××男と異常女共

シイタ

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××男の一日

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 習慣付いた流れで俺はドアの鍵を閉めた。
 部屋を出る時に中から「いってらしゃーい」という声が聞こえたが、いつも通り無視だ。
 
「おはよう」

「ああ」

 声を掛けられた方には、金髪ミディアムに頭の上で逆立つリボンが特徴的な女子が立っていた。
 御五智みごち姶良あいら、アパートの二〇二号室の住人、つまり俺の部屋の隣に住む女。
 そして、俺と同じ高校に通う女子高生だ。

 俺と姶良はほとんどの登校を共にしている。
 理由はすぐに分かる。
 登校中、俺たちは特に会話をすることなく淡々と歩き続ける。

「あ」

 姶良が何かを見つけて声を漏らす。
 その目が見る先には、路上に転がっている一つの空き缶ゴミ
 姶良はそのゴミを拾うと、すぐ近くにある自動販売機の隣にあるゴミ箱に入れた。

 『ゴミをゴミ箱に』

 これをモットーとする姶良は、たとえ自分が出したゴミでなくとも、ゴミそれを見ればゴミ箱に入れないと気が済まない『ゴミ女』なのだ。
 だからなのか、姶良はいつでもゴミを拾い集めることができるように軍手・黒いゴミ袋・トングを常に持ち歩いている。
 
 いつの間にかそれらの装備を万端にした姶良が、また落ちているゴミを見つけてそれを拾いに行く。
 見慣れた光景、いつものこと、なので特段気にかけることなどないのだが、唯一気にかけなければいけないことがある。

「早くしろよ、姶良。遅刻するぞ」

「了解」

 そう、こいつはいつもゴミ拾いに夢中になって、自分が登校中だということを忘れてしまう。
 最悪の場合は無断欠席をすることもある。
 姶良が遅刻しようと無断欠席しようと俺には関係がない、どうでもいいこと、なのだが姶良のクラス担当の先生に頼まれて、仕方なく世話を焼いてやっている。
 正直、なんで他クラスである俺がそんな面倒な世話を焼かなくてはいけないのかと愚痴ったが、理由は簡単だ。
 俺と姶良に面識があり、住むところが隣同士であるから。
 白羽の矢が立つのに十分すぎる理由である。
 俺はそれでも面倒だと訴えたが、このまま無断欠席と遅刻を繰り返すと姶良が進級できないと聞き、仕方なく了承した。
 もちろん、妥協してもらった点もあるが。
 これが俺と姶良が一緒に登校する理由だ。

 またゴミが落ちているのを見つけたのか、駆け足でそれを拾いに行く姶良を見て俺は考える。

 いっそ、ゴミを見つけないように目隠しでもさせ連れて行くか、と。

 当然、そんなことをすれば周りから奇異の目にさらされて、目隠しした姶良を連れ歩く俺は変人扱いされるため、そんなことはしない。

 だが俺は気付いていなかった。
 両手に軍手を付けて、右手にトング、左手に黒いゴミ袋を持つ女子高校生を連れているだけですでにかなり目立っていて、そんな考えも手遅れなのかもしれないということに。
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