女性に捧げられるものは全て黒瞳に映す美しい吸血鬼に捧げてしまった。
「「――んぅん」」
僕を子ども扱いしてからかってくるくせに、キスを求めてくる頻度は多いし性行為を毎晩のように迫って来るのはどうなんだと思う。まぁ、百年以上を生きるリリスからすれば確かに僕はまだ子どもなんだろうけど。
「ぷはぁっ……ふふ。大人の口づけも上手くなっちゃって」
「何度も言うけど、リリスがいっつも僕に迫ってくるせいだからね?」
「そのわりには貴方も乗り気に感じてるんだけど」
「そ、そりゃ……リリスとキスするの好きだし」
「うふふ。よく知ってるわ」
「んっ」
リリスは嫣然と笑ってまた僕の唇を奪いにくる。今度は二度のキスよりも長く、お互いの唾液を混ぜるように激しく舌を絡ませてくる。
舌を絡ませ合うほどに、息が荒くなって身体が熱くなっていく。その熱量にくらくらと眩暈すら覚える。
もう何度もして、それでも飽きないどころか増々リリスとのキスに病みつきになっていくのはもはや呪いだ。抜け出せる気がしない。
「……くすっ。センリの、今夜はやる気マンマンみたいね」
「これだけ激しいキスしたらこうなって当たり前だよ。それに、する為にキスしたんでしょ?」
「ふふ。ご明察~♪」
全くこの淫乱吸血鬼は。
「やっぱリリスって吸血鬼じゃなくてサキュバスなんじゃ……」
「正真正銘の吸血鬼よ。セックスするのが大好きな、ね」
「やっぱサキュバスじゃん!」
「細かいことはどうでもいいのよ。ほら、早く、お互いに火照った身体を満たし合いましょ」
「……特訓より、リリスとえっちする方が何倍も大変なんだよなぁ」
そのままお互いベッドに倒れ込んで、キスをしながら器用に服を脱いでいく。
「ねぇ、センリ。今夜は何回戦しよっか?」
「明日朝起きれるくらいでお願い」
「じゃあ最低でも三回戦はイケるわね」
「絶対起きれないよ⁉ ちょっとは加減して⁉」
「ふふ。それはセンリ次第だわ」
今夜もまたたっぷりと搾り取られることを悟って、僕はやれやれと嘆息を吐く。
異世界に転移して一ヵ月。僕が最も苦労を感じているのは人付き合いでも特訓でもなく、この性欲に果てのない吸血鬼の夜の相手をすることかもと、心の中でそう思うのだった。
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